皆さんこんにちは。今日もご覧いただきありがとうございます✨

今日は認知症の方が行う数ある問題行動の中で、実際最近職場で困っているご利用者が音を立てる行為について考えて行きたいと思います。

この方は女性の方なのですが、何か暇な時間ができると無意識にトントンと指で机を叩いて、リズムをとってしまいます。これが昔からの癖なのか、もしくは認知症による行動なのかは分かりかねるのですが、それはそれは結構な頻度で繰り返されるので、困ってしまっています。

指でトントン机を叩くぐらい大したことではないと思いますよね〜

もちろんこの方一人であったり、騒がしい状況であれば、それほど問題ないことだとは思いますが、どんな状況下であってもこの行為が繰り広げらるので、周りの方からのクレームとなってしまうのです。

以前の「認知症の方の好き嫌い」でお話しした通り、認知症の方はとても敏感で繊細な方が多く、ちょっとした音にも敏感に反応して怒り出してしまうのです。そのため、職員もどうしたら音を立てないでいてもらえるかいろいろ考えて試してみました。

ただ厄介なのが無意識で行なっていることと、直接ご本人に周りの人が怒っているのでやめた方がいいですよと言ったところでもちろん治るはずもありません。それどころか、周りの方(認知症の方)が怒って直接文句を言ったりすると、とても気の強い方なので言い合いになったり、最初はトントンだったのがバンバンとめちゃくちゃ強く叩き出してしまったりとよりエスカレートしてしまうのです。始まりは無意識でも、意識してしまうともうわざと行い、嫌がらせの様になってしまうのです…

なので、いかに意識させずにスムーズにトントンをしないでいてもらうかが大事になりますが、これがまたなかなかどうして難しいのです。

もしくは周りの方に気にしないでもらえればいいのですが、いつもならすぐ忘れてしまうはずなのに、この方がトントンするとものすごい速さで周りの皆さん反応されて、完全にインプットされてしまっているのです。やはり嫌な気持ちや嫌な感情は、強く心に刻まれているようです。

そのため結局は、トントンされるご利用者を止めなければいけないのですが、ちょっとした空き時間があると始まってしまうので、空き時間を作らないようにする必要があります。ただ認知症の方はなかなか集中することができず、集中力も続きません。

その方の興味がありそうなことをいろいろ試してみました。

塗り絵を提供してみたり、計算問題、ちょっとしたパズル、折り紙、手の運動の器具、雑誌、漫画など、手を替え品を替え試してみましたが、どれも最初の数分は取り組んでもらえてもすぐまたトントンが始まってしまいます。

そばに職員がいて、一緒にお話ししたり、一緒に塗り絵でも色を指定しながら進めていれば、問題ないのですが、限られた職員の中で、一人の方にマンツーマンでずっと対応することは不可能です。

そして色々試した結果、ついにその方に適した対策が見つかりました。

それは洗濯物たたみでした。そんなことかと言われてしまうかもしれませんが、本当にいろいろなことを試してもすぐ飽きて長続きすることなくトントンが始まってしまうのに、洗濯物たたみだけが一人で黙々と綺麗にたたんでくださります。幸いなことに施設なので、お風呂で使用したタオルなどの洗濯物は豊富にあるので、たたんでもらえるとこちらも助かりますし、ご利用者も積極的に行なってくれますし、周りの方もトントン音に過敏に反応することなく穏やかに過ごしていただけるので、win-winな結果となりました。

この方はたまたま洗濯物たたみでしたが、皆さん性格も文化も、習慣も違うでしょうから、得意不得意、好き嫌い様々です。ですから、いろいろなことを試してみることで、うまくマッチすることがあるかもしれませんので、是非チャレンジしてみてくださいね!

ただ、この方も無意識でトントンしてしまうのですが、先ほど述べた様に職員がそばにいて、一緒にお話ししていればその様な行動は取らないので、もしかしたらこの行動はこの方の寂しさを表しているのかもしれませんね…

なかなかお一人だけに時間をとるのは難しいことですが、なるべく一緒にお話しできる様に気にかけて、穏やかに過ごしていただけたらなぁ〜と思っています。

今日も最後までご覧いただきありがとうございます。また次回お会いしましょう!