特殊清掃「戦う男たち」

自殺・孤独死・事故死・殺人・焼死・溺死・ 飛び込み・・・遺体処置から特殊清掃・撤去・遺品処理・整理まで施行する男たち

助けて!クラシア~ン!

2024-04-25 20:34:16 | 特殊清掃
  • 古い小さな一戸建て。故人はトイレでなくなって腐乱していた。用を足していた最中なのか、その前なのか、その後なのか・・・考えても仕方がないことだが、考えてしまった。

床は腐敗液でベトベト・ヌルヌル、大量のウジが這い回っていた。
床の汚染はある程度拭き取って、クロスを剥がして完了(簡単なようで難しい)。
そして、問題が便器。便器自体の汚染も根気強く拭けば何とかなったが、一番往生したのがその詰まり。

腐敗が進み液化した人肉・脂肪等が便器内にタップリ溜まっていたと思われ、今度は、更に時間が経過したため、それが乾燥して凝固し、トイレが完全に詰まっていたのである。
糞尿で詰まることはあっても、人間そのものだったもので詰まるなんて・・・。
素人の方にも分かりやすく表現すると、茶色で固めのとてもクサーイ!粘土が、便器の奥から半分位までギュウギュウに詰められているような状態である。
まず、その塊を少しずつ除去。
機材の届く奥まで除去できたので「ヨッシャ!これで流れるぞ!」と勢い込んで水洗レバーを引いた。それが失敗だった。
トイレの詰まりは解消されてなく、流れでた水洗タンクの水は便器からオーバーフロー。

しかも!その水ときたら、黒緑色の腐った水(当然、臭い!)で、たくさんのウジも一緒にでてきた。タンク内の水を事前に確認する基本的なことを忘れてしまっていた。
タンクの水がなくなるまで汚水は流れ続け、私はなす術もなく呆然と見ているしかなかった。思わず、心の中で「助けて!クラシア~ン。」と呼んだ。
ただの詰まりとは違うけど、トイレの詰まりには違いないから、クラシアンなら「トイレのトラブル8000円」でやるのだろうか(やるはずないか)。

その後の作業をどうしたかは、この場では省略。ユニフォームを汚しながらも、頑張って綺麗にして遺族も喜んでくれた。もちろん、トイレの詰まりも解消。


トラックバック 2006/05/25 投稿分より

-1989年設立―
特殊清掃専門会社
ヒューマンケア株式会社
0120-74-4949



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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
助けて!クラシア~ン (tomo)
2006-05-25 11:49:57
 遺体も見方次第ですね。恐いとか気持ち悪いよりも人という物質が変化したって感じが少し解った気がします。

 知らない世界を垣間見ることが出来、すごく面白いです。 仕事柄怪我や、感染等気を付けて下さ
 (Unknown)
2006-05-25 15:54:09
その便器は使ってるのかな?
水道屋 (OMARU)
2006-05-25 16:14:35
ご苦労さまです。うちに依頼があったらお願いしますね。
ちょ・・・ (Unknown)
2006-05-25 17:53:32
想像できるようで意外とできない・・・

なんですか。

茶色で固めのクサ~イ!粘土ってなんですか。

便器に詰まる人間ってなんなんですか。

助けてクラシアン!!!!!!!
Unknown (Unknown)
2006-05-25 19:31:28
KTPTでも同じ現場の写真見たことありますが・・・便器にやはり茶色い物体がタップリと・・・・・・予想と現実は桁外れですね・・・・・人間って腐敗し尽くすとそんな風になるんですか・・・・自分も便所で孤独死して腐乱して発見されるのだけは・・・されたくないな・・・・当然履いていたスリッパの中にも腐敗液が・・・・考えただけでも

寒気がしてきます・・・・・

そういえば。 (るーすけ)
2006-05-25 20:48:33
田舎に住んでいた頃、村の独り暮しのお年寄りが行方不明になり、その後汲み取り式トイレの便槽から発見されて大騒ぎになったことがありました。トイレに猫や幼児が落ちる事はたまにありましたが、大のおとなが通過するには便器の穴はかなり窮屈で、「いったいなぜ…?」と様々な憶測が飛び交ったものです。結局「事故」ということで決着し、近隣の家々は先を争うようにトイレを水洗化したのでした。…関係なくてごめんなさい
Unknown (Unknown)
2006-05-30 20:31:24
不覚にも「助けてクラシアーン!」で笑ってしまいました。

自分は死ぬときは綺麗に死にたいと思いました…
助けて!クラシアン(苦笑) (nana)
2006-05-31 06:18:50
お疲れ様です^^。

ユーモア精神たっぷりの方のようですね。

お仕事頑張ってください。





Unknown (なお)
2006-06-10 10:07:38
私がこのブログを読み始めた、この日にコメントさせて頂きます。

私が今まで人の死に直面したのは、友人の交通事故死のみです。お通夜の際友人と対面しましたが、顔は綺麗なままでした。「顔だけでも綺麗で良かった」とみんな言っていましたが…、もし、違う状況だったら…。



何が言いたいのか自分でもよく分かりませんが、とにかく、人は様々な状況で亡くなる場合があることを、改めて知りました。私にはそういった状況と直面する機会が無いので、とても興味深くブログを読んでいます。

存在すら知らなかった仕事(失礼。)ですが、もっと広く認知され、尊敬されるべき仕事だと思います。

応援している方々は既にたくさんいらっしゃいますが、私もその一人ですので、心の片隅においといて下さいね。

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