「シティーハンター」★★★★～シティーハンターへの愛を感じる映画

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2024』の掲載にあたって」

シティーハンターへの愛を感じる映画 ★★★★

（2024年／日本／104分） 【　監督　】 佐藤祐市 【　原作　】 北条司 【　出演　】 鈴木亮平 森田望智 安藤政信 華村あすか 水崎綾女 杉本哲太 木村文乃 橋爪功

【あらすじ】

　日本の大都会・新宿。

　裏社会で相棒の槇村秀幸とともにトラブル処理を請け負う始末屋“スイーパー”の冴羽獠は、都内で頻発している若者の変死事件を追っていた。

　ある時、有名コスプレイヤーのくるみの捜索という仕事を請け負った獠と槇村だったが、謎の組織によって槇村は殺されてしまう。

　槇村の妹・香は、兄の敵を取るため事件の真相を追い、獠に止められるも、くるみの身を守るため行動を共にすることに。

　そして、くるみと獠、香にも謎の組織の魔の手が及んでくる―

【コメント】

　さて、今回ちょっと楽しみにしていた作品がいよいよ動画配信開始。そう、動画配信サービス「Netflix」にて配信を心待ちにしていた作品が本作であります。

　ご存じのとおり、本作は80年代の少年ジャンプ黄金期を支えた漫画の、まさに満を持しての自国の実写化。アニメは長寿作品として今でも映画化されているし、実写といえば2019年に海外フランスで製作された『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』が、とにかくアニメへのリスペクトが込められた素晴らしい作品だったのが記憶に新しい。

　そんな中で、あの鈴木亮平の肝入りで実写化が実現されたという本作、前々からネットニュースでは様々な意見が飛び交っていた話題作ですが、僕自身も「鈴木亮平が冴羽獠？？？いやいや・・・」と懐疑的ではありました。

　ともあれ、どんな仕上がりになっているのか、Netflixに入会しているなら観ない手はないだろうとさっそく鑑賞してみた次第です。

　鈴木亮平、ごめん！あなたのシティーハンター愛がこれほどまでとは思わなかったッス。とっても面白かったッスよ！時代を現代に移しつつもシティーハンターの世界観は変えず、まさに現代に甦えらせたという感じで、なにより原作へのリスペクトと愛を大いに感じさせる作品だったと思います！ネット映画とはいえ、日本でもこれくらい再現できるじゃんかーと感心しましたね。素晴らしかったです。

　そんな僕が感じた本作の感想は以下の3つです。

１．シティーハンターへの愛を感じる映画

２．鈴木亮平＆森田望智が素晴らしい！

３．続編激しく希望

　本作で中心となるのは、獠と香が出会いコンビとして活動するきっかけとなる展開で、香の兄である槇村の死と、アニメ映画でも題材となっていた天使の涙＜エンジェルダスト＞が物語となっています。シティーハンターのエピソード0的な位置付けでしょうね。

　先にも言ったとおり、とにかく原作・アニメへのリスペクトが随所に見られ、ギャグとシリアスのバランスやアクションのキレの良さ、そしてフランス版と同様、エンディングシーンからのTM NETWORKの「Get Wild」（本作はセルフカバー）の流れは感動しましたね。

　当初、僕ならずとも誰もが懸念していたであろう冴羽獠＝鈴木亮平というキャスティング。ぶっちゃけ、鑑賞後も冴羽獠が鈴木亮平とは似ても似つかないキャスティングであることは変わらなかったんですが、キレキレの身体能力と銃捌き、そしておちゃらけとシリアスの演技の分別がとてもうまく、決して似ずとも愛おしく感じるで冴羽獠したね。

　そこでいくと槇村香＝森田望智のキャスティングはとても絶妙だったと思いますね。決して獠好みのセクシーな感じでもなく、だけどどこか愛らしく勝気でボーイッシュな感じがとてもハマっていたと思います。同じ理由で野上冴子＝木村文乃のキャスティングなかなか。個人的にはキーマンとなるコスプレイヤー役の華村あすかちゃんがお気に入りです。

　とにかく鈴木亮平＆森田望智のキャスティングは素晴らしいと思いましたね。