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日本語の持っている素晴らしさ その1

2024年04月17日 | 国語教育

学習だけの狭い範囲ではなく

私達は当たり前のように

毎日、日本語を使っています。

そして、何不自由なく日本語を

上手に使っていると信じています。

 

相手にちゃんと伝えたつもりの

内容がうまく伝わっていないときが

ありませんか?

 

実は日本語そのものがとても

自由度が高いので、あいまいに

使ってもなんとなくわかってくれる

と思いがちです。

 

例えば、日本語を話すとき、

日常の会話では

ほとんど主語を省いて話します。

とくに若者言葉で有名な

「やばくね?」的な表現を使うだけで、

否定的なニュアンスを出すことができます。

最近は「やばい」という言葉をいい意味でも

使うので、受け取る人の感じ方で

肯定的にも否定的にも解釈できます。

オセロのように周りが黒になると

一瞬にして白が黒になるように

個が全体に引っ張られるのです。

 

西洋言語を勉強してみるとわかるのですが、

日本語はシンプルな言語だということが

わかります。

外国人にきくと、日本語は漢字の習得は

難しいのですが、日本語の会話は覚えるのが

簡単だときいたことがあります。

 

どういうふうに簡単なのか聞くと、

とにかく主語や助詞を省けるところが

いいそうです。

「飯行く?」で意味がつうじるのは

すごいことだと言っていました。

たしかに英語で同じことを伝えようと思えば、

Would you like to go to a restaurant with me?

といいます。

もちろん、Lunch with me?  でも

通じますが、まさかLunch  me? とはいいません。

 

それでは意味がおかしくなってしまいます。

「昼食を私に振る舞いませんか?」

というけちなセリフになってしまいます(笑)

 

日本語は文法構造が柔らかいので、

「飯行く?」でも十分通じるのです。

 

ここで面白い実験をします。

グーグル翻訳で上の「飯行く?」を

日本語に入れて、英語に翻訳してみると、

まさか Lunch goes? とは翻訳していませんが、

Are you going to eat? と翻訳してくれました。

グーグル先生、おしいですね!

 

相手に「飯行く?」というときは、自分と一緒に

行くかという意味が隠されています。

 

日本語とちがって西洋言語は

主語を省略することはありませんが、

日本語はどんどん省略します。

家族でファミレスに行ったときでも、

会話は実にシンプルです。

 

「なにする?」

「ピザ」

「前食べたよね」

「じゃ、こっちにする」

「カロリー高すぎない?」

「うん、大丈夫」

 

日本語ってホント便利です。

主語をわざわざ言う必要がないのです。

主語を言わなくても違和感はありません。

これを英語に訳そうとしたら

すべての文に主語を入れます。

そして時制についても結構デリケートです。

3つ目の文を英語に訳したら

Haven't you eaten it before?

   主語  目的語

ちゃんと主語と目的語が入っています。

これを取り去ってしまうと、

Haven't     eaten   before?

主語と目的語がないとまったく

英語になりません。

 

それから、時制ですが、上の英文の時制は

現在完了を使っています。もとの日本語は

「前これ食べたよね」という表現は一見過去のようですが、

これは相手の経験を聞いているので、現在完了を

使ったほうがより英語的です。

 

実際、学校では英語の授業で現在完了を練習しますが、

英語の会話の中でなかなか日本人は現在完了形を

自然な会話の中で使える人がいません。

 

日本語は過去形ですべてを表すことができるので、

そういう意味でもシンプルな言語だといえます。

というこで、日本語に引きづられて

なかなか現在完了を使えるようにならないのです。

 

実にありがたいことに、日本語はまったく主語も目的語も

要らないのです。聞いている人が頭の中で

足らない意味を補完してくれます。

ですから、日本語の会話は習得しやすい

言語の一つだと思います。

 

私は今まで1年以上勉強した外国語は英語・

仏語・イタリア語・ドイツ語があります。

最近では、ボサノバが好きなので、ポルトガル語を

ネットのアプリで勉強したりしています。

 

どちらかというと外国語学習オタクです。(笑)

イタリア語も仏語も女性名詞・男性名詞が

あってそれぞれ冠詞も違います。

ドイツ語はさらに中性名詞があったりするので、

余計厄介です。さらに動詞の時制による語形変化が

あります。これは外国語を習得する上で

大きな壁となっています。

 

日本語はそういった

厳格性がないがゆえに実におぼえやすく、

使いやすい柔軟な言語だといえます。

 

しかし、その柔軟さ故に日本語を受け取る

側の日本語力に依存する言語だと言えます。

日本で「空気を読め」とよく言われるのは

使われている言葉のもっと向こう側の意味を

汲み取れということなのだと思いますが、

なかなかその習得は困難です。

 

外国語を勉強することで、

日本語の素晴らしいところが見えてきます。

日本語がもっとも素晴らしいところは、

日本で生まれたやまとことば(和語)と中国から

伝来した漢語の組み合わせが絶妙なバランスを

保っていることです。

 

だからこそ、高校生になると漢文と古文の

2教科を勉強するのですが・・・

たしかに学習する教科が増えることで、

高校生は大変です。

ただ、これは日本人として

日本語の教養をつける意味で

大変重要な科目だと思います。

 

子どもたちは1年生から国語の教科書を

もらって国語の勉強を始めるのですが、

現代文の読解のトレーニングは

いつから始まるかご存知ですか。

 

実は小学1年生からです。

小学1年生から文章題を

解かなくてはなりません。

1年生から読解問題を解くために

ちゃんと長文を読んで自分の言葉で

解答をひねり出さないといけないのです。

 

実は言葉による理解する能力は

2,3歳の年齢から急激に増えてきます。

私の塾に来ている幼稚園年長さんは

国語音読の授業で、

平家物語や枕草子など一度聞いて

それを素読するのですが、

実にやすやすとこなします。

 

涼しい顔で古文を聞いてそれを

同じ調子で唱えることができます。

それも完璧にできるのです。

 

実はこの国語音読は

国語の読解力にプラスの

効果があります。

 

それには秘密があって、

それは先生の国語音読の

発生の仕方に秘密があります。

これは一度国語音読を

体験していただくとわかります。

ご興味のある方は

毎週水曜日3時半から体験レッスンを

しますので、ぜひお越しください。

 

小さなお子さんの能力は

大人の能力を超えていると思います。

むしろ小さければ、小さいほど

アンテナの感度がいいのです。

言葉や音に対する興味や集中力も

大人顔負けの能力を示します。

 

文科省は小学校で習う漢字を

学年単位で少ない画数のものから

ならべて教えていくシステムを

採用していますが、これも子供の

能力を無視した残念な大人の発想です。

 

子供は難しい漢字や画数の多い漢字は

きっかけを与えてあげれば

すぐに覚えてしまいます。

例えば、バラという単語を

漢字で書くと 薔薇ですが、

幼稚園の子供たちはむしろ

こんな難しい漢字が大好きなのです。

 

さて、小学校も低学年から中学年となり、

文章の内容を的確につかめるようになると、

小さな文字で書かれた本も

読めるようになってきます。

 

そういった本の内容を楽しみながら読んで

自分の言葉を徐々に増やしていけます。

いわゆる語彙力がつくことで、

上級生も読んでいるような本が

読めるようになってきます。

 

そういった本を読めるということは、

それこそ十分な国語の力が

備わっていることの証であり、

その力がすべての教科の基礎となり、

物事を立体的に考え、多角的に

ものを見つめることができるようになります。

 

私は塾生にそのような能力がついてほしいと

願って指導しています。

ご興味のある方は国語音読の体験会に

母子で参加してみてください。

 

 


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