近頃店に買い物に来てくれる一見さんが多くなりました。
とくに中年の女性のお客様で長時間かけて不祝儀袋を物色されている方がいます。


困ったお顔を見るとお声がけさせて頂いておりますが、ほとんどは”どの袋”を
使ったらいいのか、なんて書いて渡せばいいのか判らないという質問です。

 

デパートで聞いても

 

「判りませんって」


言われたり


「御布施でいいんじゃないですか。」


って言われたけど仏壇店街で聞けば間違いないと思って...。

でもご質問の核心は袋の種類などではなく


「お寺さんへの対応のしかたが判らない」


なのです。


先日も悩まれていたお客様でしたのでお声かけさせていただきました。


「法要ですか?であれば法要目的(内容)をお聞かせください、それによって多当のタイトル
が変わります、お寺に出すのであればほとんどの場合お布施で済みますが。」


そう回答させて頂きますとやはりこの方も


「お墓を返す(始末)のときどうするの」


という事でした。


少子化の影響でしょうか、はたまた結婚されない方々が多いのでしょうか、親を含む先祖の
お守りをできる方がすごい勢いで減少しています。


核家族化の果ての一人っ子、自身が死んだら誰もその家の先祖代々をみれる人はいないのです。


近未来的に確信したのでしょうか、墓はおろか寺さえも無用の長物?に見えてきます。


人口減少で2割人が減れば、寺(菩提寺)は今の半分くらい要らなくなると予想されます。

 

墓の返納には、いろいろなケースがあります。


1.菩提寺を変える(嫁ぎ先の菩提寺に本人はいずれ入るので)先祖は無縁へ。


2.いずれ本人も継続している先祖墓に入るがその後は引継ぎがないので数年分の供養料を納め自身もろとも集団無縁カロートへ移骨合葬しその後墓石撤去、返納。


3.墓自体全部返納し寺も檀家下がりし、納骨堂へ生前契約し丸投げ。

 

他にもお聞きした例は多々ありますが上記三例が多いようです。


いずれにしろ寺側にはメリットはありません、時代が変わったとしか言いようがありません。


このお客様も同様のご様子でしたが詳しくは立ち入らないように目的だけ聞きました、


「お墓を返すのでお金を入れる袋になんて書けばいいの?」


「仏教式ですよね」

 

一応確認してから


「”回向料”もしくは”廻向料”と書いてください、それでいいと思いますよ。」

 

「金額はいくらぐらい入れるの?相場はあるの?」


「そんなものありませんし、私よりお寺に聞いてください。」


「あら、そうなの?」

 

「うちはただの紙屋ですよ、弔事よろず相談所ではありません(笑)」

 

「なんだ、じゃあこれ要らない、白封筒に書くからいいわ。」

 

こういう方、お客様とはいえ、なんだかな~ ってなりますよね。

 

こんなんばっかりじゃ、”ストレス”に向けて追善廻向!。