横浜生まれ、横浜育ち、週末のレジャーは家族と海遊び

紅海に行ってまでダイビングライセンスを取ったにも関わらず

帰国してから「海」を封印していた理由のひとつが

大抵の人間関係の中で
「あなたとご飯を食べるよりも、一人で海で遊んでた方が数倍楽しいわ」
と言う状態になってしまうから。


高級なミシュランディナーやバーをはしごするよりも
本当は波や太陽を眺めていた方が何倍も楽しい。

 

二日酔いも、乗り物酔いもしたことないけど
耐え難い言語酔いはあるから、一人旅が好き

くだらないお喋りはただのノイズ。

昨年、人間関係の断捨離をした理由もそれで
夏に入ってから9割方のお誘いを断って
「一緒に海に行ってもいいよ」って人とだけ
ビーチクリーンや青空マッサージをしてる。

 

帰国してから錆び付いていた心がちょっとだけ、自分に素直になれました。



リトリートツアーの時、全員が同じ黒のウェットスーツと水中眼鏡をレンタルしたので

数メートルも離れると誰が誰だか分からなくなった。

 

同じ船に乗り合わせた人は老若男女、

大きなカメラを構えてイルカを追い回しているおじさま集団に船の上で

「いやー、なかなか撮らせてもらえませんね」と話しかけられた時、思わず苦笑してしまった。

だって船の向こう側で、イルカの群れは私たちの方だけに「遊ぼう」と寄ってきていたから。

 

水中でイルカは人をどう見分けているのか?
色形香り、顔表情声ではないはずね。

おじさま達が必死にイルカの尻尾を撮影している間

ぷかーっと海に浮いていたら「キュンキュン」と警戒音のような鳴き声が水中から声が聞こえた

まるで「見てて」とでも言いたげな声


「イルカの声がしたら、その場で360度くるくるしてみて」とドルフィンマイスターに習ったので
下を向いたら子供連れの親子イルカが私の真下をすーっと泳いで行った。

 

おじさま側には若いイルカの群れがすごいスピードで泳いで行き

あれは親子イルカから目を逸らさせるためのおとりだったんだと船に上がってから気付いた。


あの声はきっと「見てて」じゃなくて「見守ってて」
「追いかけないで」「そこに居て」だった。

 

「無事に通過できるまで見守ってるよ」「赤ちゃんと一緒に元気でね」と心の中で語りかけながら

息ひとつ吐けなかった、そんな一瞬が永遠にも感じられる静謐な時間。

そんな瞬間に立ち会えたことが、身をもって体験できたことが、私の心の中の宝物です。