【特別記事】2024年の「2つの里山」を歩いて(里山ガーデン&四季の森公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

最近、撮影日の1ヶ月後にようやく

記事をUPするようなケースが続いており

書いているこっちも正直寂しかったので(汗)

今回は思い切って今日(3/30)撮り立ての写真を軸に

先日スタートしたばかりの2024年の里山ガーデン

隣接する四季の森公園の様子をお届けします。

 

全体として春の開花期が遅れている今年ですが

来週末辺りにはサクラも含めてちょうど見頃に

なるかと思われますので。ぜひご参考にしていただければと思います。

 

 

 

 

 

こちらが2024年の里山ガーデン大花壇。

今春のテーマは「華やぎの丘」とのこと。

白色を多く使っていた昨年春とはまた異なり

まだ春早いこの時期でもカラーバリエーションが豊富で

王道の華やかさを追究しているなという印象です。

 

 

 

 

 

 

トップ写真にもある通りチューリップが目立ち、

中には原種に近いっぽい品種(左写真)も。

また、この時期はまだ他の人気の蜜源植物が

あまり咲いていないこともあったのかもしれませんが、

ミツバチやチョウなどが盛んにビオラで吸蜜していました。

(アリッサムもありましたが花の最盛期はやや過ぎていました)

 

 

 

 

 

ノースポールで吸蜜するキタテハ

いわゆる「春のチョウ」の中では

本種が今日一番よく見られた気がします。

 

 

 

 

 

草丈の高いリナリア(左)と、

低い位置を彩るビオラやネモフィラなどで

花風景に高低差をつけている大花壇。

俯瞰で見るとなかなか気づきにくいですが

近距離からだとこの立体感があることで

飽きることなく長期間観賞を楽しめます。

 

 

 

 

 

なお、数年前からシュラブや宿根草を植えた

植え替えを行わない(と思われる)ゾーンも設けられており、

そちらにはユキヤナギやグラス類、

そしてクリスマスローズの姿も見られました。

 

クリスマスローズは、ここまでの大株に成長するには

結構年月がかかるはず。土質が合っているのかもしれません。

 

 

 

 

 

入口近く。ガーデンベアの像も健在です。

 

 

 

 

 

キッチンカーや売店なども多数出ています。

このタコライスは個人的なお気に入りです。

(結構ボリュームもあります)

 

 

 

 

 

裏の、菜の花畑のある谷戸。

先週の寒さのせいか、それとも意図してのことか、

まだ菜の花が全くと言っていいほど咲いていません。

来週末くらいには伸びてきて開花するかも?

ただ、暖かくなってきたからか

菜の花を食草とするナガメの姿を多数見かけました。

 

左に見える山の方にはヤマザクラなども多いため

ドンピシャのタイミングで訪問すれば

高低両位置が花で彩られて結構見応えがあるはずです。

(湿地の部分は相変わらず何にも使っていないようですが……)

 

 

 

 

 

水路に目を向けてみると

昨年と同様にドジョウの姿が。

ほか、恐らくはアカガエルのものと思われる

オタマジャクシの姿も見かけました。

久々に駒形どぜう行きたくなってきた

 

 

 

 

 

石垣の上から咲いているイカリソウ

厳密には「トキワイカリソウ」というそうです。

 

大花壇の方はまだ見頃はこれからという印象でしたが

早春期ならではの面白さも色々とありましたので

満足して四季の森公園へと移動しました。↓

 

 

 

 

 

四季の森公園は、里山ガーデンと打って変わって

菜の花がちょうど見頃を迎えていました。

写真の手前やや左側にキタテハがいるのがわかりますか?

 

 

 

 

 

 

そのキタテハ(右)が多数飛び回っていたほか

ニホンミツバチ(左)も訪れていました。

 

なお、これは余談ですが、

菜の花から採れるハチミツは独特の癖があり

商品価値はあまり高くないそうです。

春に開花期を迎える蜜源植物としては

クローバーやサクラの蜜の方が人気だと聞きます。

 

 

 

 

 

別角度から撮影する、四季の森公園の菜の花畑。

後述のイベントが開催されていたからかもしれませんが

まだサクラの花数が少ないにも関わらず

例年より来園者の数が多かったように感じます。

 

 

 

 

 

 

まだ3月ということもありまして

キクザキイチゲ(左)やショウジョウバカマ(右)など

早春期の花がちゃんと残っていました。

 

講座の開催を予定している4月中旬ですと

この手の花はまず確認できません。

 

 

 

 

 

カタクリも複数開花株を確認しています。

でも、さすがに来週末は厳しいかも?

(今日でさえ終わりかけの花も多かったですし)

 

 

 

 

 

シュンランも咲き始めていました。

こちらは4月中旬まで残るかも?

 

四季の森公園というとキンランやエビネなどの

野生ランが春の代表種ですが、これらの花については

いずれも4月中~下旬に最盛期を迎えます。

今日は1株も咲いていませんでしたが、もちろん想定内。

講座当日であればちょうど見頃かなと想定しております。

 

 

 

 

 

カントウタンポポを訪れたビロードツリアブ

アブの方は春限定ということもあり

ようやく本番を迎えた春らしい1枚……かな?

このアブは園内各所で見かけましたが

カントウタンポポにつきましては

谷戸沿いの緩やかな斜面に群落を作り

固まって咲いていました。

 

 

 

 

 

もういっちょ、春の花を訪問。

アマナで吸蜜するビロードツリアブです。

 

先日の記事でもちらと触れましたが

アマナはかなり早い時期に咲く春の花。

ここで撮影したのはひょっとすると初めてかも?

(4月に入ったら基本的にほぼ見られないので)

 

 

 

 

 

久々に会った気がするトゲアリ

実は昨年秋の里山ガーデン開催時に来た時は

いつもいる場所に1匹もいなかったので

消えたかと少々心配していたのですが

復活していたようで何よりです。

 

一方、そんなアリを「狙う」存在も……?↓

 

 

 

 

 

トゲアリが確認できた樹木のすぐ近くに

ハエトリグモと思われる小さいクモが。

しかしこのクモ、サイズは1cmに満たないけれど

体色がメタリックで妙に美しい

 

後で調べてみましたところ

どうやらアオオビハエトリというらしく

主にアリを捕食するハエトリグモの仲間なのだそうです

なぜ名前に反しアリを狙うのか?というかこの系統はなぜハエを捕らないのか?

 

遭遇率・・・3 (普通種とのこと)

インパクト・・・1 (捕食対象のアリとほぼ同サイズ?)

美しさ・・・4 (控えめながら上品な美しさ)

俊敏性・・・4 (網を張らずに素早く動き回る)

知名度・・・2 (Wikipediaに単独ページを持つ)

 

 

 

 

 

別の個体を、可能な限りクローズアップ。

光の当たり具合の関係で写りはイマイチですが

美麗種であることはよくわかるはず。

なお、上記のWikipediaの固有ページにも

「美しい種」とトップの行に明記されています。

 

本ブログでは長いことハエトリグモについては

「ハエトリグモの一種」という表記で

半ば誤魔化してきたわけですが(爆)

そろそろちゃんと個々に識別するようにしたいところです。

まあ、このくらい綺麗でないとあんま識別意欲がわかないんスけど

 

 

 

 

 

カワセミも健在でした。

これは求愛……ではなく

親から子へ魚を与えているところか?

(右の個体はメスではなさそうだったので)

 

池のすぐ近くで下記のイベントを開催していて

結構賑やかだった気もするのですが

カワセミの方は今更あまり気にしていなかった様子。

同じ池で、一方にはカワセミ待機組がカメラを構えて集結し

もう一方にはキッチンカーやテントが多数出ているという

ちょっと不思議な光景がありました。

 

 

 

 

 

最後になりましたが、ちょうどこのように

四季の森公園でマルシェイベントが開催されており、

横浜市内で生産された農産物やその加工品などが

色々と展開され、キッチンカーも出店していました。

ここの広場がこうしたイベント会場として使われているのは

何気に私も初めて見たような気がします。

どうやら年に4回開催されているらしく

次回開催は5月12日とチラシに書かれていました。

 

以上となります。今日・明日と暖かさが続き

ここ一週間停滞していた開花が一気に進むと思われますので

想定では来週末あたりが里山ガーデン・四季の森公園共に

ひとつのピークを迎えるような気がします。

もし興味をお持ちいただけましたら

時間に余裕をもって、ガーデンと公園の

両方を巡り歩いていただければ幸いです。

 

 

 

 

 

【3/30 里山ガーデン&四季の森公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・カルガモ、カワウ、カワセミ、キジバト、ツバメ、ヒヨドリ、ヤマガラ

昆虫類・・・アオオビハエトリ、アオクサカメムシ、アメンボ、キタテハ、キリギリスの仲間の幼虫、セイヨウミツバチ、ツマグロオオヨコバイ、トゲアリ、トゲヒシバッタ、ナガメ、ニホンミツバチ、ハナグモ、ビロードツリアブ、ベニシジミ、ヨコヅナサシガメ、ルリタテハ

その他・・・アカミミガメ、ドジョウ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年4月21日(日)に開催いたします。

 行先は「里山ガーデン&四季の森公園(9:30~15:30)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。