いじめを許さない教師の会

世の中から「いじめ」を撲滅し、地球的正義の実現を目指す教師の会です。2007年6月24日に始まり、現在も活動しています。

経営者は「無理・無駄・見栄」を捨てよ 

2018-04-09 17:16:06 | いじめ・教育
不可抗力と思える事態や事故による危機もある

 病気以外には経済苦による自殺があります。

 悲しいことに、事業で失敗する人は数多いのです。

 自分としては一生懸命にやっていても、不可抗力と思える事態が起きることもあります。たとえば、鳥インフルエンザや、いわゆる狂牛病(BSE)が流行ったりすることがあります。

 また、事業そのものは順調であっても、事故が起きることもあります。たとえば、本業は順調だったのに、運営しているビルの回転ドアが死亡事故を起こした会社もありました。

 鳥インフルエンザが流行したとき、焼き鳥屋などは、かなり苦しんでいたので、家の職業が焼き鳥屋でなかった人は感謝すべきでしょう。それから、アメリカで狂牛病が発生したときには牛丼屋も大変でした。

 そのように、一つの商品で一本勝負をしているところは、うまくいっているときにはよいのですが、「いざ」というときには大変なことになります。いつ危機が襲ってくるか分からないので気の毒です。

 そういう危機に対する備えができていればよいのですが、できていない場合には、あえなく敗れていくこともあるでしょう。それもまた人生の一局面です。

時代の流れを恨んでも、しかたがない

 また、繁盛していたのに、向かいに大きなスーパーができて、店が潰れることもあります。スーパー進出の反対運動を一生懸命にやったとしても、できるものはできるし、こちらが潰れるときには潰れるのです。

 ただ、全国的に見ると、酒屋や米屋など、「パパママ・ストア」といわれる個人商店は、ここ数十年、次々と消えています。

 ところが、それで国民全体が不幸になったかといえば、必ずしもそうではありません。

 スーパーがたくさん進出したために、パパママ・ストアはなくなっていきましたが、そういうところがどうなったかというと、ほとんどはコンビニのチェーン店などに切り替わって生き延びています。それを潔しとしないで、「うちは、いまの商売をずうっと護るのだ」と言っていたところは、やはり潰れています。

 プライドの問題もあるかもしれませんが、コンビニ・チェーンなどの傘下に入って生き延びたところもあれば、商売を諦めて転業したところもあり、道は、いろいろなのです。

 世の中には、自分の思うようにならないことは、たくさんあります。それは、しかたがありません。自分としては、よいと思っても、周りの状況が許さないこともあります。

 客観的に見て、どうしても必要なものであれば、生き延びていくはずですが、「生き延びられない」ということは、「厳しい競争にさらされている」ということなのです。もっとよいサービスを提供したり、もっとよい商品を出したりするところが必ず出てくるわけです。

 それは、生き延びられないところにとっては、悲しいことではありますが、他の多くの人々にとっては、有利なこと、便利なことでもあるのです。

 そういう競争に打ち勝てなければ、敗れていくことになります。敗れる者は悲しいけれども、「それによって、社会全体としては進歩しているのだ」と思って、諦めることです。どこかの傘下に組み入れられるなり、別の職業に就くなりして、自分の居場所を探さなければいけません。古いままで、いつまでも、いまの商売を護ろうとしても、護り切れるものではないのです。

 時代は変わっていきます。時代の流れだけは、どうしようもないところがあるので、そのなかで生き方を決めていかなければなりません。時代の流れを恨んでも、しかたがないのです。

 倒産は辛いことです。ただ、それが自分の不見識によるものであるならば、自分に責任があるのは当然です。また、自分が頑固であるために潰れることもあります。

生命保険で借金を返そうと考えてはならない

 最近は、生命保険に加入して一年か二年たてば、保険金目当ての自殺でも保険金が下りることになっているようです。そのため、「事業経営者が生命保険に入って自殺し、保険金で借金を返す」ということが増える可能性があり、暗澹たる気持ちになります。

 「生命保険で借金を返そう」という考えは持つべきではありません。そこまでして、自分が社長でいなければいけない理由もないでしょう。プライドや、これまでの行きがかりで、そういうことを考えるのでしょうが、悲しいことです。

 そして、生命保険に入り、「これで、自分が死ねば借金を返せる」と思っていると、その思いに、ぐうっと引き寄せられていって、自殺してしまうことになりやすいのです。

 また、自殺して借金を返すつもりではないとしても、「自分が死んだあとに、保険金が何千万円か何億円か入れば、妻や子供は何とかやっていけるだろう」という気持ちで保険に入る場合もあるでしょう。しかし、多額のお金が入ると、それが人間を迷わし狂わせることは多いのです。多額の保険金が入ったために、そのお金で事業を始めて、失敗したりすることもあります。

 「生命保険金を元手にして事業経営を始める」ということは、“ウルトラC”として、成功することもまれにありますが、普通は、やめておいたほうが賢明です。

 それから、自分が死んで遺族に一億円の保険金が入ったら、遺された奥さんが、そのお金を持って、ほかの男と結婚してしまったので、あの世で怒り狂っている人もいます。「女房や子供のためと思ったのに、なんだ。おれが死んだら、一年もしないうちに、ほかの男と再婚するなんて。生命保険金が惜しい」と言って、あの世で暴れている人はたくさんいます。

 したがって、お金は、ほどほどでよいのです。

 「いざとなったら、生命保険で借金を返す」という考えは、実際にそうなることもあるので、ほんとうに“縁起でもない”ことだと言えます。

(「生命の法」第二章 自殺を防止するためには 第六節 経営者は「無理・無駄・見栄」を捨てよ 大川隆法著より)

いじめを許さない教師の会 会長 後藤克彦

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