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紀伊国屋書店のウエブサイトで今年も双葉社のフタスぺが始まっています。 2月26日までの限定で、対象のタイトルが半額となっています。 弊著の「あすなろ道中事件帖」も「悪女のゆめ」「銀色の猫」「新月の夜」の三部作が半額の対象となっております。 この小説は若き日の十返舎一九を描いたものです。 一九の幼少期は、自ら話をほとんどしなかったのでよくわかっていないのですが、早い時期に小田切土佐守直年の下に仕えています。 土佐守は、大坂町奉行を経て、町奉行に就任するのですが、大坂にいる時期に一九は材木商に入り婿して、武士の身分を捨てています。 しかし、戯作家になる夢は断ちがたく、ひとり江戸に修行に出ます。 その後、蔦屋重三郎の食客となり、戯作の絵などを描くようになるのですが、それまでの一九は無職で収入もなかったので、町奉行に出世した土佐守の援助を受けていたのではないかと思われます。 「あすなろ道中事件帖」はそのころの一九の姿を描いた小説です。 定職も持たず、金も妻子もなく、夢だけを持っていた一九は悶々とした日々を送っていたに違いないのですが、人として魅力を感じます。 時代小説は読まない、といった人にも読んでいただけるような一九の成長譚となっておりますので、この機会にぜひお読みくだされば幸いです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.02.15 19:00:06
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