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ワイアット・アープ、伝説のガンマン。

2024年04月19日 | レビュー(テレビ、ゲーム、本、映画、その他)
  • ワイアット・アープ、最も有名な西部劇ヒーロー

 

 

ディズニー映画「トイ・ストーリー」は大人気のシリーズ映画であることは、誰もが認めることだろう。

「トイ・ストーリー」には多数のキャラクターが出てくるが、一番人気なのは、やはりなんといってもウッディであろう。実質的に主人公的な存在だと思う。

ウッディは保安官のカウボーイ人形という設定。そういうキャラが一番人気ということは、アメリカではやはり保安官というのはヒーロー像として深く根付いているのだろう。

保安官は、西部劇などで早撃ちの銃さばきで悪人を取り締まっていた存在で、当然実在の職業。

西部劇の時代には、名うてのガンマンは多数いたらしい。そういうガンマンを題材にしたのが西部劇というジャンルの映画やドラマであった。その流れは、ウッディが主役の「トイ・ストーリー」にも受け継がれているのかもしれない。

とはいえ最近は西部劇なるジャンルの映画は昔ほど制作されていない。

だが、以前はかなりの人気ジャンルで、数多くの名作映画がアメリカで製作されていた。

 

西部劇というのは、19世紀後半のアメリカの西部開拓時代が舞台であり、日本で言うと幕末~維新(明治)の時代であったろう。具体的には1860年頃から1890年代頃までの、正味30年くらいのことらしい。

ともすれば100年くらいは続いていたのかと誤解してたが、西部開拓時代というのはたかだか30年間くらいのことだったというとは、けっこう意外ではある。

西部劇で描かれた人物は、実在の人物が多いし、内容的にも実在の事件を元にしたものが多かったはずだ。

もちろん、映画化するにあたって、演出的にふくらませたり、フィクションを加えた部分はあったにしろ。

 

では、西部劇に登場した人物で特に有名な人物は誰だろう。

私の印象では、アウトローではビリー・ザ・キッド、保安官ではやはり何と言ってもワイアット・アープではないか。この名前が私の中ではすぐに出てくる。

ビリーは若くして亡くなった。

だが、ワイアットは生きのび、無法者や名うてのガンマンが闊歩した西部劇の時代を勝ち残った。そして長寿を全うした。

ワイアットの凄さは、なんといってもそこにあると思う。

そう、勝ち残ったという点が。

西部劇の映画やコミックによく出てくるワイアットについて、少し調べてみた。

 

話によると、当時の西部には、ワイアットと同等の腕前のガンマンは他にもいたという話だ。

もちろんワイアットが名うてのガンマンであったことは確かでも、最強クラスは彼一人ではなかった・・という話。もちろんビリーもそうであったろう。

ただ、他のガンマンは若くして命を落としていったのに、ワイアットは生き残ったことで、最強伝説として残ったようだ。

 

西部劇にあまりくわしくない人でも、ワイアット・アープの名前は聞いたことがある人は多いのではないか。

ビリーもそうだが、ワイアットもネームバリューがあるのは、人気があるからだろう。

実際、ビリーやワイアットを映像化した映画も多数あるし。

一般的なイメージではワイアットは凄腕ガンマンで、最強のシェリフ・・そんな感じだ。

 

ここでふと考えてみた。

ワイアットは日本で言えばどんな存在なんだろう・・・と。

まあ、国柄も武器も違うので一概には言えないが、アメリカでの拳銃を日本で刀に置きかえて考えてみた。

西部劇での最強のガンマンを、日本での最強の剣豪ということで置きかえて。

日本の歴史で最強の剣豪というと、何人かの名前をあげられる。

だが、生き残って天寿を全うしたという点、後世にその人の言葉が残った点、後世でのネームバリューや人気などを考えると、宮本武蔵あたり、どうだろうか。

つまり、極論かもしれないが、アメリカ人にとってのワイアットは、日本人にとっては宮本武蔵みたいなものなのかな・・と考えてみた。

 

武蔵は生き残り、老齢期には五輪書という著書を書き残した。

ワイアットはなんと20世紀初頭まで生存し、あまたのインタビューなどを受けていたらしいので、その言葉も残っているようだ。

 

そう、ワイアットは、20世紀初頭にはまだ存命していたのだ。

これを知った時、けっこう意外に思えた。思ったより昔の人ではない・・ということで。

ウィキによれば、ワイアットが生まれたのは1848年3月19日。

亡くなったのは1929年1月13日。享年81歳だったとのこと。死因は膀胱炎だったらしい。

決して銃での決闘で亡くなったわけでない。

1929年と言えば、日本では昭和4年だ。

日本で言えばかろうじて昭和の時代にワイアットは亡くなったことになる。

あの西部劇のヒーローにして、伝説の名保安官が昭和まで生きていたなんて。

そう、彼は日本で生まれたとしたら、幕末に生まれ、明治・大正を生き抜き、昭和の初めにかけて生きたことになる人物なのだ。

 

時間軸を日本で置き換えると、あの幕末のヒーロー坂本龍馬が生まれたのは1836年1月3日なので、龍馬が12歳の時にワイアットは生まれたことになる。こう考えると、ワイアットが日本で言えばどんな時代に生まれたか分かりやすいのではないか。

 

ワイアットは無法者が多数いた西部開拓時代に凄腕のガンマンの保安官として名を馳せ、あの有名な「OK牧場の決闘」などいくつもの実戦を生き延び、西部開拓時代が終わった晩年は実業家に転身し、成功を収めたらしい。

そのへんは意外。

彼は西部劇映画の監督として後に有名になることになるジョン・フォードとも親交があったらしい。きっと西部劇の生き証人として、ワイアットはフォードには西部劇に関する様々なことを伝えたのではないか。

そしてそれはフォードが西部劇の映画監督として後に大成することにつながった。

フォードの西部劇映画は絶大な人気を集め、映画に西部劇のジャンルを確立することに繋がったのだろう。

つまりワイアットの存在、西部開拓時代を生き延びたこと、そしてその体験を世に伝えたことで、西部劇は大きく花開いたというわけではないだろうか。

ワイアットの証言や体験談は、西部劇映画には大いに役立ったことだろう。

なにせ、本物・・というか、当人・本人なのだから。

 

生き残った者の特権として、多少なりとも誇張して伝えたこともあろうし、武勇伝を膨らませて語ったこともあったのでないか。

ワイアットの人生には、一筋縄でいかないような、けっこうダークな部分もあったようだが、なんといっても勝ち残ったこと、生き残ったという事実は大きいし、それだけでも勝利者と言えるし、レジェンドになる資格はあったと言えるだろう。それは生き残った特権だろう。

少なくても、ガンマンとしての腕が確かなものではなかったら、あの時代を生き残ることはできなかったはずだ。実戦の中で生きたので、度胸もかなりのものだったはずだ。

映画やコミックなどでは正義のヒーローみたいに描かれても、実際には無法者と紙一重だった部分もあったようだし、やばい仕事もやってたみたいだし、きれいごとを語る清廉潔白な人物では、無法者あふれる時代を生き残ることなんてできなかったと思う。

ハッタリをかます部分もあったろう。

ただ、生き延びたということで、自身を美化して後世の人に伝えた部分もあったろう。

それが後世の正義のヒーロー像につながったのだろうとも思う。

 

そう言えば、昔私が読んだ日本の西部劇コミックの傑作「荒野の少年イサム」にも彼は出てきた。友人であり相方であったドク・ホリディと共に。

西部劇でのトップガンマンと、その最強の相方のコンビとして。

また、ワイアットを描いた西部劇映画は多数あるので、興味のある方は調べてみるのもいいと思う。それほど人気のある人物である、良い証拠だと思う。

 

アメリカ人にとってはやはり伝説のナンバーワンガンマンとしてヒーローなのであろう。

一般的な知名度も実力も人気も。

 

となると・・やはり日本では・・宮本武蔵あたり??

 

20世紀の初頭まで生きていた人物ということで、写真も残されている。

さすがに鋭い目つきをしている。若いころの写真は、なかなかイケメンなのでないかい?

なまじ清廉潔白でなく、無法者と紙一重で、ダークな部分もあったが、最後まで生き残り、西部劇一のシェリフとして名を残したというだけでも、十分に魅力を感じるし、かっこよくも思える。

晩年はさぞかし「生ける伝説」だったことだろう。実戦を勝ち抜いてきただけに、黙っていると迫力や威圧感もあったのではないかなあ。

 

もしもタイムマシンがあったら、私の会ってみたい人物のひとりだ。

さほど大昔というほどではないので、ちょっと時代をさかのぼれば会えそうな気もするし(笑)。宮本武蔵だと、かなり時をさかのぼらなければ会えないものね。

 

ワイアットの映像や肉声は残されていないのだろうか。

 

 

なお、西部劇の名うてのガンマンが実際にどれぐらいの腕前だったのか?については、前述のアウトロー、ビリー・ザ・キッドに関する目撃者の証言が残っている。

目撃者の証言によると・・・

なんでも、ビリーはガンも乗馬も天才だったらしく、空中に放り投げた空き缶が地上に落下するまでの間に、拳銃の弾6発全てを、その空き缶に命中させ貫通させたとのこと。

ビリーは生前は無法者だの悪童(ビリーは21歳で殺されている)だのと言われていたが、死後、彼に関する創作物語が多数出て、その結果「弱きを助け、強きをくじく、義賊」のイメージが定着していった。

なので、アウトローでありながら、後世の人気は非常に高い。

 

ワイアットに関しても、死後の創作もあっただろうが、「保安官」ではあったのは事実なので、悪のイメージはあまりなく、あくまでも西部劇ナンバーワン保安官としてのイメージが強い。

なんでも、例えば「OK牧場の決闘」では、ワイアットはドク・ホリディを含む数人のグループで敵グループ「グラントン兄弟」一味と対決したが、敵メンバーは全員死亡もしくは逃走。

一方ワイアットのグループはワイアット以外は負傷したものの、ワイアットだけはただひとり無傷だったそうだ。

激しい銃撃戦で、勝利したのはもちろん、ただひとり彼だけが無傷だったというだけでも凄いし、とんでもない。

ガンマンとしての腕前、強運、それだけでなく、かけひきにも長けていたのだろう。

 

そのへん、拳銃と刀という武器の違いはあれど、剣豪・宮本武蔵にも通じるような気がする。

武蔵は何百年も前の人だけど、ワイアットは20世紀まで生きてた人なので、アメリカ人には親近感も高いのかも。

 

活躍した時代の近さと、知名度や人気という点では、案外日本人にとっての坂本龍馬に近い面もあるのかもね。アメリカ人にとってのワイアットは。

実際、生きた時代も龍馬とワイアットはかぶるし。

ただ、龍馬は刀のような武器でのヒーローじゃなく、むしろ龍馬の武器は思想や発想や行動力だったとは思うけど。

 

そういう意味ではアメリカ人にとってのワイアットは、ある意味、日本人でいえば武蔵と龍馬を足して2で割ったようなスターだったりして。だとしたら、こりゃ強力ではある。

 

 

それにしても・・ガンマンという側面で考えると、もしもワイアットとビリーが対決したら、どうなったのだろうね。

 

やはり・・こうして書いていると、魅力あるよ、ワイアット・アープ。

アメリカではナンバーワン西部劇ヒーローだろうしね。

 

関係ないけど、ビリー・ザ・キッドもワイアット・アープも、後世に残ったその名前の響きも、かっこいい(もっとも、ビリーの場合は、本名は別にあった。だが後世にはビリーザキッドの名前で残った)。ちなみに、ワイアットの盟友ドク・ホリディという名前の響きもかっこいい。

 

ビリー・ザ・キッドという名前なんて、まるで昭和の子供たちのヒーローみたいな響きがあるし、ワイアット・アープは威厳と強さを兼ね備えた気高い響きを感じる。

ドク・ホリディは、ひと癖ある強さを感じてしまう響きに聞こえる。

後世での彼らの人気は、その名前の響きからくるものも大きいのではないか。

そんな気がしてならない。

日本の剣豪にしても、宮本武蔵、佐々木小次郎、柳生十兵衛、御子神典膳、伊藤一刀斎あたり、そもそも名前からしてカッコイイものね。

 

なお、トップ写真は若い頃のワイアット。けっこうイケメンにも見えるが、決して「いい奴」そうではなく、どこか悪の匂いもするし、なにより眼光が鋭い。

彼の眼光の鋭さは生涯変わらなかったのかもしれない。まあ、絶えず生死の狭間で生きてきたからこその迫力なのだろう。

 

 

↑ アウトローと紙一重のようで、ワルな感じもある。一筋縄ではいかない強さを感じる。やはり 目つきが鋭く、迫力がある。睨まれたら怖そうだ。

実際、ハッタリをかましたり威嚇したりして相手を退散させる場合も多かったらしい。もっとも、ハッタリをかませたのは、実力の裏付けがあったからであったろう。

 

 

↑ 不敵で、近寄りがたいムード。 やはり目つきに鋭さを感じる。保安官としての迫力があるのは、さすが実戦の「西部の男」。

 

↑ ワイアットの写真の中では、一番正義っぽく見える気がする写真。威厳に溢れており、貫禄充分。鋭い眼光に、いっそうの冴えが。こりゃ怖そうだ。

でも、実にかっこいい。名声とハッタリや恫喝だけでも、相手を退散させるに十分。

 

↑ 晩年。目力は相変わらず。ワイアットの語録みたいな本は残ってないのだろうか。あったら読んでみたい。

 

↑ OK牧場で共に戦った盟友、ドク・ホリディ。この写真では、紳士に見える。歯学博士でもあったためドク(ドクター)と呼ばれた。だが、ギャンブル好きで、短気なため何人もの人を殺めたため悪評も高かった。決して正義の人というわけではなかったようだ。だがOK牧場の決闘ではワイアットと組んだことで、後世の人からのイメージは悪くない印象はある。

 

 

なまじこんなネタを書いたもんだから、ワイアットを描いた映画が無性に見たくなってきた・・・・。

OK?  、、、牧場、、、。

 

 

ちなみに私なりに西部劇を題材にした自作曲を作ったことがある。

歌の主人公は、私のイメージや妄想によるオリジナルキャラだが、そのキャラは私が読んだり見たりしてきた西部劇の人物を私なりにミックスさせた人物像だった。

その歌は、こんな自作曲であった。こちら↓

 

おたずね者 : 「時代屋小歌」(音楽編)

おたずね者      作詞・曲  だんぞうどれだけ流れたか もうわからない何度死にかけたかも わからないかわいいこの馬も めっきり歳をとりたまにゃゆっくり休ませ...

「時代屋小歌」(音楽編)

 

 


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