※一番下に追記を書きました。4/3.22時
【1】
トラウマ記憶と向き合った流れを、
事故に遭って運転出来なくなった人が、もう一度運転できるようになるまで、
と比較して書いてみた。
#PTSD
#複雑性PTSD
過去は変えられないけど、過去の記憶やそれに類似したものと接した時の、自分の反応は変えられる。
1.例えば車で事故を起こした人が、車に乗れなくなって、車に乗ったり、それを想起する場面においてパニック発作を起こしていたとする。
運転席に座るだけで発作が起きても、適切な処置を自分に施すことにより(私の場合は、自分を自分で安心させる言葉かけ、セルフハグなど)、車に乗っても発作が起きなくなる。
さあ、運転だ、というタイミング、最初は教習所内のような簡単なコースから。
だんだん運転が上手くなり、恐怖反応がなくなったら、次は公道へ。最後に、事故現場の近くを走る。
辛くなったら、一度立ち止まって、「もう大丈夫だよ」と声をかけながら、繰り返し。
その内、どの道を走っても、突然の恐怖反応に襲われることがほとんどなくなり、時々起きても、「もう大丈夫だよ」と声をかけるなど自己コントロールできるように。
走る時の景色は変わらない。でも、運転している自分への影響は全く違うものになった。
2.例えば過去にトラウマを抱えた人が、関連するものに近づけなくなり、それに近い体験や、想起する場面においてパニック発作を起こしていたとする。それが、発作が起きても、適切な処置を自分に施すことにより(私の場合は、自分を自分で安心させる言葉かけ、セルフハグなど)、トラウマに近いものに接しても発作が起きなくなる。
さあ、記憶と向き合おう、というタイミング、最初は過激度がマシな記憶から。(例、近年)だんだんトラウマ記憶の処置が上手くなり、恐怖反応がなくなったら、次は更に掘り下げた記憶へ。(例、思春期)最後に、一番深い記憶の近くを走る。(例、幼少期)
辛くなったら、一度立ち止まって「もう大丈夫だよ」と声をかけながら、繰り返し。
その内、どの記憶に近いものを見ても、突然の恐怖反応に襲われることがほぼなくなり、時々起きても、自分に優しく声をかけるなど自己コントロールできるように。
「過去」というそれ自体の景色は変わらない。でも、記憶に近いものに触れた自分への影響は全く違うものになった。
—————
呼吸再調整法というのがあるらしい。リラグゼーションのための方法の一つ。
私の場合、「自分へのあたたかい声かけの数々、セルフハグ」がこれに当たるのだなと思った。
私は、この行動をとると、自然と呼吸が安定し、時に涙を流し、リラックスして体の緊張がほどけていくから。
「自分へのあたたかい声かけの数々、セルフハグ」
普段は心の中だけでやるんだけど、試しにトイレで口に出してやって録音してみた。(お腹をトントンしつつ)聞いてみたら、子への寝かしつけとほぼ一致した 笑
廊下で聞いてたら、夫が戸の向こうから覗いてて心臓が飛び出そうなほどビックリした 笑
【2】
データを取ったわけではなく、自己流のため主観も入ってると思いますが、
私なりにトラウマ記憶(フラッシュバック)についてABC分析してみました。
自己流かつ素人なので、間違っていてもご容赦を。
◯15年前の私
A. 本やテレビ、ネットなどでトラウマ記憶と関係する内容をたまたま目にする、類似した体験をする
↓
B.不快感、恐怖心、緊張感による身体的症状(重度)やパニック発作あり(トラウマ記憶はただちに想起されない)、自責思考という自傷的行動を延々ループ
↓
C.トラウマ記憶の想起からの回避あり(↑↑)
当時の怒りや悲しみを感じることからの回避あり(↑↑)
疲れあり(↓)
過緊張あり(↓)
自分へのポジティブな見方、愛おしさ減少(↓)
◯8年前の私
A. 本やテレビ、ネットなどでトラウマ記憶と関係する内容をたまたま目にする、類似した体験をする
↓
B.不快感、恐怖心、緊張感による身体的症状あり、自責思考をループしそうになる私と、怒りや悲しみを感じ、自分を励まそうと努力する私が交互に格闘している(その中でトラウマ記憶の想起もあり)
※自責で終わる時と、自分への励ましで終わる時の割合が、ここ8年で完全に逆転。今は1割未満しか自責なし。
↓
1.自責で終わる
※15年前の私のC.が結果になる。
2.励ましで終わる
※今の私のC.が結果になる。
思い出したくない記憶に近いほど、1.で終わらせていたように思う。
◯現在の私
A.本やテレビ、ネットなどでトラウマ記憶と関係する内容をたまたま目にする、類似した体験をする
↓
B.トラウマ記憶が脳裏に浮かぶ。身体的症状あり(軽度)
自分に「あれはひどいことだった。辛かったね」とあたたかい言葉をかけ、泣く
↓
C.私からの励ましの言葉あり(↑)
体の緊張感がほぐれあり(↑)
頭の中のネガティヴな思考活動の停止あり(↑)
疲れあり(↓)
自分へのポジティブな見方、愛おしさ等あり(↑)
◯考察
トラウマ記憶を繰り返し思い出し、また私に対して介抱的に接したことにより、「鮮明かつ過酷な、現在起きているかのように感じる記憶」が、「辛かったけども私が助けてくれる、遠い昔の記憶」に置き換わっていった。
今も、関連した内容に触れて当時のことが想起されることはあるが、最初の数回(つまり、トラウマ記憶を想起し、かつ当時の体験を克明に文章化したり、当時の感情を十分に表現した上で、自分を介抱するようになった頃)と比べると、「過酷な状況が現在起きているような感覚」ではなくなり、
また同時に自分への力強い励まし(自分を励ますことを繰り返すうちに、習慣化した)があり、自分への愛おしさ(自尊感情)が更に強くなる、という結果をもたらした。
いわゆる恐怖反応(動悸、汗をかく)も格段に減り(体感で10→2.3)、
記憶の想起が短時間で済み、他事への行動の切り替えが早くできるようになった。
(最近取り組んでいる、幼少期の性被害についての記憶ならば、数週間、毎日数時間以上→その日中、1時間以内 など)
過去に記憶を思い出し克服した、元夫のこと、両親のことについては、思い出す頻度も大きく減り、また数分程度で別の行動に移れるようになった。思い出した時は、「イラッとするわー」「あれは嫌だったなーまた思い出しちゃったゼ」程度を頭の中で呟くが、特に強い感情は乗らず、発汗や動悸といった身体的反応も起きない。
※ただし、まだ記憶の整理が済んでいない内容のものが出てきた場合は、また「克明に思い出し、当時感じることを避けた感情を感じ、自分を慰め励ます」ということを繰り返すことから始める。
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追記 22時
上記を書いたのは昨日だけども、先程こちらを読んだ。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の認知行動療法マニュアル(治療者用) [持続エクスポージャー療法/PE 療法]
エビデンスに基づいたPTSDの治療法
https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1100030244.pdf
他メモ
これらを読み、私が自分に対して、10年近く行ってきた(トラウマ記憶の数がかなり多かった、それを一つずつ解消して今に至る)ことと、よく似てるなぁ、と思った。
ここでの呼吸法が、私の場合は「あたたかい言葉かけ、はげまし、セルフハグ、セルフトントン(体を優しくトントン)」になるわけだけど。
また、ここに書かれているけども、当時の記憶を言葉で述べるのが難しい、または情動的関わりの過剰(オーバー・エンゲージメント)が起こるような場合は、文章で書くことも推奨されている。
私も、正直「語る」より「書く」方が自分には合ってるし、たとえそれでも十分すぎる情動がある。私は、「語る内容」を聞く、のは非常にしんどいと感じたけども、自分が書いた内容を繰り返し読む、というのでも十分すぎる効果があった。
というか、私は自分が書いたブログ内容を、読んだ直後〜数日ならば、ほぼ暗記してたりするからなぁ。自分の頭の中だけで、書いたことを、最初の文章から最後まで読み直しができる。
それを、やることも多い。
今更ではあるけど、私って解離症状もあったんだなぁ。と、実感。
いやー、なかなか大変ですよ。
でも、それと向き合ってきたわけだ。
花丸、自分にあげたいね。よく頑張ってるよ。
ほんとにね。拍手!
更に追記。
昔友人に、「あなたは過去に起きたことや将来起こるであろうことが、今起きているように感じるんだね」と言われたことがある。
そう、不安障害で、「◯◯になったらどうしよう」とか「◯◯だったから辛い」という想像や記憶が「現在起きているような感覚」。
トラウマ整理をする中で、これが激減した。
トラウマ記憶は、思い出すと、「現在起きているかのように感じる出来事」(あまりの辛さに、感情を感じることを回避し、冷凍保存されていた=一種の解離をしたため)だけども、それをあえてもう一度記憶をたどり文章化して感情を感じたことで、「過去」は「過去」、「今」は「今」という分別が自分の中で進んだのかなと思う。
そこがあやふやだったから、「未来」も「未来」ではなく、起きるかもしれない恐怖が、今起きているかのように感じて、感情を取り乱したのかな、と。トラウマ記憶を解凍処理していくことで、突然の恐怖に襲われることは減り、「今」だけを感じる、に近づいているように思う。