面接に落ちてしまったら | 岡野朋一ブログ ~数的処理 特講~

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まちを創る、未来を創る、
大事な公務員受験生へエールを贈ります

先日、都ⅠB(一般方式)の合格発表があり、合格報告と不合格報告の両方が入っています。合格した方には祝福の言葉を贈りますが、不合格だった方には励ましの言葉がなかなか見つかりません。
それは、不合格という結果の何%かは私の責任であり、私自身が力不足であったことを示すからです。
ですので、その方には、「私自身がさらに精進します」と申し上げています。

1年なり半年なり、また人によっては2年なりの歳月をかけて勉強してきて、1次試験に合格し、いよいよ最終合格を目指して、面接の準備をしたにも関わらず、不合格の通知。最終合格への期待が高まっていた分、落ち込むでしょうし、自分の人間性が否定されたようで大きなショックを受けると思います。
しかし、ここで何を考え、どのように振舞うのかが大事です。

ショックで何もする気が起きないという人もいますし、不合格だった原因を分析しようとする人もいます。また、「よし、次の試験に全力を注ごう」と次の試験に切り替える人もいます。
受験生一人ひとり人間性が異なりますから、その人なりの対処の仕方でよいと思います。
しかし、もし敗因を分析するなら、とことんやって頂きたいのです。
なぜなら、きちんと分析することで気持ちの整理がつきますし、次の面接に活かせると思うからです。

敗因を分析するのは、辛く苦しい作業です。自分の至らないところを自分で認め、どうすべきかを割り出さなければいけません。しかも、この作業は一人で取り組まなければなりません。
なぜなら、面接でのやり取りや空気感は自分しか分かりませんし、他人に説明したところで的確なアドバイスが得られるとは限りません。
ですから、面接のやり取りを思い出しながら、一人で取り組まなければならないのが敗因分析ではありますが、この作業をたった一人で行うのはあまりにも辛い。
今日は、その方に寄り添うような気持ちで書こうと思います。

Ⅰ 面接の準備の段階はどうだったか
まず、面接の準備の段階を思い出してください。
自分が何を求めて公務員になるのか、自覚できていたでしょうか。
公務員になったら何をやりたいのか、明確になっていたでしょうか。
これらは、面接官が聞きたい根幹の部分です。柱の部分です。柱がしっかりしていなければ建物が安定しないように、これらが明確になっていなければ、面接での全ての受け答えが上滑りしてしまいます。
表面的な、取り繕った志望理由は、面接官に響きません。本音と解離した建前の志望理由ではなく、面接官に言える本音に高めることが大事です。
また、自己PRを考える際は、自分を肯定できていたでしょうか。短所や欠点ばかり目が行ってしまう人もいますが、長所も必ずあるはずです。
自分で自分のことを肯定していなければ、面接官は肯定してくれません。自分を肯定して導いた自己PRしか面接官には響かないのです。

Ⅱ 面接シートはどうだったか
その上で、面接シートは、過不足なく簡潔に書けていたでしょうか。一読して概要がつかめるような面接シートになっていたでしょうか。
面接シートは字数に限りがあるので、詳細を書いてしまうと、枠におさまりません。ですから、「具体的に書きなさい」という指示があったとしても、ある程度抽象的な表現になってしまいます。
したがって、言葉をギリギリまで削ぎ落としながら、内容がきちんと伝わるように書くことが大事です。
また、読みやすい字の大きさで書かれているでしょうか。小さい字でビッシリ書かれた面接シートは、読むだけで疲れます。簡潔に読みやすい字の大きさで、簡潔に書くことが大事なのです。

Ⅲ 面接本番のやり取りはどうだったか
しかし、大事なのは、やはり面接の場でのやり取りです。
場の空気に飲まれずに、自分らしく落ち着いて臨めたでしょうか。
強面の面接官を前にしても、自身を持って受け答えができたでしょうか。
これができるためには、徹底的に準備をするしかありません。
面接の場では、考え抜き、徹底的に準備をしたという自身しか自分を支えるものがないからです。
また、面接官が納得してないような表情のところはなかったでしょうか。
面接官の問に答えられずにフリーズしてしまったような場面はなかったでしょうか。
ついついしゃべりすぎて、冗長な答えになってしまったところはなかったでしょうか。
これらは、自分の考えが明確になっていないことを聞かれたところのはずです。
やはり、準備の段階で、徹底的に考え抜いておくことが必要だったのです。

このように振り返っていくと、大事なのは「徹底的な準備」であることに思い当たるはずです。
「徹底的な準備」と言っても、「想定問答を作り上げる」とか「想定問答の項目を増やす」といったことではありません。
「徹底的な準備」とは「徹底的に考え抜くこと」、「深く深く考えること」に他なりません。
なぜなら、そうすることでしか、首尾一貫した、面接官を納得させる答を導けないからです。
この事実に気付いたなら、今回の不合格という結果から、大事な気付きを得たことになります。
次の面接では、徹底的に準備をすることができるはずだからです。

解剖学者の養老孟司氏が、『読まない力』という本の中で次のように言っています。
「どん底に落ちたらどうするのか。どん底なら、これ以上下がる心配はないなどと、甘いことを言うな。底を掘れ。」


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私は、この言葉を、「どん底に落ちたときこそ底を掘って、地中にある宝を掘り出せ」という意味に解釈しています。
「どん底に落ちたときこそ、深みを目指せ」

頑張りましょう!
闇は深ければ深いほど、暁は近いはずですから。

暁