ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

憲法に関する世論調査 - 2 ( 本質を外れた『解説』 )

2024-05-14 15:03:06 | 徒然の記

 前回の続きで、同社の項目と数字のベタ記事をそのまま紹介します。

  ・国会で議論してほしい憲法のテーマを三つまであげてもらったところ「9条と自衛隊」の34%が最多で、「社会保障などの生存権」31%、「大災害時の緊急事態」28%が続いた。

  ・同性婚を「認めるほうが良い」は73%で「認めないほうが良い」は25%だった。選択制夫婦別姓については「賛成」76%「反対」22%、緊急時に国会議員の任期延長を認める改正案には「賛成」74%、「反対」23%となった。

 前回「ねこ庭」が項目ごとに改行して数字を表示した文章と、実際の記事を比較すると読みにくさがよく分かります。

  ・数字は全部上げているから、誤魔化しや隠蔽はしていません

 と言いたいのでしょうが、本当にそうなるのでしょうか。息子たちと「ねこ庭」を訪問された方々は、次の『解説』欄を読んだ後に判断して欲しいと思います。

 期限ありきに警鐘と、タイトルがついた3段組の記事です。

  ・憲法に関する世論調査で、国会論議を「急ぐ必要はない」との回答が多数を占めた。岸田文雄首相が自民党総裁任期を迎える9月までの改憲目標に合わせ、憲法審査会の現場では前向きな勢力が、議論を急ぐよう主張する。

  ・今回の調査結果を踏まえ、民意は幅広い合意がないまま「期限ありきの」拙速な進行を望んでいないとの警鐘に耳を傾けるべきだ。

 同社の項目と数字のベタ記事を読んで、本当にこのような結論が導かれたのか、「ねこ庭」では首を捻ります。

 読みにくい記事に目を通していた人々の中には、『解説』欄を読み、そういうことだったのかと受け止める者がいておかしくありません。

 まず第一に、「前向きな勢力」「改憲勢力」という表現からして頂けません。

 「反対勢力」「抵抗勢力」「反日勢力」「右翼勢力」・・「勢力」という言葉は良い意味で使われません。改憲を目指す国民が、悪いことでも企んでいるような書き方をしていますが、これも印象操作の一つではないでしょうか。

 「反日勢力」「反日左翼勢力」と、「ねこ庭」でもこの言葉を多用しますが、少なくとも自分は「偏った意見」を述べている自覚を持っています。だから「迷いつつ戸惑いつつ、意見を述べています。」と、正直に書いています。

 共同通信社には自覚がなく正直も言わず、これが正論だと日本全国に発信しています。それに比べますと「ねこ庭」は、「情報操作ではなかろうか ? 」と控えめに言い、共同通信社全体でなく、「記事を書いた一部の記者だけ」を批判しています。どちらが社会に害を与えているか、内容の正確さと発信量で比較すると、共同通信社という答えになる気がします。

 「勢力」という言葉に反応しつい横道にそれましたが、本題に戻り記事の紹介を続けます。

  ・1947年の施行から77年を経て、改憲を求める声は広がっている。

  ・改憲が「必要」「どちらかと言えば必要」と答えた人は計75%に上った。

  ・ただその中でも「急ぐ必要がある」は計41%にとどまり、岸田内閣支持層も傾向は変わらなかった。

  ・憲法論議では、故中山太郎元衆議院憲法調査会長( 自民 ) の下、与野党協議を重視し円満に運営する「中山方式」が伝統だった。

  ・だが現在の改憲勢力は、首相目標を前提にスケジュールを逆算。

  ・自民党や公明党は原案の条文作成を提案し、日本維新の会は今国会中の発議にこぎ着けるため、立憲権民主党や共産党の協議からの除外まで言及する。

 同社が「改憲勢力」と呼ぶ国民の一人である私は、情けない気持で記事を読んでいます。現在は「憲法改正」問題の本質について、何も知らない国民の方が少数者になっていますから、この記事には誰も納得しないでしょう。

 首相の目標に合わせて逆算した、「中山方式」を忘れるなと意見を述べる前に、「現行憲法」の間違いに関する大切な議論を忘れていないのかと、問いたくなります。

 ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルとパレスチナ・ガザ地区での激しい戦闘、中国による尖閣への領海侵犯・沖縄の自国領土宣言、度重なる北朝鮮による日本近海へのミサイル発射・威嚇など、自分の国を守る軍隊を再建しなければ、国民と領土の安全が守れなくなっています。

 さらに核弾頭搭載可能の超音速のミサイルが、中国と北朝鮮では日本を照準に配備されています。国際情勢の大きな変化を見れば、国民が「憲法改正」を考えて何の不思議もありません。

 しかるに共同通信社は、「改憲論議を急ぐ必要なし 65%」なと、危機感ゼロの記事を書いています。

 「相手の土俵に乗るな。」「議論すれば、相手のペースに乗せられる。」

 こう言って、国会の「憲法審査会」開催そのものに反対している立憲民主党と共産党が除外されて、何が不都合なのでしょう。記事を書いた記者たちを「反日勢力」と呼びたくありませんが、情けなくなるのは事実です。

  ・一方立民は、自民派閥の裏金事件の説明不足などを理由に、衆議院憲法審査会の開催に応じず、初開催は昨年よりも約1ヶ月遅れた。

  ・他の委員会には出席しており、「政局を持ち込まない」との「中山方式」とは相容れない態度だと言わざるを得ない。

  ・熟議を尽くす努力は、与野党共に求められている。

 最後にこの言葉があるので多少救われますが、緊迫した国際情勢を考えますと、この程度でお茶を濁す鈍感さがやはり無念です。国民と領土の安全を守る気があるのかと、質問したくなります。

 もっと大事なことは、現行憲法をこのままにし軍の再建をしなかったら、日本に130ヶ所あると言われている米軍基地が減らせないことになります。基地の存在が日本を米国に従属させる原因となっているのですから、敗戦以来失っている日本の独立を回復するには基地の大幅減少が不可欠です。米軍に替わるのは、日本軍以外にありません。

 記事は言及していませんが、多くの国民は「憲法改正」問題をここから考えています。したがって「ねこ庭」も、「改憲論議を急ぐ必要なし 65%」という同社の記事を、無念を通り越し呆れて読んでいます。

 どのように記事になるのか、次回は期待なしで紹介いたします。もしよろしければ、「ねこ庭」へ足をお運びください。

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