ゆうべ見た映画

ゆうべ見た映画

懐かしい映画のブログです。
ときどき、「懐かしの銀幕スター」「読書」など
そして「ちょっと休憩」など 入れてます。

 

木下恵介監督
 

『惜春鳥 せきしゅんちょう』

 

古い古い映画です

1959年、ジャスミンだってまだ12歳の頃ですもん

 

でも この映画を好きな方は多いと思う

木下恵介監督・青春映画の金字塔と

ジャスミンも思う

 

物語も良いのですが

また 私にとっての思い出は 亡くなった母が

この映画の主題歌を よく歌っていたことです

 

若山彰さんの歌った『惜春鳥』

 

♪流れる雲よ 朝空に 朝空に

 輝く遠き 山々よ 山々よ

 若き命の喜びを 知るや大空 晴れ渡り

 嗚呼、青春の花咲けば

 どこかで鳥が鳴いている 

 

この美しい詩は木下監督

今は私が よく歌ってます~♪

     黄色い花

福島の会津若松市を舞台に

成長していく 5人の青年たちの 友情を描いています

 

牧田(津川雅彦)

 

馬杉(山本豊三)

 

峯村(小坂一也)

 

手代木(石濱朗)

 

岩垣(川津祐介)

 

お話は 俳優さんのお名前のまま いきますね


この町の有力者の援助で 東京の大学に通っていた 
川津祐介さんが 帰郷したのを機会に

高校時代、仲の良かった4人は


早速その夜、宴会を開いて旧交を温める

ここに飛び入り参加する 芸者の有馬稲子さん

稲子さんは 皆にせがまれて 得意の白虎隊を踊る

 

このシーンの 有馬稲子さんが

イキが良くて ちょっと蓮っ葉で 可愛いんです


彼女は 

津川さんの叔父の 佐田啓二さんと
以前、東京に駆け落ちし 連れ戻されたという過去があった


その佐田さんは 今はこの地で 

胸を病み 希望を失くしている

さて翌日、飯盛山に登った5人は 

白虎隊の墓前に詣でると 白虎刀を買い

 

脚の悪い山本豊三さんの詩吟で 剣舞を舞う

舞いながら 彼らの脳裏に浮かぶのは


高校時代 他の仲間たちと共に
墓前祭で 奉納剣舞を披露した時のことだ


♪~南 鶴ヶ城を望めば 砲煙あがる~ 

このシーンが とても素晴らしいのは

 


奉納剣舞で舞う 高校時代の彼らの姿と
現在の彼らの働いている姿が オーバーラップするところだ



豊三さんは 実家で会津塗りを手伝い

 


小坂さんも 実家の旅館で板前修業



石浜さんは工員で 今は労働闘争の真っ只中

 


津川さんは

母親の経営するスナックで シェーカーを振っている

ひととき、

昔の良き思い出に 浸たる彼らだったが

 

現在の彼らは それぞれの境遇の違いから

考え方も 感情も ひとつにはなれず

小さな諍いが 生まれたりする


そしてやがて 川津裕介さんの今回の帰郷が 
東京で犯した 詐欺犯罪から逃亡するための 

資金作りであることが露見し 

そのことを きっかけにして
彼らの友情は 崩壊して行く

そして 佐田さんと有馬さんの恋は・・



病床の佐田さんが 東京に駆け落ちした頃の 

有馬さんとの思い出を語るシーン


「思い出すよ、狭い汚いアパートで
 あいつはハタキを持って 白虎隊を踊った
 金が無くて 朝から何も食べてなかったんで
 あいつはわざと 元気に踊ったんだ」

         黄色い花

 

まず昭和30年代の 

懐かしい会津若松の 温泉旅館やカフェといった町並みや

美しい自然の風景に 目を奪われます

この土地にご縁のある方なら いっそう胸に沁みるでしょう

 

そして この5人の 若い俳優さんたちが

声を揃えて詩吟を謡い 

剣舞を舞う 長いシーンもとても見事

 

ふだん、馴染みの無い 詩吟や剣舞ですが

いいもんだなあ~と 聴き入ってしまいました

 

         黄色い花

 

この作品は当時から 

「ゲイ・フィルム」として 論じられることがあったそうです

 

確かに 手を握り 見つめ合う・・といった愛情表現が多く 

ホモセクシュアルの木下監督らしい作品と言えます

 

でも若い青年の心情が 嫌味なく伝わって来ました

 

 

 

 

とにかく この5人の美男俳優さんたちは

当時、木下監督の 大のお気に入り 

だったのではないかと思われましたよ

 

 

撮影合い間?