日々どんな言葉に関わり暮らすか、それで人生は大きく変わる。これは確かと思う。
言葉、ロゴスは人の魂を動かし体や暮らしを変容させる。そして体や暮らしはまた言葉を呼び覚ます。良いことも悪いことも言葉は引き起こしながら、その人の生きる環境を形成し、その人自身を変容させてゆくのだと思う。
ロゴスの力。言葉の神秘について、言葉それ自体について、思い問うきっかけを下さったのが、恩師の一人である高橋巌先生だった。
逝かれて半月あまり。ご老衰と知りつつ心痛まだ静かにならない。美学、芸術学、神秘学。魂のことに力を尽くされた。シュタイナー思想を本邦に着地させた方だ。
ダンサーとしての活動をはじめた時期、不安だらけのなかで踊ったステージの直後にいただいた一言が杖になった。オイリュトミーを修めた体がふたたび自由に気ままに踊れるのか試みるつもりで、まあ、ただ滅茶苦茶だったかもしれないのに、、、。
沢山のご本があり、読んでも仲々わからない僕にさえ熱心に解いて下さって、いや、言葉以上に居方そのもので沢山のことを教えて下さった。
勉強会で、稽古場で、先生のお話を聴き、わからぬくせになぜか惹かれた。監修される舞台の裏方をしたときは先生が希求し続けていられる何かへの旅を感じつつ、一言一言に、いや、居方に突かれ揺さぶられた。
研究者、紹介者、という役を超えて、ご自身そのものが思想家であり活動家であられたのだと思う。喪失感が強いが、稽古も勉強も、淡々と続けたい。対話を続けるように、、、。
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