Norma Jenkinsという女性Soul Singerが76年に残した、おそらく唯一と思われるアルバム、それが本日ご紹介する『Patience Is A Virtue』という作品なのだが、もう、コレがメチャクチャ自分好みの音盤で、そのパンチの効いたDeepでSoulfulな歌声に一時ドップリハマってしまったのであった。 New Jerseyを拠点として活動していたと思われるNorma JenkinsのプロとしてのキャリアはDolls/Norma Jenkins And The DollsというGirl GroupのLead Vocalとして始まっている。65年にMalteseからMr. LuckyことGeorge KerrのProduce、Richard TeeのArrangeで“This Is Our Day/What's Next”、続けて翌66年に“A Lover's Stand/The Airplane Song”というご機嫌な7", Singleをリリースしている。67年にはCarnivalからJoe EvansのProduceで“Need Someone To Love/Me Myself And I”という、これまた最高に沁みるBalladとGirl GroupっぽいナンバーのカップリングでSolo Debut Singleをリリースしている。それにしても高音で少しHuskyになるのがたまらなく魅力的なSoulfulな歌声ときたら、素晴らしいとしか言いようがない。68年には再びGeirge KerrのProduceでTroy Keyes & Norma JenkinsとしてStatesideから“A Good Love Gone Bad/I Can Wait My Turn”、ABCから“A Good Love Gone Bad/I Can Wait My Turn”をリリース、これも最高ですなあ。そして73年にはGeorge KerrのKerr RecordsとAlithiaから “Go Home To Your Wife/One Girl Too Many”をリリース、さらにJeanからの7", 45 RPM, Single“Puzzle Man (Figure Me Out If You Can)”がFunkyで最高にキマっている。そして、とうとう本作の登場である。Produceは勿論、George Kerr。Buddah Recordsの子LabelとなるDesert Moon Recordsからリリースされたこのアルバムは、KerrやSam Taylor、Kenny Seymour、Mark Barkan、Larry Alexanderらの手による楽曲群もNormaのDeepな歌唱を生かす渋い名曲に仕上がっている。
『Patience Is A Virtue』はNorma Jenkinsが76年にリリースしたアルバム。ギターにJeff Mirnov、John Tropea、Michael Watson、鍵盤に Barry Miles、Bert Keyes、Funk BrothersからベースのBob BabbitにドラムスのAndrew Smithという演奏陣も素晴らしいバッキングでNormaを盛り立てている。
アルバム1発目はいきなりハチロクのMidium Ballad“Love Jones”。3分半過ぎまでギターとピアノが渋いインストかと思わせ、Normaの語りが入り、HuskyなSoulfulな歌声でジワジワと盛り上げていくのが最高。
Funkyな“I Fooled You (Didn't I)”もNormaのタメとパンチの効いた歌声が最高。女性Chorusを従えて堂々の歌いっぷり。
ここでLarry Alexander作の必殺泣きのハチロクBallad“I Did It For Real”。これはもう最高としか言いようがないSoulfulな歌いっぷりにメロメロっす。
George Kerr作の“Can You Imagine That”はFunkyにイナタくキメている。
軽快な“Gimme Some (Of Your Love)”はHorn隊やStringは控えめにNormaの漆黒のVocalが冴えわたっている。
Sam Taylor作の“Reachin' Out In Darkness”は哀感を湛えながらもSoulfulに力強く歌い上げていくNormaのVocalに脱帽。なんて伸びやかな歌声なんだろう。
Kenny Seymour作の“It's All Over Now”はFunkyな演奏をバックにあえて抑えた歌い方で始まり、女性Chorusを従えてSoulfulなVocalでジワジワと昇りつめていく。
アルバム最後をシメるのは高揚感に満ちた圧巻のBallad“You've Been Here Since Then”。最後までSoulfulな歌声は力強く、伸びやかで生命感に満ち溢れている。
(Hit-C Fiore)