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KPIのポイント

“美”と“成果”を両立する!デジタル&印刷広告のKPI活用ガイド


KPIのポイント

広告やプロモーションの世界では、「デザインの良し悪し」は企業のブランドイメージやマーケティング成果に大きく影響します。特にデジタル化が進む昨今では、WebサイトやSNS上のバナー広告、LP(ランディングページ)など、デジタルクリエイティブの評価方法に注目が集まりがちです。

同時に、印刷広告(ポスターやパンフレット、チラシなど)も依然として重要な役割を果たしています。地域の店舗やイベントなどでは、紙媒体のデザインが直接的にお客さまを惹きつける大きな要因になるからです。

そこで本記事では、デジタル・オフライン両方の視点から「KPIで見るクリエイティブの成果」について考えてみたいと思います。デザインが主観的な領域にとどまらず、どのように数値を用いて効果測定するか、そのポイントを具体的にご紹介していきます。

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なぜKPIが必要なのか

KPIの測定

まずは「なぜデザインの成果をKPIで測定するのか」をおさらいしましょう。多くの方は、ビジネスを行う上で売上やコンバージョン数などの最終的な成果指標(KGI)を追いかけます。ですが、その途中経過を定量的に把握するためのKPI(重要業績評価指標)を設定しないと、施策が成功しているのか失敗しているのか判断しづらい場合があります。

たとえば、ポスターを刷新した結果、来店数や問い合わせ数に変化があったのか、パンフレットのデザインを見直してから、資料請求がどれほど増えたのか…こうした効果は、事前にKPIを定めて測定しなければ明確に捉えづらいものです。

KPIを設定するメリット

  • 効果の可視化:デザイン変更が具体的にどんな成果をもたらしたかを、数値ベースで把握できます。
  • 意思決定のスピード向上:KPIがあれば、施策がうまくいっているか、すぐに改善が必要かなどの判断がスムーズです。
  • チーム内コミュニケーションの活性化:デザイナーだけでなく、マーケターや経営陣も同じ指標で話ができるようになります。

 

印刷広告でも測れる? KPIの考え方

来店

印刷広告の評価は、Web広告のように「クリック率」などの直接的なデータが取得しにくいため、測定が難しいと思われがちです。しかし、工夫次第で十分にKPIを設定して可視化することが可能です。

来店や問い合わせをKPIとする

ポスターやチラシの場合、直接的にはクリックはありませんが、「来店」「問い合わせ」「商品購入」に結びつくかどうかが重要になります。特に店舗やイベントなら「ポスターを見て来てくれたか」をヒアリングしたり、チラシ限定のクーポンを用意することで反応を追跡できます。

  • クーポン利用率:チラシやパンフレットに特典コードやクーポンをつけ、来店時に回収すると、具体的な利用数がわかります。
  • 問い合わせフォームでの専用コード入力:パンフレットに記載のコードを問い合わせフォームに入力してもらうことで、紙媒体由来の問い合わせ数を把握できます。

スキャンやアクセス数をKPIとする

最近はQRコードを活用したプロモーションも一般的になっています。ポスターやパンフレットにQRコードを掲載し、読み取ってもらうことでWebサイトやSNSへの誘導を図るケースが増えています。

  • QRコードのスキャン数:印刷広告ごとに異なるQRコードを使えば、「どのデザインの広告から何人がアクセスしたか」がわかります。
  • LPへのアクセス・コンバージョン率:QRコードをスキャンして専用のランディングページにアクセスした人が、その後どれくらいの割合で資料請求や商品購入に至ったかを計測できます。

認知度・ブランド好感度をKPIとする

紙媒体は、即時の行動を促すというよりも、ブランドの認知度やイメージを醸成するために用いられることが多いです。そこで、次のような定性・定量両面の評価を組み合わせることがポイントです。

  • アンケート調査:イベント会場や店舗で簡単なアンケートを実施し、広告デザインの印象度合いやブランドイメージがどのように変化したかを測ります。
  • SNSでの言及数や感想:ポスターやパンフレットをきっかけにSNSで話題になっているかどうかをチェックし、エンゲージメントが高まっているかを確認します。

 

デザインを評価するKPIの具体例

ここからは、デザインを評価する際の代表的なKPIを、オフライン・オンライン両面に絡めて整理してみます。

クリック率(CTR)・スキャン率

  • デジタルの場合:ウェブ広告やサイト内バナーではCTRが定番です。クリックした人の数を母数(表示回数)で割って算出します。
  • オフラインの場合:ポスターやチラシに印刷したQRコードのスキャン率が、ある意味「クリック率」に近い指標になります。QRコードがどれだけ読み取られたかで、デザインがどの程度興味を引き、行動を促したかを把握できます。

コンバージョン率(CVR)

  • デジタルの場合:サイトやLPでのフォーム入力、商品購入といったゴールを達成した割合がCVRです。
  • オフラインの場合:チラシクーポンの利用数、パンフレット配布後の問い合わせ数、イベントへの来場数などをコンバージョンとみなすことができます。どの広告デザインがより多くの行動を引き出したかを比較するのに有効です。

エンゲージメント率

  • デジタルの場合:SNS投稿のいいね数・シェア数・コメント数などが代表的なエンゲージメント指標です。
  • オフラインの場合:ポスターを撮影してSNSにアップしてくれた人の数や、口コミ・紹介による来店者数などを追跡できれば、紙媒体でもエンゲージメントの度合いを把握できます。

認知度・ブランドイメージ

  • デジタルの場合:ブランド名の検索数やSNSのフォロワー数、メンション数など。
  • オフラインの場合:店舗やイベントでの直接の声、アンケート結果、地域への浸透度などが指標になり得ます。広告の見やすさや好感度を問う定期的なリサーチによって、デザイン変更前後の違いを測定できます。

 

印刷広告でのKPI測定事例

カフェ経営者

ここでは具体的な事例を想定し、印刷広告におけるKPI測定の流れをご紹介します。

事例:地域のカフェが新メニューをPR

  • 現状の課題:新メニューの認知が低く、来店数が伸びない。
  • 施策:近隣住民向けに新メニューを大きく打ち出したポスターを作成、QRコード付きのチラシを配布。

設定KPI

  • ポスター経由の新メニュー注文数
    来店時に「ポスターを見た」と一言添えてくれたお客さま向けに割引を実施。来店時に声がけがあった数をカウント。
  • チラシのQRコードからのホームページアクセス数
    新メニュー専用のページへ遷移するQRコードを設定し、スキャン数を分析。そこから予約や問い合わせフォームの送信数を計測。

施策後の測定と改善

  • 1週間の運用後、QRコードのスキャン数は想定より多かったが、実際に予約に至った数は少なかった。QRコードを読み取った後、予約フォームがわかりづらかった可能性がある。
  • チラシを見て来店したと申告した人が期待値より少なかったため、店員に声かけしてもらう方法や、割引特典の内容を再検討する必要がある。

このように、紙媒体でもQRコードや割引特典などの仕組みを取り入れると、成果を比較的把握しやすくなります。結果に基づいてデザインのレイアウトやコピーの見直しを行い、少しずつ改善を進めることが大切です。

 

デザイン改善で意識したいポイント

デザインの効果測定で得たデータをどう活かすかが、最終的な成果を左右します。

  • データとクリエイティブのバランス
    • 数値を優先しすぎて「とにかく派手に」「とにかく目立つ色に」となると、ブランドイメージを損なう恐れがあります。ブランドコンセプトや長期的な戦略との整合性を常に意識しましょう。
  • A/Bテストや段階的な検証を実施
    • デジタル広告と同様、紙媒体でも複数パターンを用意してみると、比較検証しやすくなります。エリアを限定して異なるデザインを試すなど、段階的なアプローチが有効です。
  • 顧客目線の改善を忘れない
    • 数値を追うあまり、自社都合のデザインやコピーになってしまうケースは少なくありません。ユーザーがどんな情報を求めているのか、読みやすさやわかりやすさを常に念頭におきましょう。
  • オフラインとオンラインを連動させる
    • ポスターやパンフレットを見て気になった人が、SNSやWebサイトへアクセスしやすくなる導線を作ると、紙媒体とデジタルの相乗効果が得られます。ユーザーが迷わず「次のアクション」を起こせるように考えてみてください。

 

まとめ

デザインの評価は、一見すると主観的で「好き・嫌い」の世界に思えますが、実際にはKPIを設定することで、数値として効果を把握できます。特にデジタル領域ではクリック率やコンバージョン率といった指標がメジャーですが、印刷広告についても、QRコードのスキャン率やクーポン利用数といった方法で測定が可能です。

ただし、データを追うだけでなく、ブランドイメージや長期的なビジョンとのバランスをとることが重要です。派手さや即効性だけを優先するのではなく、ブランドとしての一貫性やユーザーの満足感を高めるクリエイティブを心がけることで、より持続的な成果につながります。

紙媒体とデジタルの境界は、QRコードやSNSなどの仕組みを取り入れることで、徐々にあいまいになっています。オフラインとオンラインをうまく連携させつつ、KPIを活用して継続的に検証と改善を続けることで、クリエイティブの成果を最大限に引き出しましょう。

KPIで見るクリエイティブの成果は、組織全体のコミュニケーションを円滑にし、デザインの方向性をチームで共有するための強力なツールです。ぜひ、デジタル・オフラインの両面からデザインの力を測定・活用し、ビジネス目標達成に役立ててみてください。

 

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