マンガ「赤髪の白雪姫」1~26巻ネタバレ感想~ミツヒデが木々を振ったのがテーマの真髄
オススメに何度かでてきたけど、所詮よくある王道ファンタジーマンガだろうし、絵も淡白でそこまで好みじゃなさそう、と思っていた「赤髪の白雪姫」ですが、年末年始に4冊無料だったから読んでみたらハマりました!
クーポン利用で【70%OFF】【最新刊】赤髪の白雪姫 26巻
元々は読み切り予定だったそうで、通して読むと1話はまぁ普通にファンタジーですね。
珍しい美しい赤髪の町娘で薬剤師の白雪が、タンバルン国のラジ王子の愛妾に選ばれ、行動力のある彼女は自由を求めて隣国に向けて逃走。
森で偶然出会ったお忍び王子ゼンと、その側近の腕が立ち人の良いミツヒデと、剣の技術力の高いクールな美女木々と共に、白雪を人身売買に使うため狙った没落伯爵家の巳早(みはや)と立ち向かい、無事白雪はゼンの住む国クラリネスに居を構えます。
私はアニメの方は観たことがないのですが、そこまでの人気があったのなら、今更ネタバレ感想を書くのもね…と思われるのですが、まだ未完だし、中盤からどんどん面白くなるので、敢えてネタバレ感想を私も書くことにしました。
基本的に白泉社系の少女マンガは、男女平等、女の子が自力で頑張るところが良い!
ヒーローの助けを待つヒロイン、ではなく、ヒーローが駆けつけた時にはもう自分で解決してたりするんですよね。
また、「赤髪の白雪姫」は長期連載なだけあり、行き当たりばったりな展開になったり、ダラダラと中弛みしそうな巻数になっているのに、通して読むとキチンとストーリーが繋がっています。
どこまで作者さんが計算しているのか分かりませんが、各キャラの成長が丁寧に、でもセリフは厳選されていて、間や表情だけで語られていくところに、行間を読むような想像力を掻き立てられます。
白雪は、最初は淡々としているようで行動力があり、平気で危険なこともやる子から、目標に向かって目の前のことをコツコツと丁寧に頑張ってやる女性に。
ゼンは城を抜け出して平民のフリして各地を巡り歩いていた分、人を見抜く力を持ち、敵と戦う時の指揮力も、仲間との信頼関係を築ける人間力も持ち合わせた男性に。
この2人以外もどんどん作中で変化していきますが、それがご都合良い展開なわけではなく、時間を共に過ごしてきたからこその成長としての変化なんですよね。
白雪とゼンは4巻で両思いを確認し合ってキスしますが、26巻になってもまだキス止まりの関係、というのもある意味良い!
これには理由があり、第二王子のゼンは気軽に町娘を妃に出来る立場ではないのです。
話の途中で前王のゼンの母ハルトは王位を長男のイザナに譲りました。
同時にイザナはハキと婚約を発表しますが、このイザナ陛下がまぁ前半はかなりミステリアスで怖い印象なんですよね。
最初はゼンと不仲なのかな?と思わされるのですが、徐々に彼は彼なりに弟を可愛がっていて、自分とは違うタイプのゼンのために、なにより自国のために動いている頭脳派なことが分かってきます。
ゼンも兄のことを尊敬していて、心内が読めないと思いながらも、兄と共に国を守っていく覚悟を持っている。
ゼンが白雪を妃にしたいと宣言しているため、イザナは
「白雪がゼンに相応しい、各皇族や貴族や国民達から信頼を得られる立場のある女性と皆んなに認めさせる」
という状況を作り出していて、でもそのレールにただ乗るだけでなく、ゼンも白雪も「自分たちそれぞれがやりたいこと」をしていきながら成長していく、というストーリー。
なので、サッサとゼンと白雪が肉体関係を持ってしまうわけにはいきません。
「薬屋のひとりごと」の壬氏と猫猫と同じですね、ある意味。
単なる遊び相手、愛妾という立場になりかねないし、もし子供でも出来たら王位継承に影響を与えてしまいますから。
しかも白雪の父親は、良い人達の集まりとは言え、一見山賊の親分みたいな立場ですし…(この父のエピソードは、元々はそこまで先を考えずに作ったのでは?という気もしますが…)
ハッキリとセリフで明言されていないのですが、側近達もゼンと白雪を2人きりにさせてあげつつ、一晩共に過ごさせることはしません。
もうゼンとしても、白雪としても、ギリギリで我慢しているようなシーンがたまにチラッとあって、そこがまた萌えると言えば萌えますね。
26巻では白雪から「ゼンと2人で宿で眠るまで過ごしたい」という意思表示をし、それが分かったゼンは白雪にキスして抱きしめ
「思考が焼けそうだ」
と言いますが、でもお互いまだ別の地でやる仕事があり、これから毎日ずっと一緒にいられない、またしばらく離れて過ごさないといけないのが分かっているから、敢えてそれ以上の関係には進めないまま、ただ2人で笑って話して過ごしてから仲間たちの元に戻りました。
まぁラストは見えていて、前王ハルトの住む北のウィラント領地補佐になったゼンと、ウィスタル城と北の地を結ぶ道中に新たな光る花フォスティリアス植栽を成功させつつ各地で信頼を得た白雪は、無事に結婚するのでしょう。
ということで、本来なら主役カップルなのに、一緒にいる時間はかなり作中でかなり短い!
そんな中で、側近や同僚達の成長や人間関係、各領地とのイザコザまで描いていくから、下手すると話が横道に逸れすぎ、と思われそうなのですが、テーマがキチンとしているので飽きませんね。
1番「どうなる⁉︎」と思わされたのは、木々とミツヒデは恋愛関係になるのか?です。
これ、普通の王道少女マンガなら、2人が結婚するのがお決まりだったでしょう。
伯爵家を継ぐために、期間限定でゼンの側近となっている木々は、縁談が次々とくる中で
「その時がきたら、自分から求婚する」
と父親に宣言していました。
ミツヒデはそれを横で聞いていて、「木々は想う男がいるのかな?」と気になりはするのですが、まさかそれが自分のことだとは気付かずにいたんです。(木々の父親も、その報告を受けたゼンも、相手はミツヒデと察していたのに…)
最終的にミツヒデは木々を振りますが、この断りの会話を2回に分けたのがすごく良かった!
普通に考えたら、1回目の「木々と結婚は出来ない。でもゼンと木々はこの国で1番好きな人だ」とミツヒデが明言したことで話は終わっているんです。
木々も「私は振られてるんだね」と納得してますし。
でもそれをミツヒデから聞いたヒサメは、
「それは相棒に対する返事で、自分を想っている相手への返事じゃない。
誰に格好付けているんだ、腰抜け」
という趣旨のことを言いました。
そして改めてミツヒデは「自分が身を固めるのは、ゼンが結婚してからだと思っていた」という言葉を、「多分一生誰とも結婚しない」に変えます。
このミツヒデの気持ちの解釈は、読者の間でも人それぞれみたいですね。
ミツヒデはあくまでも、仕事(ゼンを守る)を人生の目的としたから、それを辞めて木々の婿になることは出来ない、というのは、確かにそう。
その後、ゼンへの報告や、木々とヒサメの会話で更に説明は足されていきますが、まぁ平たく言えば
木々はゼンを守る仕事も、ミツヒデに恋することも、同時に出来た
でもミツヒデは木々のことを恋愛対象として見ないように最初の段階から決めていて、その上でゼンの身が危なくなった時に、ゼン以上に大切な守るべきものは持たないと決意した
という、2人の価値観の違いが明確となったのでは。
ゼンと離されて監禁されていた時のことは、普段お人好しでニコニコしているミツヒデでも、酷いトラウマになるくらいショックを受けていたんですよね。
ミツヒデの性格上、木々が納得していても、妻より主人を優先して敵と戦うこと、身を危険に晒すことは出来ない。
でも、ゼンのために何もかも投げ捨てる覚悟を持って今後の人生を過ごすのではなく、己の芯の部分にゼンを置き、それを基準として動いていく、とミツヒデは決めました。
ちょっと不器用といえば不器用で、そこがミツヒデらしい。
ヒサメは「大事なものが自分の全てとするか、己の芯に置くか、どちらが強いと思うか?」という木々の父からミツヒデへの問いかけに対するミツヒデの答えを聞いた時
「大事なものが無くなったら意味が無いから、どちらでも同じこと」
という風に返していましたが、ヒサメは騎士のミツヒデと違って両家の息子かつ軍の副隊長でもある策略家なので、価値観が木々寄りなのかもしれません。
仲間と共に駆け出す一騎士のミツヒデと、領民に目を配らせながら長い目で見て社交もしていく伯爵家の生活が前提の木々やヒサメでは、視野が違うのかな?
「木々のことは恋愛対象では無い」とハッキリ言わせるのは、その後木々に求婚するヒサメとしては必要な段階にもなります。
振られても木々はミツヒデと共にまだ働き続けるし、想いが残るかもしれない。
でもハッキリと木々が振られたら、想いを断ち切った後に心からヒサメを好きになり、単なる政略結婚だけの関係ではなくすことが出来る。
これが26巻のラストに繋がり、木々はヒサメが本当に自分のことを好きなことに気付き、キスされてもそれを笑顔で受け止めました。
敢えて「ゆっくり進めるのでは?」と茶化すように言っていましたが、木々にとっては急でも、ヒサメにとっては長い時間をかけて、やっと気持ちが届いたってところなのですから。
ゼンとミツヒデにとっては、大事な家族同然の木々が他の男と結婚する、というのは、寂しいし気になるところではあるのでしょう。
でもゼンと白雪も、木々とミツヒデも、他のキャラ達も皆んな
「離れていても、お互いを結んでいる縁は繋がり続ける」
というのが、この作品のテーマ。
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元々は読み切り予定だったそうで、通して読むと1話はまぁ普通にファンタジーですね。
珍しい美しい赤髪の町娘で薬剤師の白雪が、タンバルン国のラジ王子の愛妾に選ばれ、行動力のある彼女は自由を求めて隣国に向けて逃走。
森で偶然出会ったお忍び王子ゼンと、その側近の腕が立ち人の良いミツヒデと、剣の技術力の高いクールな美女木々と共に、白雪を人身売買に使うため狙った没落伯爵家の巳早(みはや)と立ち向かい、無事白雪はゼンの住む国クラリネスに居を構えます。
私はアニメの方は観たことがないのですが、そこまでの人気があったのなら、今更ネタバレ感想を書くのもね…と思われるのですが、まだ未完だし、中盤からどんどん面白くなるので、敢えてネタバレ感想を私も書くことにしました。
基本的に白泉社系の少女マンガは、男女平等、女の子が自力で頑張るところが良い!
ヒーローの助けを待つヒロイン、ではなく、ヒーローが駆けつけた時にはもう自分で解決してたりするんですよね。
また、「赤髪の白雪姫」は長期連載なだけあり、行き当たりばったりな展開になったり、ダラダラと中弛みしそうな巻数になっているのに、通して読むとキチンとストーリーが繋がっています。
どこまで作者さんが計算しているのか分かりませんが、各キャラの成長が丁寧に、でもセリフは厳選されていて、間や表情だけで語られていくところに、行間を読むような想像力を掻き立てられます。
白雪は、最初は淡々としているようで行動力があり、平気で危険なこともやる子から、目標に向かって目の前のことをコツコツと丁寧に頑張ってやる女性に。
ゼンは城を抜け出して平民のフリして各地を巡り歩いていた分、人を見抜く力を持ち、敵と戦う時の指揮力も、仲間との信頼関係を築ける人間力も持ち合わせた男性に。
この2人以外もどんどん作中で変化していきますが、それがご都合良い展開なわけではなく、時間を共に過ごしてきたからこその成長としての変化なんですよね。
白雪とゼンは4巻で両思いを確認し合ってキスしますが、26巻になってもまだキス止まりの関係、というのもある意味良い!
これには理由があり、第二王子のゼンは気軽に町娘を妃に出来る立場ではないのです。
話の途中で前王のゼンの母ハルトは王位を長男のイザナに譲りました。
同時にイザナはハキと婚約を発表しますが、このイザナ陛下がまぁ前半はかなりミステリアスで怖い印象なんですよね。
最初はゼンと不仲なのかな?と思わされるのですが、徐々に彼は彼なりに弟を可愛がっていて、自分とは違うタイプのゼンのために、なにより自国のために動いている頭脳派なことが分かってきます。
ゼンも兄のことを尊敬していて、心内が読めないと思いながらも、兄と共に国を守っていく覚悟を持っている。
ゼンが白雪を妃にしたいと宣言しているため、イザナは
「白雪がゼンに相応しい、各皇族や貴族や国民達から信頼を得られる立場のある女性と皆んなに認めさせる」
という状況を作り出していて、でもそのレールにただ乗るだけでなく、ゼンも白雪も「自分たちそれぞれがやりたいこと」をしていきながら成長していく、というストーリー。
なので、サッサとゼンと白雪が肉体関係を持ってしまうわけにはいきません。
「薬屋のひとりごと」の壬氏と猫猫と同じですね、ある意味。
単なる遊び相手、愛妾という立場になりかねないし、もし子供でも出来たら王位継承に影響を与えてしまいますから。
しかも白雪の父親は、良い人達の集まりとは言え、一見山賊の親分みたいな立場ですし…(この父のエピソードは、元々はそこまで先を考えずに作ったのでは?という気もしますが…)
ハッキリとセリフで明言されていないのですが、側近達もゼンと白雪を2人きりにさせてあげつつ、一晩共に過ごさせることはしません。
もうゼンとしても、白雪としても、ギリギリで我慢しているようなシーンがたまにチラッとあって、そこがまた萌えると言えば萌えますね。
26巻では白雪から「ゼンと2人で宿で眠るまで過ごしたい」という意思表示をし、それが分かったゼンは白雪にキスして抱きしめ
「思考が焼けそうだ」
と言いますが、でもお互いまだ別の地でやる仕事があり、これから毎日ずっと一緒にいられない、またしばらく離れて過ごさないといけないのが分かっているから、敢えてそれ以上の関係には進めないまま、ただ2人で笑って話して過ごしてから仲間たちの元に戻りました。
まぁラストは見えていて、前王ハルトの住む北のウィラント領地補佐になったゼンと、ウィスタル城と北の地を結ぶ道中に新たな光る花フォスティリアス植栽を成功させつつ各地で信頼を得た白雪は、無事に結婚するのでしょう。
ということで、本来なら主役カップルなのに、一緒にいる時間はかなり作中でかなり短い!
そんな中で、側近や同僚達の成長や人間関係、各領地とのイザコザまで描いていくから、下手すると話が横道に逸れすぎ、と思われそうなのですが、テーマがキチンとしているので飽きませんね。
1番「どうなる⁉︎」と思わされたのは、木々とミツヒデは恋愛関係になるのか?です。
これ、普通の王道少女マンガなら、2人が結婚するのがお決まりだったでしょう。
伯爵家を継ぐために、期間限定でゼンの側近となっている木々は、縁談が次々とくる中で
「その時がきたら、自分から求婚する」
と父親に宣言していました。
ミツヒデはそれを横で聞いていて、「木々は想う男がいるのかな?」と気になりはするのですが、まさかそれが自分のことだとは気付かずにいたんです。(木々の父親も、その報告を受けたゼンも、相手はミツヒデと察していたのに…)
最終的にミツヒデは木々を振りますが、この断りの会話を2回に分けたのがすごく良かった!
普通に考えたら、1回目の「木々と結婚は出来ない。でもゼンと木々はこの国で1番好きな人だ」とミツヒデが明言したことで話は終わっているんです。
木々も「私は振られてるんだね」と納得してますし。
でもそれをミツヒデから聞いたヒサメは、
「それは相棒に対する返事で、自分を想っている相手への返事じゃない。
誰に格好付けているんだ、腰抜け」
という趣旨のことを言いました。
そして改めてミツヒデは「自分が身を固めるのは、ゼンが結婚してからだと思っていた」という言葉を、「多分一生誰とも結婚しない」に変えます。
このミツヒデの気持ちの解釈は、読者の間でも人それぞれみたいですね。
ミツヒデはあくまでも、仕事(ゼンを守る)を人生の目的としたから、それを辞めて木々の婿になることは出来ない、というのは、確かにそう。
その後、ゼンへの報告や、木々とヒサメの会話で更に説明は足されていきますが、まぁ平たく言えば
木々はゼンを守る仕事も、ミツヒデに恋することも、同時に出来た
でもミツヒデは木々のことを恋愛対象として見ないように最初の段階から決めていて、その上でゼンの身が危なくなった時に、ゼン以上に大切な守るべきものは持たないと決意した
という、2人の価値観の違いが明確となったのでは。
ゼンと離されて監禁されていた時のことは、普段お人好しでニコニコしているミツヒデでも、酷いトラウマになるくらいショックを受けていたんですよね。
ミツヒデの性格上、木々が納得していても、妻より主人を優先して敵と戦うこと、身を危険に晒すことは出来ない。
でも、ゼンのために何もかも投げ捨てる覚悟を持って今後の人生を過ごすのではなく、己の芯の部分にゼンを置き、それを基準として動いていく、とミツヒデは決めました。
ちょっと不器用といえば不器用で、そこがミツヒデらしい。
ヒサメは「大事なものが自分の全てとするか、己の芯に置くか、どちらが強いと思うか?」という木々の父からミツヒデへの問いかけに対するミツヒデの答えを聞いた時
「大事なものが無くなったら意味が無いから、どちらでも同じこと」
という風に返していましたが、ヒサメは騎士のミツヒデと違って両家の息子かつ軍の副隊長でもある策略家なので、価値観が木々寄りなのかもしれません。
仲間と共に駆け出す一騎士のミツヒデと、領民に目を配らせながら長い目で見て社交もしていく伯爵家の生活が前提の木々やヒサメでは、視野が違うのかな?
「木々のことは恋愛対象では無い」とハッキリ言わせるのは、その後木々に求婚するヒサメとしては必要な段階にもなります。
振られても木々はミツヒデと共にまだ働き続けるし、想いが残るかもしれない。
でもハッキリと木々が振られたら、想いを断ち切った後に心からヒサメを好きになり、単なる政略結婚だけの関係ではなくすことが出来る。
これが26巻のラストに繋がり、木々はヒサメが本当に自分のことを好きなことに気付き、キスされてもそれを笑顔で受け止めました。
敢えて「ゆっくり進めるのでは?」と茶化すように言っていましたが、木々にとっては急でも、ヒサメにとっては長い時間をかけて、やっと気持ちが届いたってところなのですから。
ゼンとミツヒデにとっては、大事な家族同然の木々が他の男と結婚する、というのは、寂しいし気になるところではあるのでしょう。
でもゼンと白雪も、木々とミツヒデも、他のキャラ達も皆んな
「離れていても、お互いを結んでいる縁は繋がり続ける」
というのが、この作品のテーマ。
もう1つ気になるキャラ関係と言えば、オビですよね!
オビは元々は闇稼業をしていて、伯爵から頼まれて白雪のこと狙っていた存在。
なのに能力を買われてゼン達と過ごす内に、ゼンに対して忠誠心が芽生え、かつ白雪に対して恋心を抱くようになります。
このオビが白雪のことを恋愛対象として好きだと分かっていて、その上で白雪の警護にオビをつかせるゼンの選択は、王族らしい理性的なものに感じます。
もしオビがゼンを裏切る可能性があったら…
もし白雪が離れている間にゼンからオビに心変わりしたら…
とゼンが考えたら頼めないことなのですが、むしろ
オビは好きな女を全力で守り、その上で自分を裏切らないだろう
と信じて託しているし、それが残酷なことも分かっている。
この適材適所を考え、取捨選択する能力は、王族に必要なもの。
オビは巻が進む毎に、1番精神的な変化が起きたキャラでしょうね。
どのキャラもあまり感情を多く口にしないのですが、普段は調子良くペラペラと話すオビこそ、ここぞという時の一言に感情の変化が大きく現れます。
今までその場その場で動いていたオビに、「おかえり」「ただいま」と言い合える仲間が出来たのは、ホッコリしました。
これは木々がミツヒデに振られた後も、共にゼンの側近として2人で行動し続けられているところにも繋がります。
よく「男女の友情は成立しない」という意見が話題になりますが、白泉社系では普通に成立することが多いですね。
男と女が一緒にいたら、酔った勢いでも何でもやることやる可能性あるだろ、という動物ノリの価値観に私は全く同意出来ないのですが、白泉社系だとより「性別関係なく、能力も信頼関係も築ける」という人間関係が描かれることが多いなと思います。
最近の作品だと逆ハーレムとかチャラいのもちょこちょこありますが…
単にピュアな男女を描いているわけではなく、ファンタジーとはいえ「仕事」もこの作品のテーマに深く関わっていて、同僚や上司に男も女も関係無い。
ゼンは王族としての仕事も、白雪と共に生きる人生も、どちらも両立させるために動いていて、それは白雪も同じ気持ち。
本来ならゼンが口添えすれば白雪の立場は一気に上げられるのだけど、それをすると白雪の意思に反するし、兄に認めさせることも出来ないからこそ、ゼンは自分の側近の称号をオビに与えて、自分も白雪も守る立場にさせています。
白雪はそれとはまた別に、自ら努力して周囲の信頼を得たり、他人を見る目を養っている。
それに感化されて成長したのが、天才少年のリュウでしょう。
他人と関わるより、1人で研究に没頭するのが好き。
他人は自分を一人前と思ってくれない。
そういう思い込みやジレンマを察し、困っていたら笑顔で助言し、でも余計な手出しはしない、対等な対応をしてくれる年上たちと出会い、リュウは宮廷薬剤師以外の立場となる道を選びます。
現時点で書いていないキャラが沢山いるのですが、「出てくる人達皆んな良い人ー」ってだけの話じゃないのも良いんですよね。
個人的には双子のツルバ・タリガ兄弟も萌えます。
2人の兄は最悪でしたけどね…
本当にこのマンガは間と絵で心情の変化を表現するし、セリフも言葉足らずというか、途中まで言いかけた時点で仲間内で理解し合ってしまうため、読解力を試されるなー、と思います。
あくまで予測ですが、ミツヒデが木々を振ったエピソードは、流石に2人の会話だけだと理解出来ない読者がいて、後から補完エピソードを足したのでは?
知恵袋でも「ミツヒデと木々は本当にもうくっつかないんですか?」と質問している方がいましたし。
でも語りすぎたくも無いから、ミツヒデのトラウマ状態の気持ちは2人の間で直では語らせなかったんでしょうね。
「言わなくても分かる」と「言わないと分からない」の境目の線引きが、作者さんの中にあるんだろうなと思います。
26巻のラスト、木々は自分とヒサメが並ぶ影を見てから、この先ゼンとミツヒデと共に行動しなくなった時には、ヒサメに隣にいて欲しいと口にしていました。
アレは「あぁ、私の隣に並ぶのは、ヒサメ殿になるんだな」と実感したシーンだったのでしょう。
最初は嫌なヤツに思えたヒサメも、木々に対しては純粋な気持ちを持っていて、ミツヒデとも仲良くなってきているのが良いですね。
大切な家族を取られるような気持ちと、幸せになって欲しいという気持ちと、自分のせいで変な関係性になって欲しくないという思いやり合いが籠ってて、すてきー。
さて、次巻では白雪はゼンの叔父の元に行きます。
コレは最終段階に向けてのエピソードになるのでは?
っていうか、いい加減ゼンと白雪も良い年齢だし、離ればなれの時間も長いし、やることやらせてあげて…
陛下はまだ結婚式前だけど、ゼンに「あ、2人はもう一緒に朝を迎える関係になってるんだ」と表情で気付かせてて、そう思うと年が離れてるはずの兄も婚約者との初夜まで時間かけていたっぽいですが。
LINEマンガとebookjapanとマンガParkを使ってガシガシ読み進めましたが、連載間隔が空いているという説も見かけたので、いつ終わるのか、そこまで追い切れるのかドキドキします…
30巻いかない程度で終わってくれると良いんですけどねー。
あまりこれ以上各家の揉め事やトラブルを足すと冗長だし…
とりあえず、木々とミツヒデのエピソードがかなり大事な折り返し地点ではあったはずなので、後は白雪、ゼン、そしてオビ達皆んな最後まで駆け抜けていってね!と思っています。
ちなみに…作者さんも柱で書かれてるから気付かれてるようですが、キャラの描きわけが微妙な時が多いため、これ以上新キャラ登場は厳しそうですよねー。
オビは元々は闇稼業をしていて、伯爵から頼まれて白雪のこと狙っていた存在。
なのに能力を買われてゼン達と過ごす内に、ゼンに対して忠誠心が芽生え、かつ白雪に対して恋心を抱くようになります。
このオビが白雪のことを恋愛対象として好きだと分かっていて、その上で白雪の警護にオビをつかせるゼンの選択は、王族らしい理性的なものに感じます。
もしオビがゼンを裏切る可能性があったら…
もし白雪が離れている間にゼンからオビに心変わりしたら…
とゼンが考えたら頼めないことなのですが、むしろ
オビは好きな女を全力で守り、その上で自分を裏切らないだろう
と信じて託しているし、それが残酷なことも分かっている。
この適材適所を考え、取捨選択する能力は、王族に必要なもの。
オビは巻が進む毎に、1番精神的な変化が起きたキャラでしょうね。
どのキャラもあまり感情を多く口にしないのですが、普段は調子良くペラペラと話すオビこそ、ここぞという時の一言に感情の変化が大きく現れます。
今までその場その場で動いていたオビに、「おかえり」「ただいま」と言い合える仲間が出来たのは、ホッコリしました。
これは木々がミツヒデに振られた後も、共にゼンの側近として2人で行動し続けられているところにも繋がります。
よく「男女の友情は成立しない」という意見が話題になりますが、白泉社系では普通に成立することが多いですね。
男と女が一緒にいたら、酔った勢いでも何でもやることやる可能性あるだろ、という動物ノリの価値観に私は全く同意出来ないのですが、白泉社系だとより「性別関係なく、能力も信頼関係も築ける」という人間関係が描かれることが多いなと思います。
最近の作品だと逆ハーレムとかチャラいのもちょこちょこありますが…
単にピュアな男女を描いているわけではなく、ファンタジーとはいえ「仕事」もこの作品のテーマに深く関わっていて、同僚や上司に男も女も関係無い。
ゼンは王族としての仕事も、白雪と共に生きる人生も、どちらも両立させるために動いていて、それは白雪も同じ気持ち。
本来ならゼンが口添えすれば白雪の立場は一気に上げられるのだけど、それをすると白雪の意思に反するし、兄に認めさせることも出来ないからこそ、ゼンは自分の側近の称号をオビに与えて、自分も白雪も守る立場にさせています。
白雪はそれとはまた別に、自ら努力して周囲の信頼を得たり、他人を見る目を養っている。
それに感化されて成長したのが、天才少年のリュウでしょう。
他人と関わるより、1人で研究に没頭するのが好き。
他人は自分を一人前と思ってくれない。
そういう思い込みやジレンマを察し、困っていたら笑顔で助言し、でも余計な手出しはしない、対等な対応をしてくれる年上たちと出会い、リュウは宮廷薬剤師以外の立場となる道を選びます。
現時点で書いていないキャラが沢山いるのですが、「出てくる人達皆んな良い人ー」ってだけの話じゃないのも良いんですよね。
個人的には双子のツルバ・タリガ兄弟も萌えます。
2人の兄は最悪でしたけどね…
本当にこのマンガは間と絵で心情の変化を表現するし、セリフも言葉足らずというか、途中まで言いかけた時点で仲間内で理解し合ってしまうため、読解力を試されるなー、と思います。
あくまで予測ですが、ミツヒデが木々を振ったエピソードは、流石に2人の会話だけだと理解出来ない読者がいて、後から補完エピソードを足したのでは?
知恵袋でも「ミツヒデと木々は本当にもうくっつかないんですか?」と質問している方がいましたし。
でも語りすぎたくも無いから、ミツヒデのトラウマ状態の気持ちは2人の間で直では語らせなかったんでしょうね。
「言わなくても分かる」と「言わないと分からない」の境目の線引きが、作者さんの中にあるんだろうなと思います。
26巻のラスト、木々は自分とヒサメが並ぶ影を見てから、この先ゼンとミツヒデと共に行動しなくなった時には、ヒサメに隣にいて欲しいと口にしていました。
アレは「あぁ、私の隣に並ぶのは、ヒサメ殿になるんだな」と実感したシーンだったのでしょう。
最初は嫌なヤツに思えたヒサメも、木々に対しては純粋な気持ちを持っていて、ミツヒデとも仲良くなってきているのが良いですね。
大切な家族を取られるような気持ちと、幸せになって欲しいという気持ちと、自分のせいで変な関係性になって欲しくないという思いやり合いが籠ってて、すてきー。
さて、次巻では白雪はゼンの叔父の元に行きます。
コレは最終段階に向けてのエピソードになるのでは?
っていうか、いい加減ゼンと白雪も良い年齢だし、離ればなれの時間も長いし、やることやらせてあげて…
陛下はまだ結婚式前だけど、ゼンに「あ、2人はもう一緒に朝を迎える関係になってるんだ」と表情で気付かせてて、そう思うと年が離れてるはずの兄も婚約者との初夜まで時間かけていたっぽいですが。
LINEマンガとebookjapanとマンガParkを使ってガシガシ読み進めましたが、連載間隔が空いているという説も見かけたので、いつ終わるのか、そこまで追い切れるのかドキドキします…
30巻いかない程度で終わってくれると良いんですけどねー。
あまりこれ以上各家の揉め事やトラブルを足すと冗長だし…
とりあえず、木々とミツヒデのエピソードがかなり大事な折り返し地点ではあったはずなので、後は白雪、ゼン、そしてオビ達皆んな最後まで駆け抜けていってね!と思っています。
ちなみに…作者さんも柱で書かれてるから気付かれてるようですが、キャラの描きわけが微妙な時が多いため、これ以上新キャラ登場は厳しそうですよねー。
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