2024/4/24
美味しい料理をいただきながら…
田舎町のレストランの、たまたま、隣に居合わせたテーブルでは、老夫婦を相手に語り尽くすイタリア人の男が居た。一瞬、親子に見えなくもない歳の差。ただ、その語り口調は、まるで、テレビのコメンテーターのようで、よく喋る男だなぁ…と耳を傾けてみる。どうも、「食事制限」の話をしている。外食しながら、食事制限の話もちょっと笑えるのだけれど、そういうアンバランスなところが、イタリア人。「朝はね、まず一杯の、出来ればお茶が良い。」なんて話している。そういえば、イタリアには、ディエトロゴと言われる栄養士が居て、病気の克服や痩せるために本格的に食事療法をしたい人は、そういうところに通うのだと聞いたことがある。多分、この人も、そういう関係の人なのかもしれない。「お昼はね、大盛りのサラダ。パンは二切れね。」そっか。パンは二切れなんだ…。とは、私の心の声。最もらしく聞こえるのだけど、よくよく聞いていると、内容は大したことがなかった。だから思う。いっつも、こういう口調のイタリア人に、騙されそうになるんだよなぁ…と。内容云々ではない。あたかも、最もらしく話す、その口調こそ、イタリア人に丸め込まれてしまう原因のひとつなんだと。それで思い出した。イタリアに向かう飛行機の中で、乱気流に巻き込まれ、機体が激しく揺れた時、叫び声を上げる奥さんに、落ち着き払って言った旦那さんの一言。「これは、アレだな。乱気流というやつだ。」そのまんまの話を、あたかも悟ったように言うイタリア人。それをちょっと面白いと思うのは、私だけだろうか。笑えるんだけど、時々、見習いたくなる。
最後までお付き合い、どうもありがとうございます。