あーら、なんだかとってもタイトルがいやらしいかんじだわ、と書いておきながら思ってしまう私の方がいやらしい?
ところで今、仕事で東京に来ています。
初めて、東京の療養所に行き、そこで宿泊も出来てめっちゃ嬉しかったです。療養所に宿泊自体も初めてで、興奮いたしました
今まで訪れた療養所は、瀬戸内の3園だけで、どれも島だったのだけれど(つまり、僻地につくり、脱走をさせないために)、東京の療養所は住宅街のど真ん中に位置します。この園が通学者、通勤者の通り抜けにいいようで、園の中をよく一般の人たちが自転車で通り抜けて行ったり、ウオーキングをしている姿を見かけたりして、なんだか不思議な感じでした。



とは言っても、こんな住宅街になったのは、彼らを縛っていた法律がなくなった20年くらい前からです。それまでは、療養所は柊の壁で厚く仕切られ、周囲には住宅もなかったようです。
療養所は、そこで入所者の人がその人生を最期まで完結できるよう、神社、寺、教会などあらゆる宗教施設だけでなく、火葬場や墓場(納骨堂)までありました。戦後すぐくらいは、中には入所者の数が1000を超えるところもありました。だから敷地も広大です(今では、13の国立療養所全てを合わせても入所者の数は数百人です)。
僻地にあって広大なせいか、島の療養所といい、ここといい、自然環境は素晴らしいのですが、入所者の人たちに「いいところですね」という言葉は言ってはいけません。病気が完治しても、彼らはそこにずっと閉じ込められていたのですから。そして療養所とは名ばかりで、戦中、戦後の物不足、人手不足の頃まで、そこで自給自足をするだけではなく、重症患者の面倒を見たり、死体の解剖も手伝わされたり、防空壕を掘らされたり、強制労働を強いられていたのですから。療養所に送られることで、身体を悪くしていった人が大勢いるのです。
「ええ環境やと思うかもしれんけどな、1週間もいればもうその景色は飽きてくるで」
以前初めてそこを訪問した誰かがそう言ったら、そんな寂しそうな返事をしたそうです。
退所することは不可能ではありませんでしたが、それでも法律という見えない鎖でずっと彼らは縛られていたのです。
ところで、この東京の療養所は、近所にお住いの映画監督の宮崎駿さんがよく散歩に来られていて、もののけ姫やら、千と千尋やら、映画のソースになった場所やヒントがたくさんあるところです。ほんと、トトロが出てきそうな森でしたよ。それでも初めて足を踏み入れるまで、20年かかったとのことです。いろんな思いがあったのでしょうね。案内してくださったスタッフの方がおっしゃっていましたが、よく納骨堂の前で20分くらい佇んでおられる姿を見かけたそうです。

それから映画「あん」の舞台にもなったところ。園の食堂にはこんなものも。






映画を見たことのある人なら、あっ!とわかるでしゃう?笑笑
あと、確かここだったと思うのですが、その映画のラストシーンに使われたという桜並木の場所です。





あと、興奮したのが、退所者の方たちを訪問していたのですが、昔、神戸でバンドをやっていて云々、、、というのを聞いて、それ、映画の「ふたたび」の主人公みたいですねなんて言ったら、まさにその方がモデルだったという笑笑
(機会があったらこの映画も見てくださいね。ハンセン病問題がテーマで、若かりし頃の鈴木亮平が出ています)

昨日は厚労省で追悼会と検討会へ行ってきました。国賠訴訟勝訴の後、当事者団、弁護士と国会議員の討議で、毎年開かれる会議です。国が約束したプロセスを守っているか、その後生じた問題点などを話し合う会です。午後のその討議は3時間ほど続き、寝てしまうのではないかと案じましたが、血気盛んなその討議内容がものすごく興味深く、いやあ、めちゃくちゃ面白かったです。
そして今日からは仕事ではなく、オフで親戚などに会ってきます。そしてこれも初体験。カプセルホテルに泊まってきましたよー。色々マイナス点をあらかじめ把握していたので、女性用のあるところ、新しいところに泊まりました。強力耳栓を弟がくれて挑みましたが、いやなんのその、めちゃくちゃ静かでみなさんマナーを守っておられるし、施設はとても清潔で快適でした。



これは、そこの一角で書いてました。ではでは!