猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

女と男のいる舗道

2024-04-18 21:15:06 | 日記
1962年のフランス映画「女と男のいる舗道」。

パリのあるカフェ。ナナ(アンナ・カリーナ)は別れた夫・ポール(アン
ドレ・S・ラバルト)と近況の報告をし合い、別れる。ナナは女優を夢
見て夫と別れ、パリに出てきたが、夢も希望もないままレコード屋の店
員を続けている。ある日、ナナは舗道で男(ジル・ケアン)に誘われるま
まに抱かれ、その代償を得た。ナナは昔からの友人のイヴェット(ギレ
ーヌ・シュランベルジェ)と会う。イヴェットは売春の仲介をして生活
している。ナナはいつしか娼婦となり、ラウール(サディ・ルボット)と
いうヒモがついていた。やがてナナは見知らぬ男と関係を持つことに無
感覚になっていく。

ジャン=リュック・ゴダール監督が公私にわたるパートナー、アンナ・
カリーナを主演に撮った作品。女優を夢見て夫と別れたナナは、チャン
スもないままレコード屋の店員を続けている。ナナは元夫のポールとカ
フェで会い、疲れ切った人生を語り合った。ある日ナナは舗道で誘われ
た男に体を与え、その代償を得た。古い友人のイヴェットと会い、彼女
が売春の仲介をしていることを知る。家賃も払えなくなるほど困窮して
いたナナは、娼婦になることにする。
ナナが23歳の若さで離婚歴があるというのもすごいと思うが、お金に
困っているからとあっさり娼婦になるのも驚く。時代なのか、お国柄な
のか。12の章にわたって描かれているが、アンナ・カリーナのアップ
が多く、美しい。ロングヘアのイメージがあるが、ナナ役はショートボ
ブで、これもまた似合っている。章を追うごとにナナは無表情になって
いく。そして会話も何だか抽象的でよくわからない。ゴダール作品は3
本しか観ていないが、どれもそんな感じだ。意味があるようなないよう
な会話やシーンが続く。
この映画の感想を書くのは難しい。特に何とも思わないからだ。私はこ
ういう映画は好きなので、おもしろいと言えばおもしろいが、これとい
う感想はない。ナナが次第に無表情になっていく様子は印象的だ。売春
も慣れるとそうなるのだろう。客の男とちょっとしたトラブルになるこ
ともあるが、その時は悲しさを感じる。ナナはやがてある若い男を好き
になり、愛し始める。この時どうにかしていれば、と思う。すぐに娼婦
をやめることはできないのだろうが、不幸にはならなかったのではない
か、と思う。ラストシーンは「まあ娼婦の末路ってこんなものよね」と
思わせられる。ちなみにこの映画がきっかけでゴダールとアンナ・カリ
ーナは破局したそうだ。


良かったらこちらもどうぞ。ジャン=リュック・ゴダール監督作品です。
勝手にしやがれ
女は女である
気狂いピエロ


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4 コメント

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Unknown (あーちゃん女将)
2024-04-21 02:27:43
こんばんは(=゚ω゚)ノうちの店があるのは風俗街のど真ん中で、長年商売をしていると、色んなことに気づかされます。娼婦も風俗嬢も、初めて風俗の世界に入った時は罪悪感とか色んな思いに苛まれるそうだけど、乞○3日やれば止められないというのと同じで、代償の大金を手にすると、段々と罪の意識も消えるのだと話してくれた風俗嬢がいました。。今の時代の風俗嬢は、え?!こんな子が?!💦と、驚くような、普通の女の子が殆どで驚きます💧
Unknown (杏子)
2024-04-21 14:48:27
>あーちゃん女将さん
コメントありがとうございます。お店は風俗街のど真ん中にあるのですね。
娼婦や風俗嬢は最初は罪の意識があるんですね…でも何事も慣れということでしょうか😅
確かに気軽に始められる仕事ではありますね。元手もいらないし。
でも、私はやっぱり無理だなあ…💦
ごく普通の女性が風俗の世界に足を踏み入れていると、新聞記事などで
読んだことはあります。
でもやがて金銭感覚が狂ってしまい、普通の仕事には戻れなくなるのでは…と
気になります。余計なお世話なのでしょうけどね(-_-;)
62年前ですね。 (ウラジーミル・アスポン)
2024-04-22 20:34:56
アンナ・カリーナさん主演の「女と男のいる舗道」は、有名な映画だけど、たぶん観た事ないです。
もう主演のアンナ・カリーナさんは亡くなってますね。

フランス映画って起承転結のないような内容が多く、私にはストーリーがわかりづらいんですよね。
シュールな面白さはありますね!

23歳なんて現在では結婚していない人も多いのに、もうバツイチなんですね。
1962年は、今から62年前だけに今とは違いますね。

売春の仲介をする古い友人のイヴェットに会う前に既に売春っぽい事やっていますね。
舗道で誘われた相手に身体を与え、その代償に金銭とかを得るんですよね。
そんな調子では、イヴェットに誘われたら、娼婦になる事に特に抵抗はありませんね。
家賃にも困っているのですし…。

元夫ともサラッとカフェで話すんですね。
そのカラッとした感じは、60年前の日本では考えられません。
やはり外国は違いますね。

アンナ・カリーナさんは、この映画ではショートボブですね。
「女は女である」とかは、ロングで女性らしいヘアスタイルです。


会話が抽象的ではっきりしない映画は、60年代に流行っているんでしょうかね。
ちょうど60年代は絵画も普通の人が理解できないようなのが流行ってましたし…。
何を描いてんだか分からないような絵が流行っているように、映画にもその傾向があるのでしょうかね。
フランス映画の傾向とも思えるし、時代の流行とも思えます。

この映画が切っ掛けでゴダール監督とアンナ・カリーナさんは破局しているんですね。どういう事なのか検索では調べがつかなかったです。
尚、ゴダール監督はスイスで安楽死を選んでますね。

娼婦の末路らしい悲しい末路なんですね。
アンハッピーな内容なんですね。
白黒映画にふさわしいですね。
明るい映画の「女は女である」はカラーですね。
白黒とカラーの使い分けしていますね。
Unknown (杏子)
2024-04-23 00:23:26
>ウラジーミル・アスポンさん
コメントありがとうございます。フランス映画は起承転結がはっきりしないような
内容が多いのが特徴ですね。苦手な人は多いと思いますが、私は好きなんですよね。

フランスということだけでなく、62年前の映画ということで色々文化が違いますね。
元夫と仕事の帰りにカフェに行ってお互いの近況を話したり…私には考えられないです。
この時の会話も意味があるようなないような感じで、おもしろいです。

会話やシーンが抽象的ではっきりしないというのは、60年代というより
フランス映画の特徴だと思います。
もっと古い映画でも現代の映画でも、フランス映画はそんな感じのが多いです。

「女は女である」の時のアンナ・カリーナは、服装や髪型が女性らしくてかわいくて、
とても魅力的でした。
アンナ・カリーナもゴダールも近年亡くなってますね。

この映画をきっかけに2人が破局した理由は私にもわからなかったです。
でも数年後の「気狂いピエロ」にもアンナ・カリーナは出演しているので、
ゴダールと破局後そんなに関係は悪くなかったのかもしれませんね。

悲しいラストで、とてもあっけない終わり方です。
この、あっけない終わり方というのもフランス映画の特徴です。
私はこういう終わり方が好きです(^^)

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