MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

MEDINTも成人式です

2023-01-15 00:09:35 | 通訳者のつぶやき
医療通訳研究会(MEDINT)は2002年10月に活動を開始しました。

昨年、2022年はちょうど20周年に当たります。

コロナ禍で医療関係や外国人支援者のみなさんも
まだまだ安心できないなかで、お祝いムードとはいかなかったのですが、
とりあえず、会員さんたちと2つの記念行事を行いました。

ひとつは、MEDINT設立当初から、ずっとご支援いただいている
AMDAひょうごさんとのコラボ企画で、「医療通訳者のための災害支援研修」です。
これは、被災地支援のエキスパートの先生方に研修をお願いして、
南海トラフの際に、被災地にWifiを持ち込めると想定して、
避難所や生活復興時の通訳を被災しなかった地域の医療通訳者が行うために必要な知識を学ぶものです。

MEDINTの会員さんは、集合研修だった頃は関西中心だったのですが、
コロナ禍でZOOMでの研修が中心になってからは、
関東や東海、四国などからも参加があります。
ですので、動ける通訳さんが、被災地にいくのではなく、
ご自分の住んでいる地域から遠隔で通訳支援できるように
避難所の運営や通訳機材に慣れていただくことを目的としています。
今後は、実際にシュミレーション訓練なども行えればと思っています。

もうひとつは、会員表彰です。
20年はあっという間でしたが、やはり大変でした。
でも、続けてこれたのは、スタッフの力とともに
支え続けてくださった会員の方々のお陰です。
今回は、会員制度が始まった2005年に会員になってくださり、
現在も会員として参加し続けてくださっている3名の方々を
表彰させてもらいました。

20年前を考えると医療通訳の環境は大きく変わりました。
医療通訳には報酬が必要であることや
通訳者にも研修やサポートが必要であることにも異論はないと思います。
「冷蔵庫を買ってお金を払わないのは泥棒なのに、
見えないからと言って通訳を使ってお金を払わないのは泥棒ではないのですか」と
言っていた頃が随分昔のような気がします。

大きな都市や集住都市の問題だと思われていた医療通訳も
平成の30年間で約3倍に増えた外国人住民が日本各地で生活する中で、
他所の問題ではなくなってきたのがこれからの課題だと思います。

いろんな専門職の皆さんを巻き込んで
「病気になったときくらい、安心して母語で医療を受けられる社会」の第2章が始まります。


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