Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

オーディオ的考察の叩き台

2024-04-27 | 
土曜日の午後から暖かくなる。零度近くから二桁を一挙に通り越して摂氏二十度に至りそうだ。陽射しが出たら走っておきたい。洗濯日和になるだろうか。

音のことをもう少し考えてみたい。車両の走行のそれを防音グラスで遮断するとどうしてもマスキングされてノイズキャンセラーのような不思議な音になると書いた。その件をもう少し考察する。先ずは、高級自動車メーカーが音作りをしているというのは一般的に認知されていると思うが、するとこの場合まず最初に風切り音とタイヤの走行音とエンジン音を下げる一方絶対留意しているのは緊急車両のサイレン等への配慮に違いない。その領域で聞き落とさない周波数域は通るようにしている筈だ。

周波数域で360Hzから630Hzの嬰へから嬰レ間の基音が大切なのだろう。風切り音は高く4kHzから16kHzとして、車のエンジンの回転は分で1200から6000のようなとすると秒で20Hzから100Hzが基音になる。タイヤは7Hzから35Hz。

これだけ見れば、サイレンの域を空けるとやはりエンジン音の倍音成分は可也出そうである。

今回試乗した車の防音グラス仕様には4Dシステムというオーディオセットが使われていて、運転席の椅子の中にも振動を出すスピーカが埋め込まれているらしい。印象としてはやはり上には綺麗に抜けないオーディオだと感じた。理由はやはり風切り音を抑えるための変調があるのではないかと思った。

マイバッハなどの上級機種では室内のつまり外界からの騒音をそこにマスキングをかけるように逆位相の音を流せばそれで相殺されるように所謂ノイズリダクションになっている様だ。

このシステムはまだまだ総合的な完成への一コマになっているのだろう。騒音だけでなく楽音自体も弄らなけならないとなると可也難しい。

なるほど窓を閉めた車を走行中に小鳥の鳴き声などを取り分け聞いているのではないが、自然の外界の環境音は窓で遮断された中での作られた環境を作っている。そこから窓を開けた状態で、自車の路面からの走行音やエンジン音などが混ざる音には慣れていて、窓を閉めてのそれもそれほど違和感がないのと、ある周波数域を抑えた室内音との差は大きい。

更に電気モーターには歩行者保護の為に音が付けられて、そしてエンジン音との間で廻り方にも千差万別の相違がある。

最大の問題としてサンルーフの風切り音が取り分け喧しく感じたのもまさしくそうした特別な音響条件の影響があったからだろう。同時にオットーエンジンの排気音にはスポーツ音というのが記されていて、要するに遮音はただ空気を密閉するというだけに留まらない。音響工学的な考察においてもとても奥が深いテクノロジーである。



参照:
空気羽根で床を上げる 2024-04-25 | テクニック
祭りの喧噪もなんのその 2018-06-10 | 音

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