もうすぐなくなる?阪堺・浜寺駅前駅舎と、浜寺公園の工場夕景 | ゲイムマンの日本縦断紀行 + ご当地ゲーム制作・配信

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ゲーセンでゲームをプレイし、1面クリア毎に増える“ゲーム路銀”を交通費にして日本縦断を目指す「ゲーセン紀行」でしたが、ゲーセン巡りよりも、普通の観光旅行の方が主になってしまいました。

現在このブログ上でゲーム『香川県からの脱出』を制作・配信中。

『脱出ゲーム 香川県からの脱出』に登場する歴史上の人物を訪ねる旅。
南海の浜寺公園駅を見た後、せっかくなので浜寺公園の夕景を見に行くことにしました。

 

 

 浜寺公園('23.12.22)

 


辰野金吾氏設計の浜寺公園駅。
ここから浜寺公園に向かって歩いていくと……、

 

 浜寺駅前

 


すぐに阪堺電気軌道の、浜寺駅前駅の駅前に着きました。

 


阪堺はここが終点です。モ351形が停車中。1962年登場の形式で、この車両は翌1963年製造。
堺の中心部を突き抜けて浜寺まで路線を延ばしたのも、やはり浜寺公園の人気が高かったからでしょうか。

 


ここの駅舎も古く、1913年(大正2年)の開業時から建て替えられていないとか。
南海の浜寺公園駅とは全くタイプの異なる素朴な駅舎で、こちらもまた良い雰囲気です。
(※1912年開業とする資料もありますが、阪堺にはごく短期間、「浜寺駅」と「浜寺公園駅」が存在していたようで、混同が生じている様子。いずれにしてもかなり歴史ある駅舎です)

 


モ701形がやってきました。1987年登場の形式。

 

実はこの阪堺の駅舎も、近いうちに駅舎としての役割を終えてしまうらしいのです。

 

阪堺の路線はずっと南海本線の東に並行していますが、ここのすぐ近くで南海をオーバークロスしています。だから浜寺駅前駅は、南海・浜寺公園駅より西にあるのです。
駅の位置を少しでも、浜寺公園に近づけたかったのでしょうか?

しかし南海本線が高架化されるにあたり、両路線の交差部分をどうするかが問題になりました。
結局、立体交差をなくして、阪堺線を最後まで南海本線の東側に並行させるルートに付け替え、浜寺駅前駅を浜寺公園駅の東に移設させることに決まったそうです。

 



鉄道コム

 

南海の浜寺公園駅は保存されますが、阪堺の浜寺駅前駅の駅舎は、さすがに保存されなさそうな気がします。
伊予鉄道の三津駅みたいに、このデザインを踏襲させた新駅舎を造るかもしれません。
110年前からある駅舎とはいえ、後にかなり補修されているでしょうから、開業当時の姿を新駅舎で再現するとか。……移転先のスペースに余裕があればですが。

 


もう日没までわずかな時間しかなさそうですが、浜寺公園にも少し立ち寄ることにしました。

 

奈良時代から高師浜という名で、白砂青松の景勝地として知られていたこの地。
明治初期、農地に転用させられそうになりますが、1873年(明治6年)にここを訪れた大久保利通が、松の木が伐採されて数を減らした状態を見て嘆き、伐採はストップ。同年、西洋に倣って公園を造る太政官布告が公布され、当地は日本初の公立公園の1つ、浜寺公園となりました。

 

1897年(明治30年)に南海の駅ができて以降、浜寺公園には海水浴場などの娯楽施設が作られ、人気の観光地となりました。

南海の浜寺公園駅は開業10年で、辰野金吾の設計した駅舎に建て替えられ(このとき駅名も「浜寺」から「浜寺公園」に改称)、その5年後には阪堺電軌も当地まで延伸。

海岸からやや遠いルートを通っていた阪和電気鉄道は、浜寺公園南部に近い東羽衣まで、わざわざ1駅だけの支線を建設しました。阪和電気鉄道のオーナーはその後、南海、国鉄、JR西日本と移り変わりますが、現在でもこの支線は健在で、頻繁に電車が通っています。

 

公園内には旅館や料亭も造られました。1900年(明治33年)、大阪に来た与謝野鉄幹は鳳晶子(後の与謝野晶子)と初めて出会い、翌日、この公園内にあった料亭で、2人そろって歌会に参加しています。

 

戦後はアメリカ軍に接収され、住宅が建てられました。
1958年(昭和33年)に返還され、海水浴場も営業を再開したものの、その後まもなく海岸が埋め立てられ、広大な工業地帯となりました。海水浴場は閉鎖され、代わりに園内にプールが造られています。

 


米軍住宅時代に減った松の木は、植林によって再び数を増やし、明治期の繁栄をほうふつとさせる景色が復活。

 


大きなバラ園もあります。もう閉まっていましたが、バラ園沿いの道からも、これだけ色鮮やかな花々を見ることができます。

 

浜寺公園

 


海岸に出ました。


細い水路を挟んだ対岸に、工場の煙突が立ち並びます。


夕焼けの美しさも見事なものでした。

 

白砂青松の景色からはすっかり様変わりしましたが、工業地帯の風景が再評価されるようになった今、浜寺公園は再び「夕景の名所」となっているようです。
私も地元が工業都市(北海道苫小牧市)なので、こういう景色には親しみを感じていて、しばらく眺めておりました。

「2023年リニューアル!浜寺公園噴水の虹色イルミネーション」に続く)

 

※『脱出ゲーム 香川県からの脱出』のヒット祈願で、ゲームの登場人物ゆかりの地を巡る旅は、以前にも何度か行なっています。よろしければこちらも御覧下さい。

 

(※関西・岡山ダイジェスト) 大津・建部大社と堺・大鳥大社(日本武尊)、神戸・須磨寺(尾崎放哉) 岡山・吉備津神社と吉備津彦神社(桃太郎) 安倍晴明神社と、あべのハルカス、道頓堀、特急ひのとり

 

 

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ゲームブック風アドベンチャーゲーム『脱出ゲーム 香川県からの脱出』はこちらから。


※これまでの「日本縦断紀行」はこちら。

 

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