新刊を出しました「中学受験の勉強時間を半分にする」 | 学ぶ力を作り出す

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東京都杉並区の「学力工房」教室長の中村です。
屋号である、「学ぶ力を作る」というテーマを中心に、
主に、教育関連のブログを記載してまいります。
著書である「学ぶ力を作りだす」の周辺事項の記載も続けております。

どうぞよろしくお願いいたします!!

新しく書籍をリリースしました。今回は中学受験に特化した内容になっております。

 

「中学受験の勉強時間を半分にする」(ギャラクシーブックス)

 

 

というテーマです。

 

これから中学受験を考え方々、あるいは今現在進行形の方々にはぜひ、1つの問題提起として読んでみてもらいたいです。概ね、今現在、ビジネスに携わっている方々は、理屈と考え方には賛同してくれると思います。

 

学習塾に携わって10年になりますが、一番違和感が大きかったのが、中学受験の「当たり前」でした。

 

標準でも、小3の2月からは塾に行き、4教科学習し、毎週のように週末にテストを受け、5年生になれば、学校ではまるで習わない、中学受験でしかやらないことばかりを取り組み、6年生になると、とにかく志望校に向けて物量を詰め込んでくる。5年生ならばテストを入れれば、週4回の通塾は当然、6年生ならば週5−6回の通塾が当たり前。夏期講習ともなれば、朝から晩まで、場合によってはお弁当2つ持って塾に行く。

 

宿題量も膨大で、SAPIXなどに行けば、共働きで対応するのは基本的にはかなり難しいです。親がちゃんとつきっきりで見ることが「前提」になっていて、親が宿題をガッツリきっちりやらせることが不可欠になっています。

値段もすごいです。小6ともなれば、年間で100万円をトータルで超えることなどザラで、さらにやる子は、それに加えて、Thomasなどで家庭教師をつけたりしていきます。

 

で、説明会等に行けば、それが当たり前、それがデフォルト、それが志望校合格に近づく、必須の姿、と刷り込まれるわけです。で、特に母親中心にそのような信仰が広がっていき、今や、SAPIX、四谷、日能研あたりでは、学習量をさらに増やすことはあっても、減らそうという動きは皆無です。

 

でも、そんなの、絶対おかしいと思うんです。

小学生が、4年生から(早い人はもっとはやい)、毎週偏差値の出るテスト受けさせられ、その偏差値を上げるために、毎晩必死に勉強し、5年生にもなれば、他の習い事はやめさせられ、算数あたりでは訳のわからない特殊算を毎週習い、テストのために社会の用語を毎週100個くらい暗記して。友達と遊ぶ時間、野球をする時間、家でゲームをする時間、ゴロゴロ漫画を読む時間、ぺちゃくちゃ話をして無為に流れていく時間、好きな女の子(男の子)のことを鬱々と思う時間、そういう、子供ならではの時間は全て削ぎ落とされ勉強に充てられていく。そして、勉強だけ上手にこなしていく人が、エリート校に入り、鉄緑会に行き、東大に行き、官僚になっていく。(ちょっと偏見ですが)

そんなの、絶対におかしいと思うんです。

 

該当者がいらっしゃいましたらすいませんが、SAPIXー鉄緑会ー東大、みたいなルートは、ぶっ壊れたいい、と思うんです。勉強ができるエリートたちのレール、もう、そんなのいらないと思うのです。

 

だから、中学受験の当たり前の姿に、アンチテーゼを突きつけたいと思い続けてきました。

 

小さな教室で、業界の片隅の中の端っこですが、その思いで中学受験の指導は続けてきましたし、実際、その思いを実現するために、半ば強制的に、中学受験の勉強時間は、半分もさせないで、受験に向かわせてきました。(ただ、それでも、受験しない子に比べたら、3倍くらいはしています)

 

それでも、みんな、ある程度行き着くところに進学します。どこにも行けなかった、という子はいないんです、正味。

で、じゃあ、この子達、僕の教室で勉強をした子達は、大手の教室に行っていたら、もっともっとずっとすごい学校群に進学していたのか、といえば、きっとそんなことないと思うのです。全員。きっと、結果は同等か、場合によっては過度な負荷により潰れてやめていた可能性の方が高いと思うのです。(第一、うちは、大手を辞めてきている子がそれなりにいます)

 

だったら、勉強時間は、半分でいいのではないかと思うのです。

半分で同じ成果で出るなら、半分の方が断然いいじゃないですか。

 

じゃあ、なぜ、大手はそんなにたくさんの授業をするの?テストをするの?

 

それは簡単です。たくさん授業を受けさせれば、その分塾としては儲かるからです。

夏休みに10万かけて勉強合宿に泊まり込みで4泊5日でいく。その4泊5日の勉強、家で1日2時間で済むと思いませんか?もしそうだとしたら、行かせますか? 済むんですよ。いや、それよりもずっといいかもしれない。だって、合宿なんて、結局学年みんな同じことやってるんです。気合入れて。だけど、勉強は、一人一人状況が違う訳ですから、目的も現状も、だったら、その状況に合わせた学習プランをこなした方が、効果が出やすいのは、当たり前の当たり前です。

でも、なんでみんなで合宿に行くのか。建前はいろいろあります。でも、塾の本音は「ビジネスだから」ということです。

 

そんな中学受験業界に、小石を投げつけてみたいと思って書いてみました。

なにぶん、教室なんて微々たるものですから、エビデンスや実証性には乏しいです。でも、「それでいいんだよね、やっぱり」と思ってもらえる部分は多いと思います。

 

1章ー中学受験の現場の分析。SAPIX1強です。

2章ー中学受験の勉強は、全部やらないといけないのか?そんなことはないです。

3章ー本当に、こんなにたくさんの勉強時間が必要か?

4章ー勉強時間を半分にするロジックとメソッド

5章ー学年ごとの準備の仕方。年長さんから「魔の5年生」まで

 

というよう内容です。

お手にとっていただければ嬉しいです。