反発係数、接触時間の測定

昨日の練習、お疲れさまでした。今回のブログ担当のくにです。

昨日は男性7人、女性5人が集まりました。

見学2回目の若~いツッジーさん(男性)が正式に入会されました! (さっきLINEグループに参加されましたが、アイコンは娘さんの写真!結婚されてたとは、失礼しましたww)学生時代の経験者で、左利き、シェイク、裏・裏。若いだけあって、プレイがとてもアグレッシブです。昨年10月入会のふじさん(カットマン)、先月入会のりーさん(粒高使い)に続き、卓楽会の平均年齢をぐっと下げてくれてます。40代50代の中堅どころと一緒に、是非とも卓楽会を引っ張っていってください! でも、自分を含めたシニア組(退職組)も時間たっぷりあるしww、体力もまだまだあるし、頑張りますよ~ よろしくお願いします!

新春のブログでちょっと書きましたが、自称「理科担当」の自分が温めている卓球ブログネタがいくつかあって、今日は、その一つ、「反発係数、接触時間の測定」について書きます。

反発係数測定装置

接触時間測定装置

まず、上の写真「反発係数測定装置」。ラケットを新調したり、ラバーを変えたりした時、目の前でボールを弾いてポンポン上下させたり、卓球台で試打して、弾み方を「感覚」でチェックすることが普通でしょうが、ここはひとつ、弾み方を「数値化」(=反発係数算出)しようと思いまして考案しました。装置といっても、目盛りを入れた長さ1メートルの透明筒を用意して、1メートル高さから筒内でボールを自然落下させて、ラケットで跳ね返ったボールの高さを目で測るだけですww。

ボールとラケットの反発係数eは、(ラケット固定で)衝突前のボール速度(V1)と衝突後のボール速度(V2)との比で表されます(e=V2/V1)。空気抵抗を無視すると、高さHから自然落下したボールのV1はV1=√(2gH)、またV2とボールの跳ね返り高さhとの関係は、V2=√(2gh)です。これらから、e=V2/V1=√(h/H)と求められます。H=1メートルなら、e=√h(hはメートル値)と計算が簡単になります(電卓でポン)。

次に、下の写真「接触時間測定装置」。感圧センサーとマイコンで回路作って、ボールとラバーの接触時間をリアルタイムで計測します(YouTube動画)。

これまで何度かブログに書いた「接触時間」と「球持ち」のこと。自分は当初、球持ち=接触時間と信じてましたが、両者は「イコールではない」ことが分かりました。卓球王国の伊藤条太さんの言う通り、「球持ちの良い裏ソフト」とその反対の「球離れの良い表ソフト」で接触時間は変わらないことが自分の実験でもはっきりと示されました(ボールを垂直に当てた場合は違いはなくても、斜めに当てた場合は裏ソフトと表ソフトで違いが出る[裏ソフトの方が接触時間が長くなる]のでは?と自分も当初思っていましたが、変わりませんでした[データあり])。ただ裏ソフトも表ソフトもスポンジが厚い程、また柔らかい程、接触時間は長くなります。そしてまた、同じ種類のラバーなら、接触時間が長い程、球持ちが良くなる傾向にあることも確かです。

「接触時間」は何に関係するのか?(どうして自分はここまで「接触時間」に拘っているのか?)

それは、接触時間は物理学で言う「力積」(力×時間、英語でimpulse/インパルス)の要素になるからです。特に、ラケット面に平行方向の力(ラバーの摩擦力と引きつれ復元力)と接触時間の力積成分でボールの引っ掛かりが生まれ、高校物理の「力積(ベクトル)は運動量(ベクトル)の変化に等しい」にしたがって、ボールの飛び出す方向と回転具合に密接に関係するからです。※運動量とは質量と速度(ベクトル)を掛け合わせたものです

以下に、反発テストと接触時間テストの結果例を示します。(反発テストは11月~2月にテスト、寒い時期)

40mmプラボール使用 1メートル落下時の跳ね返り高さh(m)
目視
反発係数e
(=√h)
電卓でポン※V1=√(2gH)≒4m/sec衝突における
※空気抵抗を考慮するとeは若干大きな値になると思います
接触時間(sec)
※4m/sec衝突における
※装置の最小検出時間≈0.00034sec
(参考)

木机+ガラス天版(5mm厚)

0.45 0.671 0.0005~0.0006
※センサーシートにボール直当て
ラケット(日ペン木曽檜10mm)直当て 0.42 0.648 0.0005~0.0006
※センサーシートにボール直当て
+モリストSPAX MAX(2.2) 0.38 0.616 0.0010~0.0012
+モリストSPAX 厚(1.8) 0.37 0.608
+モリストSPAX 中(1.6) 0.37 0.608 0.0009~0.0010
+インパーシャルXS特厚 0.0011~0.0014
+スピネイト特厚 0.0010~0.0012
+ラザンターR37 ULTRAMAX 0.0011~0.0015
+テナジー05中(1.6) 0.0009~0.0014
+マークV特厚(2.1) 0.0010~0.0013
+マークV中(1.5) 0.0009~0.0010
+マークV極薄(1.0) 0.3 0.548 0.0008~0.0009
+コバルトα(1枚ラバー) 0.3 0.548 0.0007~0.0008
+SPINPIPS D1(1.6) 0.31 0.557 0.0009~0.0010
+SPINPIPS D1(1.3) 0.3(‘24.2.7)
0.34(‘24.4.28気温25.5℃)
※気温が大きく関係するようです
0.548

0.583

0.0008~0.0009
+ロイヤルラージMAX 0.0013~0.0016
+ウォーリー厚 0.0011~0.0012
+オリジナル(表ソフト)極薄(1.0)小粒 0.33(‘24.4.28気温25.5℃) 0.574 0.0008~0.0010
+エルフラーク極薄(1.0) 0.33(‘24.5.1
気温22℃)
0.583 0.0009~0.0011

※空白部は後で追々埋めていきますww
暖かくなった今日、追テストしましたが、反発係数は気温(→たぶんラバーの温度)に大きく関係するようです。目を疑いましたが事実のようです!(;’∀’) 反発係数を比較する場合、気温など同条件でテストを行う必要がありますね(‘24.4.28追記) ネットで調べましたが、ゴム(=ラバー)の不思議な特性があるのですね~温めるとよく跳ねる!? それから接触時間の方ですが、ラバーが柔らかいと接触時間は長くなるのですが、「温度が上がるとゴムは僅かに[絶対温度K(摂氏+273)に比例する程度ですが]弾性が増す(=弾性率が上がる=硬くなる!)」そうで、接触時間にも少し影響しそうです(‘24.4.30追記)

最後にですが、ブログで以前、「人間の反射能力は0.01秒程度と言われ、接触時間はその10分の1でその間に制御できるはずがないが、それでも接触時間はコントロール性に関係しているのでは?」と書きましたが、卓球での打球の「コントロール性」というものがそもそも何のことを言うのか? 改めて考えてみたいところです(少なくとも機械制御など工学におけるコントロール性とは違うようです)。コントロール性とは別に、最近、「トレランス(許容)」という観点がラバーメーカなどからも出てきています。今後、自分も考察していきます。

コメント

  1. さく より:

    くにさん、ちゃんと読み込んでコメントを書こうと思いましたが、難しすぎました😅
    反発係数測定装置だけはわかりました。感覚だけで飛ぶとか飛ばないとか言ってますが、数値で見れるとわかりやすいですね。

  2. フジ より:

    色々な装置すごいですね。動画面白かったです。ラバーの厚と特厚の接触時間は0.0001秒程度しか変わらないんですね🫢
    カットマンはスポンジの厚さが厚い方が良いのでしょうか?カットマンのトップ選手は裏ソフトが特厚、粒高は極薄の人が多いですよね🤔
    今度教えてくださいm(_ _)m