セールストークや営業活動に苦手意識をもっていた私は、
まずは、技術や商品力の向上をはかる為、バッグや雑貨の縫製の請負仕事を始めました。
滋賀の自宅工房から始めたこともあり、仕事は京都方面のものが多く、
薄地から中厚程度の布製品の縫製が主なものでした。
最初はマルシェや手作り市にマメに参加しながら、請負仕事を並行してやっていたのですが、
新型コロナのパンデミックにより、手作り市が中止になることも増え始め
次第に請負仕事を増やしていくことになります。
続けていくなかで、仕上がりに信頼を得ることができ、
絶えず仕事をいただけるようになっていきました。
技術の幅が広がったと思う一方で、
できることが多くなったからこそ見えてきたこともあり、
これは、一生の仕事にはなりえないと確信することになりました。
請負仕事が増えるのに合わせて、
平屋の一軒家を借りて、工房とするようになっていたのですが、
内職さん以上、縫製工場未満の存在の私には
内容や納期、工賃などミスマッチな仕事が多かったのです。
しかしながら、このミスマッチに対応しながら、
並行して ze-key ブランドを構築していくことは難しく、
当初の考えから遠ざかっていくことを自覚しながらも、
なかなか変化を起こせない日々を過ごしていました。