アワビもけっこう | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 磯焼けの原因=ウニが海藻の芽を食べ尽くす

 定説になってますけど

 

 飼育してるとアワビもけっこう食べるんですよ

 同じ重量で比べたらウニよりも食べるんじゃないだろうか?

 って思うぐらい

 

 一昨日、アワビの水槽に漁業者からいただいた間引きコンブを入れると

 今朝はこうなってました

 3㎝ぐらいの稚貝なんですけどね

 「これ、どうするの?何のために飼ってんの?」

 って聞かれるんですが

 

 閉鎖循環システムで幼生から放流サイズまで成長させられるかの試験です

 

 この辺の海は親潮が接岸すれば海水温が5℃を下回りますし

 最近は夏場23℃を超えてきます

 ガラス張りのハウスみたいな構造になっているアワビ種苗生産施設では

 海水温が23℃だと水槽の水温が25℃を超えて30℃近くなることもあります

 

 5℃以下だとエゾアワビとて岩場に張り付いてるのが難しくなる水温帯

 アワビは岩から離れれば死ぬ確立が非常に高くなります

 25℃以上は暑すぎてアワビの生存限界

 

 現場担当者は夏は水温が上がると早朝から窓を開けに行き

 梅雨時は塩分が下がると、川とにらめっこ

 台風が来れば海水が濁ってアワビが死ぬと循環濾過に切り替える。でも、循環を続ければ水温が上がりすぎて、濁った海水を入れざるを得なくなる

 雪が降れば停電になるかも知れないと泊まり込む

 

 生き物を飼ってる以上、そういうことは避けられないんですけど

 できるだけ負担は少ない方がいい

 できるだけコンパクトで

 できるだけ省電力で

 できるだけ低コスト

 

 ヒーターやクーラーで水温を調節すればいいのに

 って思うかも知れませんが、外気温の影響が高い環境下でそれをしたら電気代がとんでもないことになります

 

 閉鎖循環システムは同じ水がぐるぐる回っているだけなので、断熱が行き届いた狭い空間においてヒーターやクーラーで温度調節すればそれほど電気代はかかりません

 完全に遮光してLEDランプで光を調整すればアワビの餌となる付着珪藻の培養に最適な環境を作ることもできますし

 大雨で塩分が低下することも

 大しけで水が濁ることもない

 いいことずくめなんです

 成功すればね(笑)


 

 高性能な循環濾過システムを製造・販売しているところはあるんでしょうけど、導入コストが問題

 濾過能力はそこの半分でもいいから導入コストは1/10以下とか

 そういうのを目指しております

 


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