偏平足

里山の石神・石仏探訪

里山の石神端書286 鳩(茨城県行方市根古屋)

2024年04月30日 | 里山石神端書

行方市根小屋・八幡神社の鳩

 行方(なめかた)市は西の霞ヶ浦と東の北浦に挟まれた古くて新しい市。西浦に流れ出し雁通川周辺を訪ねました。八幡神社は雁通川が北浦の河口にある根古屋集落の北側、中世に相賀城という山城に建てられた神社。現地の案内には「寛永十六年(1639)龍翔寺九世住職の祐守法印の時に再建したと伝えられている」とありました。龍翔寺は山城の麓に建つ真言宗の寺。


 八幡神社の鳥居をくぐって登り出すと、手水石と道祖神が並ぶ崖に突き当たります。道祖神は駒形の石に「道祖神」銘があり、この雁通川一帯でよく目にする道祖神です。境内には勧請された石祠が並び、「淡島大明神/元文四未(1739)」銘の石祠もあり、根古屋の鎮守といった感じの八幡神社です。


 鳩は神社の本殿脇障子に二か所に彫られています。白い鳩です。
 鳩は八幡神社の使い。御先(みさき)と呼ばれた神の先触れとして働く動物で、寺社の創建譚に登場する地主神などです。例えば熊野は八咫烏、稲荷は狐、春日は鹿、山王は猿、天神は牛、三峰・御嶽は山犬などです。そして八幡は鳩となっていますが、八幡の大元である大分宇佐八幡宮やその後勧請された京都石清水八幡宮、それから神奈川鶴岡八幡宮においてもこの関係を明快に解説したものは見ていません。
(地図は国土地理院ホームページより)



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