過ごしやすい季節になり

子どもたちは外で遊ぶ機会が増えてきます


ということは、

子どもが怪我をすることも増えてくる


整体では、

打撲というものに一番気をつけますが、

中でも打撲の「速度」というものが

大切です


例えば

「足を滑らして階段から転げ落ちた」

というときでも

階段の上の方からゴロゴロと落ちた場合と

最後の二、三段で足を滑らせて

ドスンと落ちた場合では

最後の二、三段で足を滑らせた方が

体に及ぼす影響は大きいのです


上から落ちた方は、

全身ぶつけて痣ができ怪我も

派手に感じますが

最後に足を滑らせて「あっ」と

思った瞬間に床に体を打ちつけた方が

その衝撃に体が対処できず、

体調全体のバランスを崩すことがある

のです


階段の上から落ちたときは、

瞬間的にからだに力が入り

身を硬くて転げて落ちて来るけれど

「あっ」と思ったときに滑り落ちるときは

反射的に体を守る体勢が取れないからです


受け身が取れているか

取れていないか

の差はとても大きいものです


そのように速度の速い打撲は、

一見あまりひどい怪我ではない

と安心しがちです


血も出ず腫れもなければ

痛みもそれほどでもないと 

思ってしまいますよね


けれどしばらくすると

体の奥の方から痛みだしたり、

熱が出たり、

気持ち悪くなったりと

全体的な変動として出て来ることが

よくあります


そのような打撲を見極めるときは、

「脈と呼吸を見る」ことです


人は誰でも「吸って吐いて」という

一呼吸の間に 四回くらい脈を打ちます


これを【一息四脈】といって、

生命が生まれながらに持っている

自然のリズムなのです


この「1対4」というバランスが

保たれていれば、

ひとまず安心できます


ですが、

「1対2」「1対8」であったならば

注意が必要です


その場合は、

骨の変動や内部出血を伴うこともあるので

すぐさま専門家に診てもらった方が

良いでしょう


しかしいずれにしても

打撲においても

まず落ち着いてゆったりとした呼吸で

ぶつけた箇所に手を当てることが、

何より一番の手当てです


じっと愉氣をしてもいい

やさしくさすってあげてもいい


この最初の手当てをしたか

しないかで

のちの変動(または経過)がまったく異なるので、

これだけはぜひともやってほしいものです


 *打撲してすぐは 、

ワーッと泣いたりして

子どもが落ち着かない間は

数えるのが難しいので、

子どもが泣き止んで落ち着いてきたら

確認しましょう*


手を当てるという行為は、

ケガを心に残さないようにし

体と心は一つのものだと考えられて

いるからです


《《脈を数える時の場所》》

・手首

    親指側に指三本を置き中指で脈を感じます

・首

    耳たぶの下端に小指が来るように、

    全指をペタッと置き、中指辺りで脈を感じる

 

《《呼吸数の数え方》》

「吸って吐く」を1回と数え、

  胸やお腹の動きを見ながら一分間測定する


   吸息<キュウソク>で 約1秒、

   呼息<コソク/吐き>で 約1.5秒

   の後の休息期が 約1秒で一息=3~5秒


    成人の場合は、一分間に12~20回が正常


     正常値は年齢によって異なり、

     新生児では、35~50回

     乳幼児は、30~40回


[数え方の方法]

①10秒くらい呼吸を観察します

②規則正しい呼吸になっていることを確認する

③「一回の呼吸が何秒掛かっているか」を判断します

     (仮に×秒/回とする)

④60(秒/回)を × (秒/回)で割れば60/×=呼吸数(回/分) 

    になる


例えばこの式に当てはめれば、

約10秒で時計を使わずに呼吸数を割り出せます


一回の呼吸が2秒 → 30回/分

(かなりの頻呼吸 → 死にそう)


一回の呼吸が3秒 → 20回/分

(頻呼吸 → 危機意識を持って診察する範囲)


一回の呼吸が4秒 →15回/分(早めの呼吸)


一回の呼吸が5秒 → 12回/分(正常な呼吸)


一回の呼吸が6秒 → 10回/分

(ゆっくりめな呼吸/穏やかな呼吸)


一回の呼吸が10秒 → 6回/分

(徐呼吸→止まるかも?)


《《一息四脈の数え方》》

呼吸数と脈拍数は、それぞれ別々に一分間数えます


念の為 2回数えておくと正確なデータが取れます


数値の出し方は、

一分間に数えた脈拍数が『72』だったとして、

呼吸数が18のときは、

〔脈拍数:呼吸数=72÷18=4〕となります


☆「3.5~4.5」の範囲なら、正常です

       高熱が出たときは、「5」ぐらいになりますが、

       それだけ体が強張っているからです


        熱が下がると時は、平熱以下

        その時が、体の休養期間ですので

        熱が下がったからといって動きださず

        安静を保ちましょう


★「2」「6」「8」前後は、警戒が必要


 ・後頭部の打撲時に

      「一息二脈」(脈が少ない方が危険)


・「2」=呼吸が速いか、逆に脈がゆっくり打っている

・「8」=呼吸数がとてもゆっくりなのに、

                脈がものすごく早打ちしている