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音楽と数学の共通点 その3 

2024年04月22日 | 数学・サイエンス

(↑上記写真は令和6年3月のピアノライブat Forte Wajima)

塾の指導の傍ら音楽創作や演奏をしています。

塾生の中にも、音楽やダンス、

書道、演劇などの文化活動や

体育系クラブで頑張っている人が多いです。

長い間塾生を見てきてひとつ言えることがあります。

 

活き活きと課外活動している人ほど

勉学の方にも成果を上げているのです!

 

おそらく、大脳を使う勉学と

小脳を使う演奏やスポーツなどの

課外活動などの両面を頑張っている人は

人一倍脳を活性化させているのでしょうね。

 

最近「スマホ脳」という書籍を読んだのですが、

その中に、数学の問題を解く前に運動をした学生と

何もしない学生との成績を比較したら、

運動をした生徒のほうが成績が良かったという

データを紹介していました。

学習において、脳の使い方は2つに分けることが

できると思います。

 

ひとつは計算問題を解くようなリズミカルな作業です。

眼の前に計算式があり、どう解けば答えを出せるか、

おおまかな方針を決めてから、鉛筆を動かしていきます。

鉛筆はまるで自動筆記のように勝手に動いていきます。

あとはケアレスミスに気をつけてどんどん計算を

処理していけばいいのです。

 

この作業はいわば、反射に近い反応だと思います。

慣れてくると、スピードは恐ろしいほど上がります。

 

このときもう一人の冷静な自分がいるとしたら、

どうでしょう?

計算している最中に、別の視点から

冷静に計算がうまく行っているか

見ているもう一人の自分がいるとすると、

その人は、ミスを出さなくなるのです!

 

主体的な自分が自分であるという

認識とは違う別の客観的な認識を

「メタ認知」と言いいます。

実は一流のスポーツ選手や演奏家などは

このメタ認知をフルに活用しています。

一流選手は誰に教わったわけでもないのに、

こういうことが自然にできるそうです。

 

知り合いで、ラグビーの

コーチをしていた人から聞いた話です。

 

教え子の中に全日本代表に

選ばれた選手がいたそうです。

その教え子は実にステップが

変幻自在に踏めるそうです。

 

二人がかりでタックルしに来ても、

実に天狗のように空を飛ぶが

ごとくステップを踏み、

見事にすり抜けていったそうです。

 

常識的には考えられない動きをして

タックルしようとした選手を躱し(かわし)、

次の動きにつなげて、トライまでの流れを

見事なまでに作ったそうです。

 

そのコーチが言うには彼は鳥瞰図が

見えているのだということでした。

そうでないとあんな動きはできないと

そう言い切ったのです。

いやはや、ここまでくると我々

常人にはわからない領域です。

 

でも、心配しないでください。

実は勉強においてはそのような天性の脳力は

必要ありません。だれでもメタ認知力を

身につけることができます。

 

まずは、計算問題に取り組みましょう。

段階的に易しい問題から

難しい問題に進みながら、

正しい計算方法を

着々とこなしていくことで、

トレーニングが可能かと思います。

 

その計算途中のすべてのステップにおいて、

もう一人の自分が一部始終を

客観的に見届けることが大切です。

 

このようなトレーニングは小学生から有効で、

分数計算ができるようになれば

塾の分数計算の特訓プリントを使って、

集中的に計算力をつけながら

メタ認知力をつけていきます。

 

これがどんどん進化すると、

単なる計算力の問題より、もっと複雑な

応用的な算数・数学の問題でも

メタ認知力を利用することができるようなります。

 

実はピアノの新しい曲を

練習していくプロセスにおいても

同じ方法が使えます。

特にピアノの練習は数学の問題を解くのと違って

何小節かを細切れに繰り返し練習していきますが、

この繰り返しというのがとても大事です。

 

繰り返すことで暗譜ができるようになりますし、

ミスがだんだん少なくなっていきます。

ミスの箇所というのは決まって同じところを

ミスするので、運指なども考えながら

ゆっくりとしたテンポで正確無比に弾く練習をします。

 

数学の問題も若干あやふやで

解説を参考にしたときは、

自分でできるようになるまで

何度も繰り返し練習をすることは

とてもためになります。

そして、式をどんどん書き進めていく中で

冷静なもう一人の司令塔があなたを

正解に導いていくのです。

これができるようになると、

とても勉強が楽しくなりますよ。

 

 


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