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JAXAが発表! H3ロケット3号機は先進レーダー衛星“だいち4号”を載せて6月30日に打ち上げへ

2024年04月27日 | 宇宙 space
H3ロケット3号機による先進レーダー衛星“だいち4号(ALOS-4)”の打ち上げ予定日が決定したと、4月26日にJAXAから発表されました。

設定された打ち上げ日は2024年6月30日。
打ち上げ予定時刻は、日本標準時間の12時6分42秒~12時19分34秒。
打ち上げ不備期間は7月1日から7月31日としています。

H3ロケットは、種子島宇宙センター大型ロケット発射場から打ち上げられることになります。
図1.H3ロケット試験機2号機打ち上げライブ中継より
図1.H3ロケット試験機2号機打ち上げライブ中継より


先進レーダー衛星“だいち4号”

搭載される先進レーダー衛星“だいち4号”は、2014年に打ち上げられた陸域観測技術衛星2号“だいち2号”の後継機となります。

Lバンド合成開口レーダーを搭載し、新開発のデジタル・ビーム・フォーミング技術などを活用することで、“だいち2号”で実現した3メートルの分解能を維持しつつ、観測幅を4倍の200キロに拡大。
これにより、“だいち2号”では4回に分けて観測が必要だったものが1回の観測で済むことになり、年間の観測回数をこれまでの4回から20回に増やすことが可能となっています。

レーダーは雲を通り抜けるので、天候に関係なく地表の観測が行えます。
異なる時期の観測データを比較することで、火山活動で地盤沈下、地滑りなどを監視することができます。

ちなみに、先進光学衛星“だいち3号(ALOS-3)”は、2023年3月7日に実施されたH3ロケットの試験機1号機の打ち上げ失敗により失われています。

このため、H3ロケット試験機2号機には、失われた先進光学衛星“だいち3号”の質量を模したダミー衛星“VEP-4”を搭載し、打ち上げ後の分離も確認されています。
“だいち4号”の打ち上げと軌道投入も成功する気がしますね。
図2.2024年3月11日に三菱電機鎌倉製作所で報道陣に公開された先進レーダー衛星“だいち4号(ALOS-4)”。
図2.2024年3月11日に三菱電機鎌倉製作所で報道陣に公開された先進レーダー衛星“だいち4号(ALOS-4)”。


H3ロケット3号機

H3ロケットは、これまで日本の主力ロケットだった“H-II”の後継機として、JAXAと三菱重工業が開発した新型ロケットです。

毎年6機程度を安定して打ち上げることで、日本における宇宙輸送の基盤とするほか、民間商業衛星の打ち上げ受注を目指し、柔軟性・高信頼性・低価格の観点で、これまで以上に使いやすいロケットとして開発されました。

H3ロケットの試験機1号機は、2023年3月7日に実施された初飛行で、第1段の切り離し後に第2段の“LE-5B-3”エンジンを点火することができず打ち上げは失敗。

その後、原因の解明などを進め対策を実施し、1年以内という比較的早期の打ち上げ再開を実現しています。

H3ロケット試験機2号機の打ち上げは2024年2月17日のことでした。
H3の第2段機体は所定の軌道へ投入され、搭載されていた2機の小型副衛星“CE-SAT-IE”と“TIRSAT”も地球低軌道への投入に成功。
試験機2号機の打ち上げは成功に終わっています。

今回の打ち上げでは、初めて“試験機”という文字が外されH3ロケット3号機という名称になっています。

なお、機体の形態は、2機の試験機と同じH3-22Sを採用。
このH3-22Sという機体は、新型1段エンジン“LE‐9”を2基搭載、改良型固体ロケットブースター“SRB-3”を2基装着、衛星などを搭載するペイロードを保護するフェアリングがショート形態になります。


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