「エクソシスト信じる者」★★☆～もう悪魔とかいう時代じゃない

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2024』の掲載にあたって」

もう悪魔とかいう時代じゃない ★★☆

アン・ダウド

ジェニファー・ネトルズ

ノーバート・レオ・バッツ

リディア・ジュエット

オリビア・オニール

エレン・バースティン

リンダ・ブレア

【あらすじ】

　旅行先の地震で妻を亡くしたビクターは、一人娘のアンジェラを男手ひとつで育て、親子関係も良好だった。

　ある日、アンジェラが親友キャサリンと一緒に森へ出かけたまま行方不明になってしまい、3日後に馬小屋で保護されるが、その日以来アンジェラとキャサリンは不可解な行動を繰り返し、手に負えない状態となってしまう。

　無神論者のビクターだったが、過去に同じような経験を持つクリス・マクニールに藁をもすがる思いで助けを求め、悪魔祓いの儀式を始めるが、それは想像を絶する儀式となる―

【コメント】

　今回、劇場で目ぼしい作品が無かったため、レンタルでお茶を濁そうとTSUTAYA DISCASにてお取り寄せした映画が本作。

　映画好きならずとも誰もが知っているホラー映画の金字塔1973年の『エクソシスト』。あれから50年の時を経て、あのブラムハウスが“正当続編”として世に放った本作は昨年12月に劇場公開されましたが、僕的には「今さらエクソシスト～？」と、どうしても観てみようという気分にならずスルー。レンタルも開始されたし、とりあえず観といて損はないだろうと今般レンタルしてみた次第です。

　うん、まあつまらんね。予想どおりというか、あのホラーの金字塔『エクソシスト』を超えられるのか？超えずとも肩を並べるくらいの完成度まで達してるのか？というのが結局のところポイントになってくるわけで、それは遠く及ばず・・・といったところですかね。そりゃあそうだよ、オリジナルには絶対に勝てない、超えられない。それくらいのインパクトと衝撃をオリジナルは持ってるんだもん。

　本作に限らず、1977年の『エクソシスト2』しかり、原作者自身が監督した『エクソシスト3』しかり、レニー・ハーリンの『エクソシストビギニング』しかり、続編として作られた作品は軒並みオリジナルは超えられず、正当続編と銘打った本作にしてもオリジナルに達することはできなかったというわけです。

　そんな僕が感じた本作の感想は以下の3つです。

１．もう悪魔とかいう時代じゃない

２．リンダ・ブレアの登場だけは評価

３．これで本当にやるのか3部作

　もうね、ぶっちゃけ悪魔とかいう時代じゃないのよ。設定がもう時代遅れ。悪魔とかそういったホラー映画が盛んだったのは1973年当時だったからこそという部分が大きいし、目に見えない得体の知れない悪意ある幽霊が人間に憑依するとかいう恐怖よりも生きている人間のほうがよっぽど恐ろしい。それに50年前よりも科学やテクノロジーが飛躍的に進化してしまった昨今において、得体の知れない何かに恐れるというホラー映画は古すぎると思いますね。やるならもっと現代寄りの現代ならではのエクソシストに持っていってほしかったところ。

　唯一評価できるのは、ラストもラストでオリジナルで悪魔に憑依されたリーガン役のリンダ・ブレアが登場したところ。ほんのちょっとだけだけどね、よくぞ本作に戻ってきてくれたと。そこだけです。満を持してリンダ・ブレアを登場さすならもっと脚本を練り上げてほしかった。非常にもったいないと思わざるを得ません。