(東邦亜鉛のスイッチャーと安中製錬所 @安中駅)
役目を終える安中貨物 東邦号
2025年(令和7年)3月末で運行終了予定の通称「安中貨物(東邦号)」。
安中貨物(東邦号)は、東邦亜鉛株式会社が、同社の小名浜製錬所(福島県いわき市、1963年(昭和38年)創業)と安中製錬所(群馬県安中市、1937年(昭和12年)創業)間で、亜鉛焼鉱等輸送のため、昭和40年頃から半世紀以上にわたり運行されてきた貨物列車。JR貨物に委託し、日曜・祝祭日を除く一日一往復の運行。
使用車両は、JR貨物EH500形交直流両用電気機関車(愛称「eco-power 金太郎」、仙台総合鉄道部所属）＋タキ1200形亜鉛焼鉱専用貨車(タンク車)。
現在のルートは、小名浜駅〜(福島臨海鉄道)〜泉駅〜(JR常磐線)〜北小金駅〜(JR武蔵野線)〜大宮操車場〜(JR高崎線)〜高崎〜(JR信越本線)〜安中駅。
東邦亜鉛株式会社は、2025年(令和7年)3月末までに安中製錬所の稼働を停止予定(小名浜製錬所に集約)であり、これに伴い、同年3月15日(土)に定期運行を終えた「安中貨物」は、同年3月末で、臨時運行も含め全運行を終える予定。
なお、東邦亜鉛株式会社では、事業再生計画の中で、亜鉛リサイクルのため、閉鎖される安中製錬所に溶融炉を新設し、小名浜製錬所との間を結ぶ貨物列車については今後「活用を検討」するとのことであるが、将来的に貨物列車が復活するかどうかまだ分からない。
湘南新宿ライン・高崎線で群馬へ
新宿(しんじゅく)駅13時20分発の湘南新宿ライン・特別快速高崎行きに乗車
東京副都心・新宿の街
荒川を渡り、東京都から埼玉県へ。
大宮(おおみや)駅
大宮からは、高崎線へ入る。
JR東日本大宮総合車両センター
国鉄色のEF65形電気機関車(左)とEH500形電気機関車(右)
右側の赤いEH500は、量産車でなく試作車の「EH500 901」
元・京浜東北線209系電車を再利用した訓練車。
鉄道博物館の保存車両。2階建て新幹線E1系「Max」(中央)と、国鉄色183系特急形電車(左奥)。
東北地域色の455系国鉄急行形電車を野外展示。車内で休憩できる。
DD13形ディーゼル機関車(左)
国鉄キハ11形気動車。晩年は茨城交通湊線で活躍。茨城交通引退後、ここ鉄道博物館にて展示。
熊谷(くまがや)駅
向こうは秩父鉄道ホーム
元・東急電鉄車が停車中。
東急電鉄を彷彿させる無色ステンレス車の姿も。
熊谷貨物ターミナル駅
籠原(かごはら)駅
籠原駅折返し列車も多い。
北関東の平野を快走。
春の息吹
烏川を渡る。
間もなく終点・高崎。
上信電鉄の古い貨車。
高崎駅と下仁田駅を結ぶ上信電鉄の様々な車両が留置。
後ろのビルは、上信電鉄本社社屋。
向こうのホームは上信電鉄乗り場。元・JR東日本107系を譲受し700形電車として運行。
高崎駅到着
15時04分、群馬県の高崎(たかさき)駅着
向こうのホームには15時12分発、信越本線・横川行き211系電車。
JR東日本では、北関東や甲信地方で最後の活躍をする211 系電車。
湘南色の帯を纏った211系は北関東に残存。
高崎駅は、元々、高崎・新潟間を結んでいた信越本線の起点。
北陸新幹線が開業した現在の信越本線は、部分廃止や第三セクター化で、いくつにも分断(高崎〜横川、篠ノ井〜長野、直江津〜新潟)され、高崎から延びる信越本線は、横川駅で行き止まりの盲腸線になった。
信越本線の高崎・横川間は、通勤通学路線で普通列車のみの運行。
かつては、碓氷峠越えの拠点駅で、駅弁「峠の釜めし」で有名な横川駅は、現在はローカル輸送の終着駅。
シングルアームながら2パンタグラフ車。
前位にもパンタグラフがある。
15時08分発、両毛線小山行き発車
EF64 1001＋12系客車の回送列車が入換え。
「EF64 1001」を始めとする高崎の国鉄形機関車「EF64」2両、「EF65」1両、「DD51」2両の計5両は、2024年(令和6年)11月をもって旅客輸送から引退。
高崎から安中へ
5番線へ。
15時52分発、信越本線・横川行き。
電光式でない希少な方向幕車
15時43分発、両毛線小山行き発車
乗車した横川行きは、15時52分高崎(たかさき)駅を発車
安中駅到着、安中貨物駅と東邦亜鉛専用線
16時04分、安中(あんなか)駅着
横川に向け去っていく211系電車
JR東日本信越本線安中駅のすぐ隣は、JR貨物の安中駅
貨物列車用の側線を有する。
この安中貨物駅から、東邦亜鉛株式会社の専用線が分岐する。
安中駅の向こうの山に建つ東邦亜鉛株式会社安中製錬所
安中製錬所は、1937年(昭和12年)創業
東邦亜鉛株式会社小名浜製錬所(福島県いわき市)が、1963年(昭和38年)に創業すると、昭和40年頃から、小名浜製錬所と、ここ安中製錬所を結ぶ専用貨物列車、通称「安中貨物」(「東邦号」とも言う。)が運行を開始した。
奥には独特の山容の妙義山が聳える。
跨線橋から信越本線・高崎方面を望む。
横川方面を望む。
現在、碓氷峠を目前にした横川駅で信越本線は途切れる。
ギザギザした山容の妙義山
駅近くの跨線橋へ。
安中駅16時19分発の高崎行きが下を通り過ぎる。
安中駅(高崎方面)を望む。右側には広大な貨物用側線。
小名浜方面(奥)からやって来る貨車は、ここでJR貨物の電気機関車から東邦亜鉛の入換用機関車(スイッチャー)にバトンタッチする。
スイッチャーにバトンタッチした貨車は、スイッチャーに牽引され、いったんスイッチバックし、右へ分岐する専用線へ入って行く。
右へカーブする東邦亜鉛専用線
《Y!マップより》
倉庫の中に東邦亜鉛のスイッチャーが見える。
安中駅に停車中の高崎行き211系電車。
山の斜面に立地する東邦亜鉛安中製錬所
まるで要塞のよう。
広大な安中駅構内
妙義山のギザギザな山容が、夕方シルエットとなり浮かび上がる。
16時50分発、高崎行き上り普通列車が1番線に到着。
先程、高崎から安中まで乗車した編成。横川駅で折返してやって来た。
高崎駅に向け発車
16時56分、横川行き下り普通列車が3番線に到着。
多くの乗客が下車。
横川に向け去っていく。
普通列車・横川行きが走り去ると、間もなく、福島県の小名浜から安中貨物が到着。
★動画↓
※2025(令和7)年3月中旬
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(次回へ続く)
