今回は、タイトルにもあるように、オープンソースに関心のあるエンジニアにとっては、驚いたニュースが出てきましたので、情報共有を目的とし、私見を交えてお伝えをさせていただこうと思います。


そもそもOSDNとは?
「OSDN」(Open Source Development Network)は、2002年に設立された日本のオープンソースソフトウェアのホスティングサービスです。元々はアメリカの「SourceForge.net」の日本語版サイト「SourceForge.JP」としてスタートしましたが、2015年に「SourceForge.net」が開発者に無断でアプリをバンドルして収益化を図る事件が発生し、独立した「OSDN.jp」(のちに「OSDN.net」へ)として分離されました。


なぜ中国が、日本のOSDNを買収するに至ったのか?
中国の開発者向けにオープンソースに関連した話題やソフトウェア情報を提供していた「开源中国 (OSCHINA)」は、2008年に設立されました。彼らは「OSDN」を買収し、コードホスティングとDevOpsのプラットフォームとしての役割を果たす「Gitee」を開始しました。この買収により、中国企業は日本のオープンソースコミュニティに参入し、技術的なリソースとノウハウを活用できるようになりました。

 

 

日本のオープソースに関する開発関連についての影響
「OSDN」の買収による影響は以下の7つの項目で概要を説明します。

・プロジェクトホスティングの安定性
「OSDN」の接続が不安定な状態が続いており、中国企業による買収後も改善されていない。よって、日本のオープンソースプロジェクトのホスティングに影響を及ぼす可能性があります。


・コミュニティの信頼性
「OSDN」は日本のオープンソースコミュニティにとって重要な存在であり、その信頼性が低下することで開発者やプロジェクトに影響を与える可能性があります。


・プロジェクトの移行
「OSDN」でホストされているプロジェクトは、他のプラットフォーム(例:GitHub)に移行することで影響を軽減できるかもしれません。

・開発者コミュニティの結束
「OSDN」の変化に対する開発者コミュニティの結束が重要です。情報共有や協力を促進する取り組みが求められます。

・日本のオープンソースエコシステムへの影響
 「OSDN」の将来の運営方針やサービス提供によって、日本のオープンソースエコシステム全体に影響が及ぶ可能性があります。
以下はその詳細です。

・プロジェクトの成長と支援

中国企業による買収により、日本のオープンソースプロジェクトの成長と支援が期待されます。 新たなリソースや技術的なサポートが提供されることで、プロジェクトの発展が促進されるでしょう。
 

・国際的な協力と交流

「OSDN」の中国企業による運営は、日本と中国のオープンソースコミュニティの協力と交流を促進する機会となります。両国の開発者が知識やアイデアを共有し、相互に学び合う場を提供できるでしょう。


・セキュリティとプライバシー

中国企業による運営は、セキュリティとプライバシーに対する懸念を引き起こす可能性があります。ユーザーのデータ保護やプロジェクトのセキュリティ対策に十分な配慮が必要です。
 

 

OSDNの買収にあたってのメリットとデメリット
[メリット]
・資金とリソースの注入

中国企業による買収により、OSDNは新たな資金とリソースを得ることができます。これにより、サービスの改善や新しい機能の開発が可能となります。
 

・国際的な展開

中国企業の運営により、OSDNは国際的な展開を図る機会を得ます。中国市場へのアクセスやグローバルな開発者コミュニティとの連携が期待されます。
 

[デメリット]
・信頼性とプライバシーの懸念

中国企業による運営は、ユーザーの信頼性やプライバシーに対する懸念を引き起こす可能性があります。透明性とセキュリティ対策の強化が求められます。
 

・文化的な違い

日本と中国の文化的な違いにより、運営方針やコミュニケーションの課題が生じる可能性があります。

 

 

総括
日本のオープンソースコミュニティにとって、「OSDN」の買収は大きな変化です。運営者、開発者、ユーザーが協力して、オープンソースの精神を守りながら、新たな展開と持続可能性を追求していくことが重要です。

中国企業による買収により、「OSDN」は資金とリソースの注入を受け、国際的な展開の機会を得ました。一方で、信頼性やプライバシーの懸念、文化的な違いなども考慮する必要があります。

今後の「OSDN」の将来は不透明ですが、運営者とコミュニティが協力して、オープンソースプロジェクトの発展と持続可能性を追求していくことが求められています。

ともあれ、今回の買収が、今後の日本のオープンソースコミュニティにとって有益であることを願っています。

とりあえず、いつものコーヒーを飲みながら、まったりしたいと思います。