マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

インフレ防衛のため、マンション管理組合も資産運用の見直しを!

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2月5日付けの日経新聞に、「マンション組合、資産運用に動く 物価上昇で修繕に懸念」と題した記事が掲載されていました。

 

<参考記事>

www.nikkei.com

本記事の要約は以下の通りです。

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◾️ 住宅金融支援機構が管理組合向けに発行する運用商品「マンションすまい・る債」の2024年度の応募数が前年度比で3割増となり、応募数は直近2年間で倍増している。

◾️その背景には、建築資材や人件費が高騰し、以前に見積もった修繕費用に基づく積立金では足りないという問題がある。また、国交省の調査によると、積立額が計画に比べて不足していると回答した管理組合は4割近くに上っている。

◾️ 国交省の23年度の調査(複数回答可)によると「すまい・る債」を購入する組合は全体の19%にとどまっている。 銀行の定期預金で運用しているのは35%で、普通預金や決済性預金に資金を預けているだけの組合も多い。

◾️ ただ、「すまい・る債」の24年度発行分の利回りは0.5%のため、昨今の物価上昇率には遠く及ばない。そのため、管理組合向けに融資型クラウドファンディング(CF)の運用商品を開発する金融機関も現れた。融資型CFは、投資家から集めた資金を企業に融資し、収益の一部を投資家に分配する金融商品で、予定利回りは年1〜3%程度だが、元本保証はない。

◾️ 管理組合は集めた積立金を目減りさせないことを非常に重視しているため、相対的にリスクの高い投資信託などには手を出しづらい。修繕の前に運用をやめて現金化しなければならない点も継続的な運用の難しさにつながっている。

◾️ マンション管理組合の積立金は2兆円規模とされる。まだまだ銀行預金として置かれているケースが多い積立金を安定運用する動きを活発化させるためには、専門的な知見を持つ金融機関のサポートや商品開発も重要になる。

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アベノミクスの金融超緩和策や日銀の「マイナス金利」政策の影響で、

銀行の預金は天文学的に低い水準の金利になりました。

 

そのため、管理組合ではペイオフ対策のため、金利が付かない代わりに預金全額が保護される「決済性預金」に切り替えるケースが増えていました。

 

新聞記事で紹介されている「マンションすまい・る債」は、実質国債と同程度の安全性があること、また、修繕が目的であれば10年債でもペナルティなしで中途解約が可能なので、使い勝手が良いと思います。

 

にもかかわらず、

いまだに2割程度の普及率にとどまっているのは、理事会をサポートしている管理会社のビジネス(利益)にならないうえに、面倒な事務手続きを任されるので、積極的に「すまい・る債」の購入を勧めないからでしょう。

 

また、購入申し込みには組合総会の決議が必要なうえ、住宅金融支援機構への申込み時期が例年4月から10月までの期間に限定されているため、総会の開催時期によっては前もって準備しておく必要があります。

 

高い利息と元本棄損リスクは裏腹の関係にありますから、まずは決済制預金になっているものがあれば、「すまい・る債」や定期預金に切り替えることをお勧めします。

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

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