金沢文庫(横浜市)に北條実時ゆかりの称名寺がある。年間を通して多くの魅力的な被写体が我々を喜ばしてくれる。その日は仲間たちと黄葉の真っ盛りのイチョウを撮りに行った。その帰りに皆と相談して外見は非常に雰囲気の良さそうなレストランに入った。前回は見過ごしたのか、新しく開店したのかは知らぬが、11月末の雨の降る寒い日であったので一刻も早く暖かい場所に入りたかった。我々が席に着くとすぐに女店長の丁重な挨拶を受けた。そして「私どもの料理には一切火を使いません」と云いながら、その理由を張り出した壁の方を示した。そしてエアコンもなかったことに気が付いた。唯一冷たい風を防げているだけだった。店主の説明を聞いた後で店を出てしまう客が多いのか「それで宜しゅうございますね」としつこいように念を押された。
出てきた料理は菜っ葉ばかり。食べるに従って体がどんどん冷えてきた。最悪の店に入ってしまったと皆でぼやいたが既に遅かった。コースメニューの品が次々と出てきた。料理と云っても野菜サラダばかり。食べるほどに、前にも増して体が冷えてきた。壁に火を使わない料理の効能を書いたものが何枚も貼ってあったが、こう寒くては読む気もしなかった。
駅に通じる広い道路の反対側のコーヒー店に入ってやっと救われた。「火を使わないレストランに入った」と云うとオーナーは腰を曲げて笑い転げた。寒いのをほんの5分我慢すれば、このコーヒーショップの軽食か、もう少し先にある味自慢のレストランがあったのだ。
次に称名寺に行ったとき、「あの店だけは避けよう」と皆で誓い合ったが、その店は既に無かった。今から考えると「火を使わない料理」に拘り、店の暖房まで無くしているのは何かの宗教なのだろうか。そうとしか考えられなかった。オーナーをはじめ店員が同じ服装なのは肯けるが、年恰好やヘアースタイル、それに雰囲気まで同じだったように記憶している。
先々週に神代植物公園に行った。あいにくと風が強く、のんびりと草花を撮るような日ではなかった。風が収まるまで温室での撮影をすればいいと考えて、その方向に歩きだしたが、途中牡丹園に寄ってみると桜が咲いていた。満開の状態であった。何と云う種類か伺ったが、受付のお嬢さんはその品種をご存じなかったようで、調べてから私に電話して下さった。早咲きの「オオシマザクラ」との事だった。
温室を出て、さくら園に向かった。咲いていたのは小彼岸桜だけだった。暖冬だと云われていた今年だが、桜の開花は大幅に遅れている。
オオシマザクラ
ヒスイカズラ(原産はフィリッピンのルソン島、ミンドロ島)
小彼岸桜
出てきた料理は菜っ葉ばかり。食べるに従って体がどんどん冷えてきた。最悪の店に入ってしまったと皆でぼやいたが既に遅かった。コースメニューの品が次々と出てきた。料理と云っても野菜サラダばかり。食べるほどに、前にも増して体が冷えてきた。壁に火を使わない料理の効能を書いたものが何枚も貼ってあったが、こう寒くては読む気もしなかった。
駅に通じる広い道路の反対側のコーヒー店に入ってやっと救われた。「火を使わないレストランに入った」と云うとオーナーは腰を曲げて笑い転げた。寒いのをほんの5分我慢すれば、このコーヒーショップの軽食か、もう少し先にある味自慢のレストランがあったのだ。
次に称名寺に行ったとき、「あの店だけは避けよう」と皆で誓い合ったが、その店は既に無かった。今から考えると「火を使わない料理」に拘り、店の暖房まで無くしているのは何かの宗教なのだろうか。そうとしか考えられなかった。オーナーをはじめ店員が同じ服装なのは肯けるが、年恰好やヘアースタイル、それに雰囲気まで同じだったように記憶している。
先々週に神代植物公園に行った。あいにくと風が強く、のんびりと草花を撮るような日ではなかった。風が収まるまで温室での撮影をすればいいと考えて、その方向に歩きだしたが、途中牡丹園に寄ってみると桜が咲いていた。満開の状態であった。何と云う種類か伺ったが、受付のお嬢さんはその品種をご存じなかったようで、調べてから私に電話して下さった。早咲きの「オオシマザクラ」との事だった。
温室を出て、さくら園に向かった。咲いていたのは小彼岸桜だけだった。暖冬だと云われていた今年だが、桜の開花は大幅に遅れている。
オオシマザクラ
ヒスイカズラ(原産はフィリッピンのルソン島、ミンドロ島)
小彼岸桜