Do you climb?

山とキノコとたまにネコ。

2019.3.24 国見山 * 堂の本登山口より土佐街道を辿る

2019年03月30日 | 国見山(本山町)




県道268号 蟹越繁藤線は国道32号線から穴内川に沿って西へと延びる道で
山目野橋を過ぎて赤荒谷橋の手前にある堂の本登山口から土佐街道を辿ってみる。






   

堂の本登山口には「参勤交代道」や「堂の本国見峠登山口」等の案内板があり距離数がやけに細かい!
土佐10代藩主の山内 豊策 公(寛永元年 1789年)から
それまでの海路に替えて参勤交代に利用されるようになった四国山地を越えて行く街道

高知城を出発して布師田本陣で1泊 領石そして穴内(この街道)を抜け本山本陣で2泊目
そして本山町下関~川口~大豊町の立川本陣が3泊目・・・
笹ヶ峰を越えて新宮~川之江~香川県の丸亀本陣へと道は続く。




略図をお借りしてきた。
布師田から本山本陣までを1日で歩いた? すごいなぁ・・・。








街道に入ってすぐに苔むした倒木がお出迎え。
苔のサクたちに紛れて小さい杉も芽生えていたけれど
最初からこんな感じだとこの先、道の状態がちょっと不安。





   

すぐに作業道へと出てしまってあららー。と思ったけどすぐ先で再び街道へ








道幅はそんなに広くは無くて一人が難なく歩ける程度
途中「籠擦り岩」と言うのがあったと後で知ったのだけれど
これは当時の土木工事で段差を少なくして籠が当たらないようにしたらしい
この道を籠を担いで歩いていたのかなぁ?と疑問に思ったので調べてみると
参勤交代ってなんだかおもしろかった。





   

と言っても今から200年以上前のこと。
北山越えの歴史は古く平安時代から官道として整備され、紀貫之も帰京の際に歩いた道。
戦国時代には長宗我部元親が軍用道路として盛んに軍馬が行き交い
江戸時代になって参勤交代道になり、金毘羅参り等へも利用された重要な街道
そして坂本龍馬や板垣退助もこの土佐と江戸とをつないだ道を歩いた
当時はもっと道幅も広くて歩きやすかったのかもしれない。






   

陽だまりにはスミレの花に今が花盛りのヤブツバキ





   

また作業道に行き当たって進む先には鹿よけネットが張られた荒地のような場所に出た。
ネット沿いに進むと簡易な作業小屋があってネットに囲われた中は植木を育てている広場の様だった。








ネット越しに穴内ダム湖 ダムが無かった当時は対岸の権若峠から釣瓶、その向こうにある領石と続いていた。








ネットの中には園芸種のツバキがたくさん咲いていて
外側にはサルトリイバラの小さい花とこれもまた花盛りのヒサカキの花















背の高いシキミには薄黄色の花が鈴なりに咲いていた。






   

しばらくネット沿いの作業道を歩いて、この道で合っているのかな?と
心配になってきた頃に案内板が出てきた。良かった合ってる。






   


   

道は登山道らしくなり両サイドにはヒサカキがたくさん咲いていて
この季節ならではの芳香が辺り一面に漂い足元にしなしなのクチベニタケ。








そしてまた作業道を横切る





   

シダのぐるぐるはなんだか愉しい。








進行方向左手に高くそびえる大岩が見えてきて、上に登れば展望が良いかもしれない。






   

丁度、道はぐるりと回り込んで大岩の上部へと続いていたのでちょっと登ってみる






   

大岩に張り付くように生えていたアセビには真っ白い花が鈴なりでかわいい。
期待していた展望は樹々に遮られてあまりなかった。








かろうじて隙間からズームで狙う どうやらこの間歩いた茂ノ森界隈の稜線が見えているみたい。
この岩の事も後になって知ったのだけれど嫁ヶ岩・姑ヶ岩と呼ばれ逸話があるみたい。






   

岩を下りて先へ たくさんの人が歩くうちに深くえぐれてしまったのかしら?
途中には石を積んだ炭焼き跡があったりした。





   


   

先に作業道が見えると鉄塔保線路と合流した。(地図に破線有)
そのまま作業道を進むのだと思っていたら
グリコ隊長が左にある緩い勾配で登って行く道が正解だと言い張るので
そっちに進んだらやっぱり鉄塔への道だった。






   

鉄塔を見て少し下るとそのまま進めばよかった作業道へと合流した






   

作業道から再び街道へ 植林帯の隙間から梶ヶ森の鉄塔が見えた。







ナガバノモミジイチゴの花がもう咲いていた。
花と実はとても可愛らしいのだけれど、トゲトゲがね。痛いのよ・・
10mくらいトゲトゲ小路を辿って







抜けた所にこれはシロモジかな?






   


   

道は岩ゴロゴロの掘れ込んだ歩き難い状態だったり倒木があったり歩きやすくなったり






   

エゴノキタケを見て、馬酔木の小路はとても快適に歩けた。








こっちこっち!と呼ばれたので行ってみると







とても展望の良い岩場に出た








ズームで風車が建った杖立山~梶ヶ森








眼下には穴内ダム湖







この間歩いた茂ノ森あたりの稜線






   


   

変わらず歩きやすかったり歩き難かったりを繰り返すけれど
概ね道ははっきりとしている。
途中に左手に立派なヒメシャラ、反対側に馬酔木の茂った岩があった(写真無)
この岩も「おけいの岩」と言って本山の古田のおけいさんの逸話があるらしい
おけいの岩を過ぎると高知大学の演習林の標識なども出てくる






   

そして堂の本分岐に到着








24年前に作られた案内板
土佐街道の事を今回色々と調べてみたけれど北山越えはあまり人気がないのか
土佐北街道(新宮~立川)に比べて情報が殆どないのが残念に思えた。






  

赤荒峠分岐まで来ればあとは慣れた道






   


   

国見峠(越)から杖ヶ森へと続く北山越えの道はまた今度にして今回は国見山へ








山頂手前の林道終点、ゆとりすとパークがよく見える場所
以前はよく分からなかった杖立山に風車が出来たのでよく分かるようになった。
左奥にそびえているのは野鹿池山方向








そして山頂方向を見てびっくり。以前は無かった作業道が・・・向こうにアンテナ?








アンテナが・・・








山頂が半分くらい削られて三角点の際まで作業道が迫っていた。
三郷越への道はどうやら無事の様だった








展望は良くなったけど。  石鎚山系も見えるし。でもなんだかな・・・






   

ガッカリして引き返して往路の少し手前(北側)の破線から下る






   


   

地図では破線の道だけど実際は作業道になっていた。
往路の尾根へと復帰するのに作業道から少し登った






   

往路で鉄塔保線路と合流した山目野分岐に到着 ポールより右側の道が北山越えの道







帰りは鉄塔保線路を辿ってみる





   


   

しっかりとした歩きやすい道でこちらにして正解だったよねー。
と、穴内ダム湖を眺めつつ思った。

このあと保線路と作業道が何度か交差するようになってくると
鉄塔の保守作業をする方も作業道から鉄塔へ向かうのか道が荒れてきた。






   

ヒサカキの花とシハイスミレ





   

雨が降ったら滝になりそうでちょっと怖い岩が剥きだしの急斜面を下り
次は杉葉の積もった急斜面






   

ヒイロガサ





   

最後は急降下で一気に下って蟹越繁藤線へ






   

保線路から登る場合はこんな感じ。アングルとグレーチングの橋がある。






   


   

後は車道を少し歩いて駐車地点に戻る おつかれさまでした。





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距離 12.1km 沿面距離 12.3km 時間 5:46
累積標高差 + 903m / - 915m








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1 コメント

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土佐北街道 (えひめ・みずた)
2020-09-09 11:30:59
コロナ下で近場の土佐北街道をと思ってネットで調べましたが、余り情報がありません。是非、高知から川之江まで歩かれ、コース、時間、アクセス、写真(ランドマーク)等をアップロードして下さい。

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