午前10時半より、当山本堂にて、ご夫妻の生前戒名授戒会を執り行った。
他にご子息夫妻が証明のために立ち会った。
三礼、如来唄を唱えた。塗香、護身法、加持香水、洒水をして、錫杖経を副住職が唱えた。
一打一洒して散杖を受戒者の頭頂部に当てた。
懺悔の文、三帰依文、三竟の文、のあと、正しき信仰生活を送る日々の指針として十善戒を授けた。
次第には「次に正しき信仰生活を送る日々の指針として十善戒を授く。」と書いてあるが、実際は「次に、仏教徒として正しき信仰生活を送る日々の指針としての十善戒をお授け致します」口語体で語り掛けるようにして話した。
弟子某甲 尽未來際 不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、不悪口、不両舌、不慳貪、不瞋恚、不邪見、
一の不殺生(ふせっしょう)とは生き物の命をとらぬばかりでなく、すすんで物の命を活かすという戒めです。
二つの不偸盗(ふちゅうとう)とは、他人の与えないものをとらぬという戒めです。
三つの不邪淫(ふじゃいん)とは、男女の間の関係を正しく保つという戒めです。
四つの不妄語(ふもうご)とは、人をあざむく嘘をつかないという戒めです。
五つの不綺語(ふきご)とは、綺麗ごとを並べて人を惑わさないという戒めです。
六つの不悪口(ふあっく)とは人をあなどり、辱める悪口をいわないという戒めです。
七つの不両舌(ふりょうぜつ)とは双方へ、それぞれ言うことを異にして仲を破るなという戒めです。
八つの不慳貪(ふけんどん)とは、みだりに名誉・地位・財産をむさぼらぬという戒めです。
九の不瞋恚(ふしんに)とは、耐え忍んで決して怒らないという戒めです。
十の不邪見(ふじゃけん)とは、因果の道理を無視する誤った見方で世の中を渡ることはしないという戒めです。
以上、十の戒めを守るために精進努力し続けることが、真の信仰生活に入ることです。このことを、生涯かけて忘れないで下さい。
OOOO居士(OOOO大姉)、この戒名は、信仰生活の支えとして、良き人生を歩まれることを願って授けるものです。
真言をいくつか授けて、その意味合いを伝えた。サンスクリット語の真言は、仏さまの言葉として訳さないで受け止める。訳すと、通訳者の気持ちが入るので、仏さまの言葉、真実の言葉、真言そのままを受け止める。
「われ菩提心を発す」という意味の真言。「オンボウジシッタ ボダハダヤミ」
「われ佛と平等なり」との真言「オン サンマヤ サトバン」
宝号を、私に従って唱えてください。
「南無大師遍照金剛」三返
戒名の部分を朱字で書いた戒名の證と共に記念品(茶香炉・乾電池式LEDローソク・
両口屋の和三盆糖干菓子)を贈った。