ラリーというスポーツを精一杯楽しみたいのです

ラリーというスポーツを精一杯楽しみたいのです

ラリーを始めてみたい人の道しるべになれば幸いです。

20年来の夢の実現!「日本一速いオヤジを目指す」MR-Sでラリーカーを作って全日本ラリーに挑戦!
応援よろしくお願いします。

若い頃、ダートラ場で速度の乗る外周をどうやって踏みっきりで駆け抜けるか?

 

悩んだ末に出した答えがある。

 

”心頭滅却すれば火もまた涼し”という言葉がありまして

そこから発想して

”僕が速く走る為だけに存在するロボットだったら?”

という考え方、に至った。

 

なぜ、踏みっきりで行けないのか?

「怖いから」

なぜ怖い

「経験したことのない速度でギャップに跳ね飛ばされたらどうなる?ひっくり返る?全損?」

そしてアクセルを緩めてしまう

これは人なので当然起きる現象です。

この恐怖心により、怪我やクラッシュを免れている事も忘れてはならない。

でも、それじゃ勝てない。

 

普通の人間じゃ並ぶまで出来ても勝てない。だって、戦う相手も人間なのだから。

一歩抜きんでて速く走る為には人間思考じゃだめだ。と考えた。

(今ならAI的思考とでも言うとしっくりくるかと思うが・・)

 

あるライン取りで3速踏みっきりで行くというコーナーが有ったとする。

(3速は80㎞/h以上120㎞/h程度の世界)

ダートでこの速度域でギャップや轍の所々存在する90°以上回り込む高速コーナーに突っ込んで行くのは怖い

でも、怖さもビビりも脱ぎ捨てて極々単純に僕が

「早く走る為だけに存在するコンピュータ」だったら

迷わず踏抜いて行くだろう。

ハイスピードな場所では目の前に現れるイレギュラーを

いつもよりちょっと速い反応で対応して行けば良いだけだ。

 

そう考えて、ダートラ場の外周コーナーをずっと加速を保ったまま3速全開で駆け抜けてみた

速度高くてもやってみたら意外とちゃんとコントロール出来るものだ。

 

そして、そのダートラ場では当時の170馬力くらいのシビックやミラージュと

同等のタイムで走る事ができた。

 

ライバル曰く

「どうして外周踏みっきりで行けるの?」

「それはね、このコースの外周が踏みっきりで行ける様に設計されているからです」

とうそぶく

 

 

いや、怖さを克服する方法であって、本当に無理なコーナーは曲がり切れませんので

そこんところ誤解の無い様に・・。

先日、TGRラリーでダートの林道を使ったラリーが開催されていた。

初級者ラリーらしく、大きなタイム差がついていた。

「ダートの走り方を知っているドライバー」がエキスパート各クラス上位に並んだ。

ダート林道を走るラリーがめっきり減ってしまって、ターマックで速い選手はどんどん出て来てるけどダートでは残念なポジションに成ってしまっていた。

世の中が変化してるのでしょうがない・・。

でも戦っている人たちはダートだろうが、雪だろうがどんな路面でも勝たなきゃならない。

「それこそがラリーだから。」

 

ダート林道速い経験者との違いの多くは

「アクセルコントロールするかしないか」と思っています

今回LIVE中継見ていて、ここに大きく差が見えました

ターマックだと上手な選手がタイム出ていなかった多くのパターンがコーナー入ってから姿勢をアクセルコントロールしていたように見えました。

また、コーナーへの進入でもしっかりブレーキを踏んで前荷重かけていた。

あまり横向きに成りすぎない様にアクセルを抜いてコントロール。

”えっ!? 基本の基本じゃん?”これが、いまいち遅い・・。

ターマックや峠、ドリフトで速い・上手い選手は基本に忠実できれいに走ってしまっていました。

 

ダート林道、加えて登り坂では

”アクセルオフは減速”のイメージで、僕は基本的にアクセルコントロールしません。

考え方として、出来るだけ早めにアクセル全開にしてコーナー脱出までアクセルを抜かない。

”そんな事出来る訳ね-じゃん、タコタコに成って結局ドリフトアウトしない様にアクセル抜くんでしょ”

いやいや、アクセル全開で行けるようにコーナー入る手前から姿勢を作って入っていくんです。

ダートでは砂利の抵抗が高くて、アクセル少し抜くだけで大きく減速してしまいます。

逆にアクセルコントロール上手なドライバーに差を付けるポイントとして、コントロールしないで全開を維持するように走れたら、それだけで簡単に1秒/㌔程度のアドバンテージを得られます。

過去にダート林道3.5㌔程度を使ったSSで2位以下を大きく引き離したタイムをだした時、コース中でブレーキ踏んだのは1か所だけでした。あとはずっと加速。コーナリング中はドリフト抵抗で速度落ちるけど駆動輪的にはずーっと加速してる感じです。

加速していても必ずしも速度が上がっていくとは限らない。空転するし、砂利の抵抗もあるので。

だから余計にアクセル抜けない。

駆動輪を轍に擦り付けたりアンダーにして抵抗掛けたり、速度コントロールはするけどアクセル抜かない

速度が乗ったらシフトアップもきっちりする。失速しそうならシフトダウンして高回転を維持して加速させる。

TGR-LIVE動画は参加者同士の走りの違いを確認できるとっても良い資料。

どう違ったのか?リザルトのタイムを見ながら走り比較をするともう一歩踏み込んだ走り方の参考にできますね

 

あと、ダートのスタートで簡単に1秒とかタイムが変わっちゃうので注意です。

タイヤが一回転するくらいまで、そろーりとスタートしていくと動き出しが速いです。

 

参考、インカー映像(NCP91ヴィッツ、チャレンジクラスと同じ仕様)

 

モータースポーツで勝つことは簡単ではありません。

若い人達が競い合って、高め合って頂点を目指す姿に情熱を揺り起される思いでした。

輝いているなぁ。

僕にもそんな頃が有ったろうか?

 

子供が小学生だった頃に、運動会の綱引きで勝ったチームを称え

 1位、〇〇チーム!バンザーイ!!

 2位、△△チーム!惜しかったー頑張りました!

 3位(最下位)□□チーム!よく頑張った!

と、言うのがあった。

まあ良い。(保護者から苦情が出ない様に当り障り無くしているんだなぁ、と思った)

でも、本当は負けたら悔しがるのが良いんだと思う。教育上も。

 

負けた時、リタイヤした時、表彰式では勝者を称えるのが礼儀。

でも、帰って一人に成った時とか、誰からも見られない所で悔しくて涙を流した。

リタイヤした時には声を出して泣いたこともある。

そのくらい本気で勝負をしていれば、ちゃんと気持ちをリセットして次に挑める。

そして、人前で涙が出ちゃったのは勝った時。

 

生活のほぼ全てを勝つ為につぎ込んで、周りの人にも協力してもらって、仕事も沢山して稼いでタイヤ買って

寝る間も惜しんで練習して・・・・

ようやく掴んだ「1位」!!

リザルトを見て飛び上がって喜んで、コドライバーを呼びに行って

「優勝してる!優勝してるよーっ!」とハイテンションで喜んでいると、同じラリーを走ったクルーたちが

「おめでとう」「良かったね」と声を掛けてくれた。

「ありがとう!」「ありがとう!」と言いながら、「勝ったんだ・・」と実感し始める。

 

表彰台の真ん中に立ち、あらためて皆さんを見渡して

サービスクルーやずっと世話してくれた人達と目が合った時に

ジワーってこみ上げきて恥ずかしながら涙が出てしまった。

 

こんな経験は、人生の内でそんなに何度も有る事じゃ無い。

だから勝った時は精一杯喜びを表現して、しっかりと噛みしめる。

 

負けた時は、勝った人の大袈裟に喜ぶ姿を見て

「スゲー羨ましい!!」「次こそは!!」

としっかりと悔しがる事が大切なんだ。

 

誰が言い始めたのか「負けた人の事を考えて、大袈裟に喜ぶな」みたいな話を時々耳にする。

そんなのがあるか!勝ったら大袈裟に喜びなさい!

人は競争して成長するんだ。負ける人が大勢いて、勝つ人が居るんだ。当たり前なんだ。

勝った人が、メチャンコ嬉しそうだから憧れるんだ。

「俺も、あそこに立ちたい!勝ちたいんだ!!」って。

 

「負けるもんか!勝つまでやめない!」

そういう心持ちで勝負に挑む者が、本当に心から勝利を喜べる。

 

ところで、

2023年チャンピオン取ったクルー、おめでとう!!

僕が使っているクラッチのディスクは純正互換品です。

クラッチカバーはTRDの強化、フライホイールはTRDの軽量版を使っています。

クラッチディスク EXEDY TYD035U  ・・・5,000円位

クラッチカバー TRD 31210-AE100  ・・・25,000円位

フライホイール TRD 13405-TF210 ・・・不明(生産中止)

「140ps程度しかない車に強力なクラッチは必要ありません。」

ラリーを何回も戦って、それなりに成績も残してそれから5年以上も走ってるけど問題無いので。

 

いまのディスクを使うように成ったのには、レースカーやチューニングカーを長年手掛けている小山スピードさんの助言が有りました。

ターボや大排気量で大きなトルクを発生するならいざ知らず、ラリーでは摩材系フェーシングのディスクが良いよ。

軽量な車両ではメタルクラッチは要らない。

 (この話での摩材系=オルガニック素材ベースの摩擦材を使用したもの、触れたその場から滑り抵抗が高い)

それまでずっとメタルクラッチを使用してきた僕には衝撃的な言葉でした。

そして、数万円の部品代を覚悟していた僕の財布から出たのはたったの5,000円。

まぁ、レリーズベアリングも同時交換とか、工賃は別(自宅の庭でセルフ交換なのでタダ)ですが。

(お庭で青空見上げながらクラッチ交換・・疲れる・・)

 

なぜ摩材系のクラッチディスクが良いのか?

・クラッチディスクがフライホイールとクラッチカバーに挟まれ触れた瞬間から駆動力が発生する

 イメージは紙やすりを金属に押し付けるとギュッと押すまでも無く最初から抵抗ある感じ、ただし大きな力には耐えられない。

・メタルディスクはフライホイールとクラッチカバーに挟まれると、まずは滑って、ある圧力を越えるとミクロに表面が溶けて密着し強力なロック力を発生する。

 一度貼り付けば挟み込み圧力を緩めなければ簡単には滑らないし、大きな力に耐える。

 

まとめると

・摩材系クラッチは触れた瞬間から滑りながらも駆動を発生し駆動が掛かっていく

・メタルクラッチは短い時間足で言うと「滑ってからロックする」

 

重い車や、ハイパワー車+ハイグリップタイヤではメタルクラッチは必須だが、MR-Sのような軽くてパワーが少ない車では摩材系のクラッチディスクが合っている。

ラリーでは1本のSSで100くらいのコーナーがあるとして、クラッチを繋ぐ操作は1コーナーあたり2回として200回のクラッチミートの瞬間が訪れる。言うまでも無く「滑ってからロックする」よりも「触れた瞬間から駆動」の方がタイムロスが少ない。

0.1秒/回としても20秒程度のタイム優位性が生まれる。

 

僕は、ヴィッツの時もMR-Sでも基本ノーマル系のクラッチでラリーを戦っています。

 

ところで、ディスクの摩擦材以外の所でレーシングクラッチのメリットは無いの?

いや、しっかりとメリットあります!

カバー、ディスク、フライホイールキットなど、とても軽量に作られていたり、剛性が高いカバーに成っていたり、フィーリングやエンジンレスポンスを大きく向上させるものもあります。

自分の車の特性と、走らせるステージに合わせて選ぶと良いですね。

(単行本購入リンクは本記事の下の方にあります)

 

公道ウルフの第10巻が発売されました。

表紙に戦う車のコクピットが描かれていたので紹介。

全日本ラリーで戦う為に、無駄なものを全て外して操作系をハンドル周りに集められています。

競技で戦う車は引き算が基本。

速く走る為に必要なもの以外は排除していく。

カーペットはもちろん、ダッシュポケットもオーディオも無い

 

さて、公道ウルフは箱根グランプリの予選が終わり、レースに突入していきます。

どんどん面白くなっていく!

第10巻では、MR-Sの走りシーンが多く描かれていて見ごたえ抜群。

コースアウトしかけるシーンは、ラリーでもちょっとイレギュラーがあると出くわすような場面

走行機能を確認しながらタイムロスを抑えつつ・・・

 

是非、買って読んで下さいね

 

僕は「野口先生と公道ウルフ」を応援しています。

過去ブログのリンク ↓