先日も農福連携で躍進している、安芸福祉保健所の公文一也さんと、安芸市で農福連携に取り組んでいる農家のお二人を招いて、農福連携の勉強会をしました。

香美市役所の農林課にご協力をいただき、広報したところ、香美市、香南市、南国市を中心に約75名の参加者があり、会場の香美市役所会議室は熱気に満ちていました。

安芸市の農福連携の実践者の集まりであるチーム安芸のセミナーには、昨年から何回か参加していますが、その熱気からは想像できない現実があります。

それは
農福連携は安芸以外はほとんど進まない
と言うことです。

もう少し丁寧に言うと

農福連携を希望する農家は多いし
素晴らしい取り組みだと思う福祉関係者もいるし
セミナーは盛り上がるのですが
なぜか農福連携が進む速度は極めて遅い!

と言うことになります。


ちなみに農福連携とは、
農家の人手不足を埋め合わせるために、
障害者を雇用すること
だけではなく、以下のように定義されています。

「農福連携とは、障害者等の農業分野での活躍を通じて、自信や生きがいを創出し、社会参画を促す取組である」

つまり

「生きづらさを抱えた人の社会参加、生きがいづくりなどに、農家と福祉や行政が一緒に取り組み、その結果として、農家の人手不足を補い、障害者の就労機会を提供することになる」

と言うことが、農福連携の目的であり、意義でもあるというわけです。

話を戻しますが、では何故農福連携は進まないのでしょうか?

私が何回もチーム安芸のメンバーと話してみて、セミナー参加後の農家さんの声や、社協をはじめとする福祉関係者の動きを観察した結果の結論は、

農福連携を「誰がする?」に終始してしまい、
農福連携を「どうやってする?」にまで
行き届くことができていない

からだと思います。

更に付け加えるならば、農福連携を進めている安芸市においては、行政や福祉など→農家さんへと働きたい人の情報が流れていきますが、他の地域では、農家さんの「取り組みたい」という→を受け止める人がいない、という現状があるかと思います。

逆に言うと、上記の2点がクリアされると、その地域では農福連携は進み始めるでしょう。

なぜ「どうやって取り組もうか?」と関係者が一体になれないのか?を突き詰めていくと、その地域の抱えている課題が浮き彫りになるのではないでしょうか?

現実を目の当たりにするのは勇気がいるでしょうし、縦割りやセクショナリズムの弊害を解消するのは骨が折れるかもしれませんが、それくらいのハードルで右往左往するような支援者は退場して欲しいと思います。

そうでないと、いつまでも、いつまでも、貴方の住む地域の福祉は成熟しないでしょうし、いつかその悪い影響が形や大きさを変えて、私たちの生活に降りかかってくるかもしれないと心配にならないですか?

とにかく
どうすれば上手くいくだろうか?
にこだわって欲しいですし、私たち市民もそこを外さないでおきたいですね!