宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

みかんの丘、もうひとつの再会

2023年08月13日 02時06分28秒 | 

今日は星の写真を撮ろう。そう決めて墓参りなどの用事を済ませ、一休みして準備に取り掛かった。予報ではほぼ曇りということだったが、気象庁の天気図もひまわり画像も、大丈夫だよ行っておいでとささやいてくれる。ヨシ!と意気込んだものの、え、星を撮るのに何が必要だったっけ。久しぶり、本当に久しぶりにみかんの丘で星を撮る。細かい機材を思い出せない。まあいいや。カメラボディーとレリーズ、それにレンズが有れば事が足りるだろうと適当にかき集めてデッキに上がってきた。
しかし望遠鏡のビニールカバーを外して気付く。あれ、望遠鏡とカメラを繋ぐアダプターは?赤道儀にカメラを載せる雲台は?だいたい赤道儀を動かすためのパソコンに繋ぐケーブルも無い。と言う訳で、今夜はワイドレンズだけを使っての固定撮影になってしまった。

まず初めに前から撮りたかった新しい対角線魚眼レンズでの撮影だ。日暮れを待って待って、8時前にようやく星が見え始めた。ボディーにレンズを取り付けて三脚に載せ、ほぼ真上を向ける。接近中の台風のせいで少し靄が有るものの、何とか天の川を捉えることができた。

写真右の明かりは岡山の街灯りと黄昏の名残り。下に見える明かりは瀬戸内海対岸の高松の街灯り。そして左側が姫路や神戸など関西の都市の明かりだ。その上にはかなり厚い雲も掛かっている。仕方が無いか。

せっかく天の川が川下まで見えているので、レンズを換えて南天の星座たちを狙ってみた。

いて座、さそり座、みなみのかんむり座の星の並びがはっきりとわかる。東の地平には土星も見えていたが、アダプターが無くては撮影出来ないし、くっきり撮ろうと高度が上がるのを待っていたら真夜中になってしまう。と言う訳で今日はここまで。これから時々来ることにしたし、間もなく公民館の天文教室も有るので丘を降りることにした。

天文台として再び働き始めた竹取庵。次は赤道儀にカメラを載せて撮影しよう。そのためには撮影機材全部をちゃんと書き出しておかなくては。そして、出来れば深夜まで時間を掛けて撮って行こう。以前の様に。

そう思いながら竹取庵のドアに鍵を掛けていて、ふと丘の番犬太郎がそこに居るような気がした。そうだ。丘によく通っていた頃、太郎は撮影が終わるのを見計らうようにこのドアの前まで来て僕を呼びながら尻尾を振っていた。
太郎。その様子が目に浮かんで涙が出た。あいつの墓は少し離れた畑の傍にある。今夜もきっと来てくれた。そしてこの時刻にこの場所で僕に思い出させたんだ。

観測デッキの星空との再会。そしてもうひとつ、太郎との再会。太郎が眠る畑の近くを車で通りながら手を振った。太郎、待っといて。またすぐに来るからね。

 

太郎の話はここにあります。
太郎が逝った - 宇宙(そら)に続く丘 (goo.ne.jp)

宇宙(そら)に続く丘ホームページ :http://taketorian.org/

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