異文化アレルギーの克服 | 塩見有輝の日本と海外のデュアルライフ

塩見有輝の日本と海外のデュアルライフ

シンガポールに12年住んでいました。現在は、月の半分が日本、半分が海外です。仕事でインドネシア、シンガポール、マレーシア、フィリピンに行くことが多いです。1年間にその他10か国以上旅行して、美しい景色、文化、人々に会うことを楽しんでいます。

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先日、たまたまお散歩がてらに入った
国立新美術館で、


 


 


 


 


 


 



東京五美術大学連合
卒業・終了制作展

していました。
 ・東京造形大学
 ・日本大学芸術学部
 ・武蔵野美術大学
 ・多摩美術大学
 ・女子美術大学
の学生の皆様の作品が、
無料で開放してあったので、


 


 


 


 


 


 


ちょっとのぞくだけ、
というつもりで入ったところ、
素晴らしい作品が数多くあり
すっかり夢中になって
数時間見てしまいました。


特に見入ってしまう作品は、
お名前を見たりしたのですが、
中国の方がとても多くて、
こんなに留学生が来ているのか
作品を見ながら実感しました。

大学名総学生数外国人留学生留学生%

そのうち
中国国籍


留学生

初年度学費
武蔵野美術大学
(大学院含む)
7,7207039.1%4621,928,000円~1,958,000円
多摩美術大学
(大学院含む)

4,758

60312.7%4481,945,000円~
2,059,000円

(Source: 各大学HPで2024年のそれぞれの項目数字記載があったもののみ掲載)



 


 


 


 


 


例えば武蔵野美術大学では
外国人留学生は年間363,000円を
「環境整備代」として通常より多く払い、
成績優秀者16名のみは、
年間30万円のサポート代が出たり、
日本学生支援機構(JASSO)奨学金で
月額48,000円が出たる機会もあると
HPに書いてありました。


国費留学は
大学1名と大学院生4名
に出ていて
その国籍は韓国、アメリカ、メキシコ、
チリ、タイの方、1名ずつと幅広い選択でした。


多摩美は、以前は外国人の授業料を
「減免」する制度があったものを
2024年からは廃止したと書いてありました。


美術大学は、
特に中国では受入れ大学の数が少なく、
競争率が高く、入学が難関で、
日本の美術大学に入学することが
人気になっているそうです。


大学のメリットは、
授業料を得られる他には、 
各国の留学生を入れることで
大学の評価が上がるという効果もあります。

世界的な大学ランキングでは、
国際性(Internationalization)」や
多様性(Diversity)」が
評価項目の一つとして
含まれているからです。


アメリカの大学の
世界ランキングが高い理由には
留学生の数が多い(20%~30%)という
スコアが影響しています。
参考)東大も2024年データで約16% 
   早稲田は約14%、慶応が約7%とのこと。



国の経済メリットとしては、
見えない貿易をしているのと同じ効果で、
教育のサービスを
輸出しているのと同じ効果
授業料や生活費という外貨)を得ます。


その後その学生が自分の国に帰っても
日本の製品を買う傾向が高まったり
ということもあります。


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最初の美術展の感想に戻ると、

私は「外国人留学生が増えすぎている」という
世間の批判をどこかで耳にしていたから、
外国名の数に少し驚いたのも正直なところです。

 

 

ですが、それ以上に強烈だったのは、
その作品たちの持つ圧倒的な力でした。
その場では「どこの国の学生が作ったか」は、
どうでもよくなるほど、
純粋にその表現に心を奪われてしまったのだ。

私たちの社会にある「外国人アレルギー」は、
免疫のようなものだと思うことがあります。
突然大量に異文化が入ってくれば、
拒絶反応が起きるのは当然だと思います。

アレルギーの治療でも言われるように、
少しずつ異物に触れていくことで
「負けない体質」を作ることが
できると思います。

「異文化」という「アルゲン」
学生の頃から触れていくのは
日本にとっても日本の学生にとっても
いいことだと思う。


私は今まで約2年、
アメリカの大学のMBAを勉強中で、
2025年の5月に卒業予定です。

グループワーク
最初はとても心配でしたが、
様々な視点でのディスカッションで
理解が深まることが多く
意義あるものでした。


いつもだいたい4名くらいのグループで
コースごとにいろいろかわるのですが、
多種多様な方々の中で
たまには憂鬱になったりもありました。


イタリア人なのにとても洗練された
英語を使う学生が、とても優秀で
アメリカの学生を制して
議論をまとめて
素晴らしい文へ誘導してくれました。


たまに冷徹な感じが時々出たりして
ちょっとバカにされている気分になったりして、
いい刺激をもらいました。


マンハッタンの銀行勤務の中国人学生
本当に要領よく
風邪をひいたり?
PCが壊れたりしながら?
でも人当たり良く言い訳しながら
グループワークの負担を回避しつつ
自分のスピーチ録音の時だけは
「チャイニーズティーをたくさん飲んで
声が戻ったわ」と言っていました。
スマートなジョークを言いながら
最低限の負担で効率的に進めることや、


それらを知りながらも、
大変に洗練されたビジネスマナーで、
本質的に、手を抜かずに
バリバリ勉強を吸収しながら、
チームを上品に引っ張る
本当のリーダー格の実力派は、
ヨーローッパ某国在住の
大企業にお勤めの日本人駐在員の方でした。
本質論や時間の使い方、物事の進め方を
見させていただいたりしました。
勉強を、仕事という実践で使っていくのは
この方だと思いました。


逆に、違うタイプの日本人も
いました。
教授に何度も
フルセンテンスで書いた方がいいと
注意されているのに、
箇条書きが論理的と信じている様子で、
学力的には超微妙で浅いわりに、
しっかりと外国人に英語でビシッと
嫌なことを言ってやっつける
「自称」リーダーの方もいました。
野良犬って言ったら、犬がかっこよすぎる。
ずるいけど生き延びる人?
「出張だから代わりに課題提出しておいて」
と言われてそうしましたけれど、
それは99%嘘なのはバレバレだ。
日本人でもこういうタイプの方が
いらっしゃるのかと思いましたが、
日本というチームで考えた場合、
こういうタイプも必要かもなと
思うようになりました。

同じグループのナイジェリアのオウス君は
本当に素晴らしいくらいに何もしないけれど、
自己評価がとても高くて主張も強くて
レポート本文にはほぼ貢献しないけれど、
自分の貢献を、
自分自身で長くレポートに書いたりと、
本当にオウス君のエピソードは
書いたら長くなってしまうので割愛する!


さて、
ここまで読んで、皆さまはどう思いましたか?
これらの私の感情は、とても幼稚でしょう?


でも、こういうことが社会だと思うし、
私の場合は遅すぎましたが、
大学生のうちにこういう感情を経験するのは
強くなるきっかけだと思う。


シラバスの中にグループワークについて
教授が前もって書いていました。


グループワークの中では、
理不尽なことがたくさん起こります。
それはわかっています。
でも、それが社会です。

受け入れて進めてください。


チームでいい評価を得て
自分のメリットも得ながら、

世界のいろいろな人の中で
Give & Take をバランスすること、
得意になりたいですね。




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