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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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狡猾なサリバとホワイト、必死だったラヤ…現地記者が注目するアーセナルの裏ワザ&好プレー!

チェルシー戦は5-0、トッテナム戦は2-3。2つのロンドンダービーをトータル8ゴールで制したアーセナルですが、3ゴール1アシストのカイ・ハヴェルツに負けず劣らず、後方の選手たちが話題になっています。ひとりは、4ゴールに絡んだベン・ホワイト。チェルシー戦で2ゴールを決めたSBは、スパーズ戦のCKからの2ゴールでは「影のアシスト」が注目を浴びています。

15分の先制ゴールは、ホイビュルクと競り合ってオウンゴールを誘発した冨安健洋より、サカが蹴る直前のベン・ホワイトの右手がフォーカスされました。GKヴィカーリオに後ろから密着したSBは、グローブのストラップを緩めようとしたのです。振り払ったスパーズの守護神は、3点めを喫した38分のCKでも、背後の4番が仕掛けるトラップを警戒していました。

カイ・ハヴェルツが完璧なヘッダーを決めたこのシーンでは、デクラン・ライスが蹴る寸前にヴィカーリオの前に出て、腰をぶつけて飛び出しを防いでいます。プレミアリーグで歴代最多タイとなるCKからの16発は、プレースキックとシュートの質だけで積み上げた数字ではありません。犯行中も表情を変えない4番は、「プレイはグレーでハートはブラック」ともいわれています。

チェルシー戦の2点めのショートコーナーでも、DFの怪しい動きがあったのをご存じでしょうか。サカがウーデゴーアに預けてリターンをもらったとき、ニアにいたその男はマーカーと一緒にファーに流れていきました。サカの落としを受けたデクラン・ライスのシュートがコナー・ギャラガーに当たり、こぼれ球をベン・ホワイトが押し込むまで、2人は抱き合ったままでした。

エンソ・フェルナンデスを押さえつけていたのは、ウィリアム・サリバ。横からの映像を見ると、彼の狙いがよくわかります。チェルシーの8番がそこにいることで、デクラン・ライスが打つ瞬間に右に流れたベン・ホワイトはオフサイドを免れました。この動きも、セットピースのコーチを務めるニコラス・ジョバーの入れ知恵でしょうか。

3人めの注目プレーヤーは、ノースロンドンダービーでやらかしたダヴィド・ラヤです。0-3でリードしていた64分、サリバのバックパスを足元に収めたGKは、チップキックをうまく浮かせず、ロメロに胸でトラップされてしまいました。このミスキックは、上がっていたCBの頭越しにトーマスに通すという発想に無理があったと評すべきでしょう。

ホームチームを元気にした失点は、グーナーの非難の的となりましたが、昨季プレミアリーグでセーブ率No.1のスペイン人は、ラスト10分からの放り込みを不発に終わらせました。10本のクロスのうち、5本をキャッチ。クロスを止めた率を見ると、ラヤの12%は今季プレミアリーグでTOPです。レギュラーGKの平均は6.6%で、昨季のラムズデールは5.8%に留まっています。

ベン・ホワイトのトリッキーなパフォーマンスを「dark arts(知られざる技)」と表現した「テレグラフ」のサム・ディーン記者は、ラヤのハイクロスへの対応を「mastery of the air shows(熟練の空中ショー)」という言い回しで称えています。狡猾になった最終ラインとプレーエリアが広いGK。これもまた、アーセナルの進化といえるのでしょう。


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“狡猾なサリバとホワイト、必死だったラヤ…現地記者が注目するアーセナルの裏ワザ&好プレー!” への1件のコメント

  1. ken より:

    グローブのストラップを緩めるのはありなんでしょうか?昨今なんでも映像で確認されてしまいますから、、

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