京阪大津線の復興研究所

京阪大津線の復興研究所

大津線とは、京阪の京津線と石山坂本線の総称です。
この大津線の活性化策を考えることが当ブログの目的です。
そのために、京阪線や他社の例も積極的に取り上げます。

以下は、『鉄道ピクトリアル』2010年8月臨時増刊号【特集 阪急電鉄】からの引用です。

 

「京都市内で観光客に一番人気があるのは東山エリア、次が嵐山エリアですので、当社はそれぞれに近いところに駅があります。ただし、京都市観光協会の調査によりますと、京都への入込客5千万人の内訳は、大阪からが一番多く約20%ですが、関東からが8%に対して兵庫からが9%となっており、兵庫からが案外少ないのが実態です。そこで当社は神戸、大阪、京都をつないでいる路線であることを生かすとともに、嵐山への利便性は当社線が一番高いため、嵐山観光に力を入れています。その一例として嵐山への直通列車を高速神戸や宝塚方面から、西宮北口、十三経由で春秋のトップシーズンに走らせています」

 

その後もコロナ期を除いて京都市の観光客数は増加傾向にあり、集客よりも混雑緩和対策のために嵐山への直通列車を増発しなければならない状況です。

 

現在、阪急は土休日に神戸線用の7000系を改造した「京とれいん雅洛」を用いて大阪梅田―京都河原町間に快速特急を4往復設定しています。しかし、同じ区間の特急の直後を続行して走るので、京阪の快速特急と違ってダイヤ上の存在意義はほとんどありません。

 

よって、その経路を高速神戸または宝塚―十三―嵐山間に変更したほうが有効活用できます。また、現状の4往復のうち大阪・兵庫からの日帰り観光に適しているのは上りの初発と下りの最終だけなので、他の便は廃止しても支障はないでしょう。代わりに、別の編成を用いて上りの9~10時台と下りの16~17時台を20分毎に増発するのが効果的です。

 

阪急は京都線に新型特急車両の2300系を導入し、現特急車の9300系を順次置き換える方針を示しています。これをセミクロスシートのまま嵐山線に入線できるよう6連化し、余った中間車と7300系の先頭車を組み合わせて編成をそろえるのが良いでしょう。

阪急の9300系

 

9300系の車内

 

問題は京都線の最大車体幅が2,850mmと神戸・宝塚線よりも広く、そのままでは入線できないことです。ただ、7300系と9300系は将来の規格統一を見据えて2,800mmに抑えています。

 

一方で、神宝線の最新形式である2000系が車体幅を2,770mmに広げたため、その差は30mmまで縮まりました。十三経由ならば、車体幅拡張の最大のネックとされている中津駅を通らずに済むので、直通運転も現実味を帯びてくるのではないでしょうか。

 

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