コーヒー2050年問題
コーヒーの2050年問題とは
コーヒー産地の気候変動、病気の拡大で、コーヒー産地の生産量が、半分程度に激減するというものです。項目(3)の栽培に適した気候では、温暖化の進展で現在の栽培地において適温上昇と雨量の変化で生産量が2050年あたりから半減すると予測されています。指摘される気候・環境の変化に対しては、栽培環境を制御できる施設栽培での生産が増える可能性があります。
農業においては、有望な生産物の一つです。
日本のような亜熱帯から温帯地域においては、東京都小笠原諸島、沖縄県、鹿児島県南西諸島などは、農業者、NGF味の素、ネスレ日本などが栽培をおこなっています。近年は、本土地域でもハウス栽培で収穫できるようになったようです。
(1)世界のコーヒー生産高
生産国 | 生産量 | |
1 | ブラジル | 317.2万トン |
2 | ベトナム | 195.3万トン |
3 | インドネシア | 79.4万トン |
4 | コロンビア | 66.5万トン |
5 | エチオピア | 49.6万トン |
6 | ウガンダ | 39.3万トン |
(2)コーヒーの種類
品種 | 生産比率 |
アラビカ種 | 60% |
ロブスタ種 | 39% |
リベリカ種 | 1% |
アラビカ種は香りが高く、栽培は自家受精できる品種です。
ロブスタ種は、自家受精では結実率が低く、蜂などの活動を借りて受粉させます。
リベリカ種は、植樹から収穫までの期間が長く、大木になるため収穫がしにくいことで、一部の地域での栽に留まっています。
(3)コーヒー栽培の適した気候
要素 | |
1 気温 | 平均20℃ 10℃以下の気温で枯れる |
2 日当たり | 半日陰 |
3 土 | 弱酸性、水はけの良い土 |
4 水分 | 雨季と乾季があること |
5 その他 | 寒暖の差があること |
〃 2では、日陰を作るため栽培地近くにシェイドツリーをうけたりします。
〃 3では さらに肥沃な土地が望ましいとされています。
〃 4では、成長期は雨季、収穫期は乾期が適しています。
〃 5では、標高450~2500mの高地栽培で、寒暖の差がある方が風味が豊かになるとされています。最低100mの標高が栽培に必要とされています。
(4)世界と日本の消費地ランキング
国別 | 都道府県(総務省家計調査より) | |
1 | EU | 京都府 |
2 | 米国 | 福岡県 |
3 | ブラジル | 滋賀県 |
4 | 日本 | 奈良県 |
国内ではお茶が有名な京都で消費量が多いようです。
(5)国内の栽培地
①東京都小笠原諸島
②沖縄
③徳之島
④沖永良部
近年福岡県、岡山県、群馬県ではハウス栽培でコーヒー栽培がおこなわれています。
コーヒーの果実
コービーの焙煎
コービーの発祥地、エチオピアのコーヒー園 奥にみえるのがキリマンジャロ(シェイドツリーが植わっています。)