鉱物採集をしてくると、
様々な状態の採集品がえられます。
産地やモノによっては、
クリーニングを考えることは多々あります。
「これ洗ったら(きれいになるかも!)」
そういう思いは、
誰にでも湧いてくるものです。・ω・
もっと石を綺麗にして、
観賞価値や標本価値を上げたいです。
極端な例で申し訳ありませんがー
例えばこのような、
水晶群晶をクリーニングしたいとします。
正しくは「群晶であろう」ものです。
いくつか綺麗な結晶が見えており、
大量の褐鉄鉱が降り積もっている感じです。
そうするとクリーニングの目標は。
この茶色いのをどかして、
綺麗な水晶を多く見せたい!となります。
今回はちょっと茶色を残すとか、
そのままが一番とかいう話はおいておきます。
あくまで全力で綺麗にすることを目標とします。
さてどうしたらよいでしょうか?
結論から言うと、
最初からイメージすることはできません。
石のクリーニングというのは、
数ある経験から導き出す必要があります。
この石の場合まず言えるのは、
一回の酸処理では絶対に全部は落ちないということです。
褐鉄鉱が分厚い場合は、
薬剤が奥まで浸透しないことが多いです。
かなり弱らせることはできますが、
全部剥がすほどの力は期待できません。
結局残った茶色が粉を吹いて、
かえって仕上がりは良くないです。
ただこれは仮に、
仮に上にのっているもの全部が褐鉄鉱だった場合のケースです。
他にも石の状態について可能性が考えられます。
①全部褐鉄鉱だった場合
②石英や他の金属が混じっている場合
③汚れの下の水晶がガサついている場合
④汚れの下の水晶がなかった場合
⑤基盤の石英が強固でなかった場合
⑥水晶との共生鉱物が見つかる場合
この石をクリーニングして、
綺麗な水晶を露出させたいのは山々ですが。
①〜⑥の可能性のことを考えると、
むやみに酸処理をしないほうがいいような気がしてきます。
そうでなくても酸処理を弱くするとか、
部分的に処理をしてバランスをとるとか。
なんらかの配慮が必要になります。
結局これは強力な酸処理をしてみて、
素晴らしい結果が得られるか?
この石の場合それは微妙なんですよね。(´・ω・`)
まあ仮に綺麗なクラスターが埋まっているとしても、
クリーニングを進めるにはかなりの手間と技術が必要になります。
やる場合はまず酸をしっかり浸透させて、
濡れて暖かい状態で弱った褐鉄鉱をピンで掘ります。
粗く掘ったあとはしばらく水に浸けて酸抜きをし。
また酸に浸けて浸透させ同じ工程。
落とせる汚れが無くなるまで繰り返します。
このサイズのクラスターに、
そこまで手がかけられますか?
というお話です。
今日は何が言いたいのか?というと。
クリーニングを進めていくと、
残念な結果を目撃することも多いということです。
自分なりにより立派な標本を目指して、
石を綺麗にするのがクリーニングなのですが。
石がそもそも綺麗じゃなかった…
という結果も当然あります。
また石がイメージと違った状態で、
クリーニングの仕方を間違えていた。
そんなこともあるわけです。
だからクリーニングはやる前に、
しっかりとイメージします。
まずどの石をクリーニングするべきか考えて選びます。
本当にその石はクリーニング必要ですか?
次にどんな状態にしたいのか?
理想像と目標を定めます。
じっくり観察して正しく石の状態を把握して。
適切な方法で処理をしていきます。
時には手間をかけ慎重に、
クリーニングを進める必要があります。
もしくはクリーニングをしない決断も。
「これ洗ったら(きれいになるかも!)」
そういう思いは、
誰にでも湧いてくるものです。・ω・
慣れてくると採集中に現地で、
ある程度クリーニングの目処が立つものですが。
まーじっさい
やっえみんとよーわからん!
ってやつもいっぱいあります。(。-ω-)zzz. . .