Tuesday, April 9, 2024

シアトルの春 霊的世界の構図

composition of the spiritual world

一九一三年十月二四日  金曜日

 今夜もまた貴殿のご母堂ならびにその霊団の要請を受け、私の霊団と共にメッセージを述べに参りました。貴殿にとって何がもっとも興味があろうかと考えた挙句に吾々は、地上へ向けられている数々の霊力の真相をいくらかでも明かせば、貴殿ならびに貴殿の信者にとって、地上生活にまつわる数々の束縛から解脱した時に初めて得られる膨大な霊的知識へ向けて一歩でも二歩でも近づく足掛かりとなり、天界の栄光へ向けて自由に羽ばたくことになろうとの結論に達しました。


──どなたでしょうか。

 前回と同じ者──アストリエルとその霊団です。第十界(※)より参りました。話を進めてよろしいか。 (※界が幾つあるかについての回答はこの先に出てくる。──訳者)


 ──どうぞ。ようこそこの薄暗い地上界へ降りて来られました。さぞ鬱陶しいことでしょう。

 〝降りてくる〟とおっしゃいましたが、それは貴殿の視点からすればなかなかうまい表現ですが、実際の事実とは違いますし完璧な表現でもありません。と言うのは、貴殿が生活しておられる天体は虚空(こくう)に浮いているわけですから〝上〟とか〝下〟とかの用語の意味がきわめて限られたものとなります。

そのことはすでに貴殿の筆録したもの、と言うよりは霊的に印象づけられたものをお読みになって気づいておられるはずです。

 最初に〝地上へ向けられている数々の霊力〟と申しましたが、これは勿論地上の一地域のことではありません。地球と呼ばれる球体全部を包括的に管理している霊力の働きのことです。地球のまわりに幾つもの霊的界層があり、言わば同心円状に取り巻いております。下層界ほど地表近くにあり距離が遠のくほど力と美が増して行きます。

もっとも、その距離を霊界に当てはめる際は意味を拡大して理解していただかないといけません。吾々にとっては貴殿らのような形で距離が問題となることがないからです。


 例えば私がそのうちの十番目の界にいる以上は、大なり小なりその界特有の境涯によって認識の範囲が制限されます。時おり許しを得てすぐ上の界、あるいはさらにその上まで訪れることは出来ますが、そこに永住することは許されません。

一方、下の界に住むことは不可能ではありません。何となれば私が住む第十界も球体をしていますから、幾何学的に考えても、下の九つの界を全部包含していることになるからです。

従ってこれを判り易く言いかえれば次のようになりましょう。すなわち地球は数多くの界の中心に位置し、必然的にその全ての界層に包まれている。

故に地上の住民はその全ての界層と接触を取る可能性を有しており、現に霊的発達程度に応じて接触している──あくまで霊的発達程度です。なぜならその界層はすべて霊的であり物質的なものではないからです。

 その地球の物質性も実は一時的な現象に過ぎません。と言うのは、地球はそれを取り巻く各界の霊力が物質となって顕現したものだからです。実はそれらの界の他にも互いに滲透し合っている別の次元の界の影響もあるのですが、それは措(お)いておきます。当面は今まで述べたもののみの考察に留めましょう。


 さて、これで人間の抱く願望とか祈願とかがどういう意味を持つかが、ある程度お判りでしょう。絶対的創造神ならびに(貴殿らに判り易い言い方をすれば)最高界ないしは再奥界にあって他の全ての界の全存在を包含する聖霊との交わりの手段なのです。

 従って地球は創造神より託された計画のもとに働く聖霊によって行使される各種の、そして様々な程度の霊的影響力によって取り囲まれ、包み込まれ、その影響を受けているのです。

 しかし、向上して行くと事情は一段と複雑となってまいります。地球に属するそうした幾つかの界層に加えて、太陽系の他の惑星の一つ一つが同じように霊的界層を幾つも持っているからです。地球から遠く離れて行くと、地球圏の霊界と一ばん近くの惑星の霊界とが互いに融合し合う領域に至ります。

各惑星にも地球と同じように霊的存在による管理が行き届いておりますから、それだけ複雑さが増すわけです。ここまで来ると、霊界の探求が地上の熱心な方がお考えになるほどそう簡単に出来るものでないことが判り始めます。

 ちなみに太陽を中心に置いてそのまわりに適当に惑星を配置した太陽系の構図を画いてみて下さい。それから、まず地球の周りに、さよう、百個ほどの円を画きます。

同じ事を木星、火星、金星、その他にも行います。太陽にも同じようにして下さい。これで、神界までも探求の手を広げることの出来る、吾々の汲めども尽きぬ興味のある深遠な事情が大ざっぱながら判っていただけるでしょう。

 しかし、ことはそれでおしまいではありません。いま太陽について行ったことを他の恒星とその惑星についても当てはめてみなくてはなりません。こうして各々の太陽系について行った上で、今度は太陽系と太陽系との関係についても考えなくてはなりません。

これで、あなたがこちらへお出でになったら知的探求の世界が無限に広がっていくと述べた真意が理解していただけるでしょう。

 ところで、その霊的界層は全部で幾つあるかという質問をよく受けます。ですが、以上の説明によって、まさか貴殿が同じ質問をなさることはありますまい。

万一お聞きになっても、たかが第十界の住民にすぎない吾々にはこうお答えするしかありません
──〝知りません。また、これ以後同じ質問を何百万回、何億回繰り返され、その間吾々が休むことなく向上進化し続けたとしても、多分同じ返事を繰返すことでしょう〟と。

 さて貴殿にはこの問題を別の角度から考えてみていただきたい。以上述べた世界は霊的エネルギーの世界です。ご承知の如く天体は科学者が〝引力〟と呼ぶ所のエネルギーによって互いに影響し合っておりますが、各天体の霊界と霊界との間にも霊的エネルギーによる作用と反作用とがあります。

先ほどの太陽系の構図をご覧になればお判りのとおり、地球はその位置の関係上、必然的に数多くの界層からの作用を受け、それも主として太陽と二、三の惑星が一ばん大きいことが推察されます。

 その通りです。占星術にもやはり意味があるのです。科学者はそれについて余計な批判はしない方がいいでしょう。と言うのは、霊的エネルギーというものが厳として存在することを理解しない科学者には到底理解しがたいことであり、ともすると危険でもあるからです。

霊的エネルギーには実質があり、驚異的な威力を秘めております。それがあればこそ各界がそれなりの活動ができ、なおかつ他の天体の霊界との関係も維持されているのです。こうした問題になると最高の崇敬の念と祈りの気持ちを持って研究に当たらねばなりません。

何となれば、そこは天使の経綸する世界であり、さらにその上には全ての天使をも一つに収めてしまう宇宙の大霊が在(ま)しまし、吾々はただ讃仰を捧げるのみ。何とお呼びすべきかも知りません。

近づかんとすれば即座に己れの力の足らなさを思い知らされます。距離を置いて直視せんとしても、その光の強さに目が眩み、一面真っ暗闇となってしまいます。

 しかし貴殿に、そして未知なるものへ敬虔の念を抱かれる方に誓って申し上げますが、たとえ驚異によりて幾度も立ちすくまされることはあっても、神の存在感の消え失せることは決してないこと、神の息吹とはすなわち神の愛であり、その導きは慈母が吾が子を導く手にも似て、この上なく優しいものであることを自覚せぬ時は一時たりともありません。

それ故、貴殿と同じく吾々は神を信じてその御手にすがり、決して恐れることはありません。栄光よりさらに大いなる栄光へと進む神々の世界は音楽に満ち溢れております。友よ来たれ。

挫(くじ)けず倦(う)まず歩まれよ、と申し上げたい。行く手を遮る霧も進むにつれて晴れ行き、未知の世界を照らす光が一層その輝きを増すことでしょう。未知の世界は少しも怖れるに及びません。故に吾々は惑星と星辰の世界の栄光と神の愛の真っ只中を幼子の如く素直に、そして謙虚に歩むのです。

 友であり同志である貴殿に今夜もお別れを述べると同時に、この機会を与えて下さったことに感謝申し上げます。吾々の通信が、たとえ数は少なくとも、真理を求める人にとって僅かでもお役に立つことを祈っております。では改めてお寝みを申し上げます。神のお恵みを。  ♰

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