▼ 再燃
潰瘍性大腸炎が再燃してしまったAさん。ステロイドを使い始めると、症状は急に良くなり治まっていきました。ほっとしました。が、しばらくすると、ステロイドの効果がなくなり、重症となって戻ってきてしまいました。
▼ レミケード®
医師からレミケード®という薬を点滴で注入する治療に切り替えると言われました。
炎症が起きている場所では、白血球が過剰に反応し炎症を引き起こしている。それを防ぐ成分が、レミケード®には含まれているとのことでした。
治療には、入院が必要でした。そのあと、毎月、点滴しなければいけない。
病欠ができるほど経済的な余裕はなく不安が押し寄せました。
治療費の一部は、保険から支払われますが、自腹も切らないといけない。治療費が少しでも軽くなるようにする手続きのため、会社を休まなければならず、会社への説明も含めてストレスが続きました。
▼ 外敵を倒す軍団
ウイルスやばい菌が体内に侵入すると、細胞たちは壊され、炎症が起きます。好中球ちゃんやクロスケ、将軍たちは、現場に急行し、ウイルスやばい菌が苦手とする熱を起こして、外敵をやっつけるための戦を起こします。炎症です。
▼ クロスケが製造するティファニー
クロスケは、からだの中でTNF-アルファという物質を作ります。覚えにくいのでティファニーと命名。
この物質は、外敵をやっつけるため熱を上げて炎症を起こす働きがあります。戦終了後は、壊れた細胞個所の復旧作業を促進させるなど、重要な働きをします。
好中球ちゃんにいたっては、ティファニーがあることで、ますます活動的になり、外敵たちの退治に率先します。
▼ ティファニーと言えば、高級な宝石や香水などを扱うニューヨークに本店を置く世界的な販売店です。
◎ 映画: ティファニーで朝食を オードリー・ヘップバーン主演
いつ見ても美しい・・・。
▼ レミケード®
潰瘍性大腸炎/クローン病/重度のリウマチなどの炎症は、根源太郎が引き起こします。健康な細胞を刺激して炎症を起こすのか、もともと小さな炎症があったところを刺激して炎症を大きくするのかは不明です。いずれにせよ、ストレスが火に注ぐ油の役割をしていると推測します。
炎症個所では、クロスケの体内で作られたティファニーがばらまかれ、好中球ちゃんたちの加勢で症状が悪化します。
炎症を抑えるには、熱を起こし、好中球ちゃんを鼓舞して炎症を起こすティファニーをなくせばよい、なおかつティファニーをつくっているクロスケをやっつけてしまえばよい。
その目的で作られたのが、レミケード®です。
人間を含む動物のからだの中には、将軍が指揮する軍事工場があります。
その工場では、ティファニーを抑え込む武器を作っています。形が、岡っ引きの十手に似ていることから十手と呼びます。本当の名称は、コロナウイルス ワクチンで有名になった抗体です。
研究者は、マウスのからだの中から抗体を取り出し、手を加えてティファニーを封じ込めるように細工を施しました。それが製剤レミケード®です。
ヒトは、マウスではないので、レミケード®を使うと、副作用が出たり、あるいは、効果がないということが起きます。
さらにもうひとつ。レミケード®は、ティファニーだけでなく、それを作っているクロスケも破壊するという威力があります。
▼ 両刃の剣
わたしたちのからだを守ってくれているクロスケを破壊してしまって良いのか?
クロスケが外敵がいないのに、勝手に炎症を起こしてしまうのは、根源太郎が関わっているとしか考えられません。
根源太郎のせいで、正義の味方クロスケが患者の敵に!!
レミケード®の治療時に、万が一、インフルエンザや風邪に感染してしまったらどうなるのか? クロスケの威力が十分では言ことから、からだは、外敵に攻撃されるという危険に向き合うことに。
レミケード®を使っているときは、インフルエンザや風邪などに感染しないために人込みを避けるように医師から言われるのは、そのためです。
▼ レミケード®は根源太郎に影響を及ぼさない
レミケード®は、クロスケが作る発熱物質ティファニーを抑え込んで炎症を抑える。ですが、根源太郎を直接、叩きのめすということはしない。レミケード®では、病気を完治させることはできない。
- 根源太郎 → 細胞に変化を与える → クロスケが増え、発熱物質ティファニーを増産 → 薬レミケード®が、ティファニーを抑え込んだりクロスケを破壊する → 炎症を防ぐ
- 根源太郎には、影響が一切ない
- クロスケが破壊されることで、好中球ちゃんや将軍の力が落ち、インフルエンザや風邪、コロナウイルスに感染しやすくなる
続く