1989年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart11は、Rod Stewartの"My Heart Can't Tell You No"。最高位は4月1日付の第4位。年間チャートは50位。ロッド・スチュワート、70年代初めから数々の大ヒットを持っている偉大なスーパースターですが、Top5ヒットとなると、1981年の"Young Turks"以来、8年ぶりの大ヒットとなりました。
Rod Stewartですが、音楽活動を始めたのは60年代初めにさかのぼります、イギリスロンドン出身のロック・ミュージシャン、ヴォーカリスト。60年代から、ジェフ・ベック・グループのボーカリストとして、さらには、70年代初めにかけては、伝説のロックグループ「フェイセズ」のリードボーカルとしても活躍します。
70年代に入ると、「フェイセズ」の活動をしながらソロアルバムをリリース、ソロ3枚目のアルバム『Every Picture Tells a Story 』が大ヒットし、アメリカとイギリスの両国のアルバムチャートでNo.1を記録する快挙となりました。
シングルでも"Maggie May" がNo.1を記録、年間でも2位の特大のヒット。その後も、77年の年間チャートNo.1の"Tonight's the Night"に、79年の年間4位"Da Ya Think I'm Sexy?"の3曲のNo.1を含め、この曲までで23曲のTop40ヒットを記録します。
"My Heart Can't Tell You No"ですが、曲の作者は、いずれもソングライターのSimon ClimieとDennis Morganの共作。元々は、カントリー歌手向けに書かれた曲のようです。そう思って聞いてみると、曲はカントリーっぽいですよね。事実、2011年には、カントリー歌手Sara Evansがカバーし、カントリーチャートでヒットしました。
ロッド・スチュワートの15枚目のスタジオアルバムとなった『Out of Order』、この曲の最高位4位を筆頭に、Top20以内に入るシングルヒットが計4曲と、久々の大ヒットアルバムとなりました。
こちらがカントリー歌手サラ・エヴァンスバージョンの"My Heart Can't Tell You No"です。なかなか良いバージョンですよ。
1989年ビルボード Billboard All American Top40、1989年3月25日付、2位から上がって1位はMike + The Mechanicsの"The Living Years"。Mike + The Mechanicsですが、「Mike」とは、Genesis のオリジナルメンバーで、ベース&ギターを担当しているMike Rutherfordのこと、そのMike Rutherfordが主催するソロプロジェクト、初ヒットの"Silent Running"が6位を記録、この曲が4曲目のTop40ヒットで、2曲目のTop5ヒット、初のNo.1獲得です。
2位は6位からアップ、The Banglesの"Eternal Flame"。The Banglesですが、アメリカロサンジェルス出身の女性ロックグループ。初のヒットシングル"Manic Monday"が2位、この曲で7曲目のTop40ヒット、年間1位のメガヒット"Walk Like an Egyptian"を含め、この曲で4曲目のTop3ヒットです。
3位は4位からアップ、Milli Vanilliの"Girl You Know It's True"。Milli Vanilliですが、ドイツミュンヘン出身のR&Bデュオ、この曲がデビュー曲で3位まで上がってきました。
5位は7位からアップ、Rod Stewartの"My Heart Can't Tell Me No"。Rod Stewartですが、もちろん、皆さんご存じ、イギリススコットランド出身のロック・ミュージシャン、ヴォーカリスト。60年代から活躍し、77年の年間チャートNo.1の"Tonight's the Night"に、71年の年間2位の"Maggie May" 、79年の年間4位"Da Ya Think I'm Sexy?"の3曲のNo.1を含め、この曲で23曲目のTop40ヒットで7曲目のTop5ヒットです。
この週1位はMike + The Mechanicsの"The Living Years"。1位はこの1週間、年間チャートは31位。バンド初のNo.1となりました。
Mike + The Mechanicsですが、冒頭にも書きましたが、「Mike」とは、Genesis のオリジナルメンバーで、ベース&ギターを担当しているMike Rutherfordのこと、バンド「Genesis」ですが、1983年のアルバム『Genesis』の後、Phil Collins、Tony Banks、そしてMike Rutherfordの3人ともソロ活動に入ります。そのMike RutherfordのソロプロジェクトがMike + The Mechanicsです。
Mike + The Mechanicsですが、85年にファーストアルバム『Mike + The Mechanics』を発表、初ヒットで最高6位を記録した"Silent Running"をはじめ、3曲のTop40ヒットを記録、翌86年には、Genesisの活動に戻りアルバム『Invisible Touch』を発表、No.1を記録した"Invisible Touch" など、計5曲のTop5ヒットを記録します。
再びソロプロジェクトMike + The Mechanicsとして、88年にリリースされたセカンドアルバムが『Living Years』で、そこからのファーストシングルがこの曲"The Living Years"、曲の作者はソングライターのB. A. RobertsonとMike Rutherfordの共作。このコンビは、初のヒット"Silent Running"と同じです。
Mike + The Mechanicsには二人のリードボーカルがいて、そこがバンドの魅力となっています。"Silent Running"のリードボーカルがPaul Carrack、"All I Need Is A Miracle"がPaul Youngで、この"The Living Years"のボーカルはPaul Carrackが担当しています。"All I Need Is A Miracle"はこちらをご覧ください→→→
"The Living Years"ですが、曲が素晴らしいのはもちろんのこと、ポール・キャラックの心にしみるボーカル、文句なしの名曲、名ロックバラードでした。
今週 先週 song / artist 1 2 THE LIVING YEARS / MIKE + THE MECHANICS 2 6 ETERNAL FLAME / BANGLES 3 4 GIRL YOU KNOW IT'S TRUE / MILLI VANILLI 4 8 THE LOOK / ROXETTE 5 7 MY HEART CAN'T TELL YOU NO / ROD STEWART 6 1 LOST IN YOUR EYES / DEBBIE GIBSON 7 14 SHE DRIVES ME CRAZY / FINE YOUNG CANNIBALS 8 12 WALK THE DINOSAUR / WAS (NOT WAS) 9 3 RONI / BOBBY BROWN 10 11 YOU'RE NOT ALONE / CHICAGO 11 5 PARADISE CITY / GUNS N' ROSES 12 13 DREAMIN' / VANESSA WILLIAMS 13 10 DON'T TELL ME LIES / BREATHE 14 19 STAND / R.E.M. 15 16 JUST BECAUSE / ANITA BAKER 16 20 YOU GOT IT / ROY ORBISON 17 22 SUPERWOMAN / KARYN WHITE 18 9 YOU GOT IT (THE RIGHT STUFF) / NEW KIDS ON THE BLOCK 19 15 I BEG YOUR PARDON / KON KAN 20 25 YOUR MAMA DON'T DANCE / POISON 21 23 MORE THAN YOU KNOW / MARTIKA 22 26 CRYIN' / VIXEN 23 17 STRAIGHT UP / PAULA ABDUL 24 29 HEAVEN HELP ME / DEON ESTUS 25 38 LIKE A PRAYER / MADONNA 26 31 FUNKY COLD MEDINA / TONE LOC 27 34 I'LL BE THERE FOR YOU / BON JOVI 28 32 SECOND CHANCE / 38 SPECIAL 29 18 SURRENDER TO ME(FROM "TEQUILA SUNRISE") / ANN WILSON & ROBIN ZANDER 30 33 ROOM TO MOVE / ANIMOTION 31 36 ROCKET / DEF LEPPARD 32 37 THINKING OF YOU / SA-FIRE 33 41 SINCERELY YOURS / SWEET SENSATION(WITH ROMEO J.D.) 34 21 THE LOVER IN ME / SHEENA EASTON 35 30 SHE WON'T TALK TO ME / LUTHER VANDROSS 36 39 ORINOCO FLOW (SAIL AWAY) / ENYA 37 24 THE LOVE IN YOUR EYES / EDDIE MONEY 38 27 WILD THING / TONE LOC 39 35 FEELS SO GOOD / VAN HALEN 40 46 ONE / METALLICA
1989年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart10は、Kon Kanの"I Beg Your Pardon (I Never Promised You a Rose Garden)"。最高位は3月11日付と18日付の第15位。年間チャートは圏外でした。
Kon Kanって何者?っていう存在ですが、カナダで結成されたシンセーポップユニット。カナダ人ミュージシャン、ソングライターのBarry Harrisが中心となって1980年代後半に結成、5年ほど活動し、3枚のアルバムを発表、母国カナダである程度の人気があったようですが、アメリカではデビューシングルのこの曲のみの1発屋でした。
この曲"I Beg Your Pardon "ですが、副題に(I Never Promised You a Rose Garden)が付いていますが、Lynn Andersonのカントリーヒット曲、1971年に最高位3位を記録した"Rose Garden"をサンプリングした曲です。
著名な曲をサンプリングする手法は、この後に流行りますが、この曲がそんな手法の走りのようです。この曲には、ちょっとだけですが、GQの"Disco Nights"や Silver Conventionの"Get Up and Boogie" も入っているそうです。GQはわかりませんでしたが、"Get Up and Boogie"の「That's Light!」はわかりました。
1989年ビルボード Billboard All American Top40、1989年3月18日付、3週目の1位はDebbie Gibsonの"Lost In Your Eyes"。Debbie Gibsonですが、アメリカの女性ボーカル、シンガーソングライター。デビューシングルの"Only in My Dreams"がいきなり最高位4位を記録、続いて出すシングルが大ヒットを続け、4枚目のシングル"Foolish Beat" が初のNo.1、この曲で、6曲目のTop40ヒットで、5曲目のTop5ヒット、2曲目のNo.1となりました。
2位は前週と変わらず2週目の2位、Mike + The Mechanicsの"The Living Years"。Mike + The Mechanicsですが、「Mike」とは、Genesis のオリジナルメンバーで、ベース&ギターを担当しているMike Rutherfordのこと、そのMike Rutherfordが主催するソロプロジェクト、初ヒットの"Silent Running"が6位を記録、この曲が4曲目のTop40ヒットで、2曲目のTop5ヒット、初のTop3入りです。
3位は4位からアップ、Bobby Brownの"Roni"。Bobby Brownですが、アメリカ・マサチューセッツ州出身のポップ、R&B歌手。1983年ニュー・エディションの一員としてデビュー、1986年にグループを脱退してソロ歌手に、初のシングルヒット"Don't Be Cruel" が最高位8位、"My Prerogative"がNo.1、この曲が3曲目のTop40ヒットで、2曲目のTop3ヒットです。
4位は7位からアップ、Milli Vanilliの"Girl You Know It's True"。Milli Vanilliですが、ドイツミュンヘン出身のR&Bデュオ、この曲がデビュー曲で4位まで上がってきました。
5位は前週と変わらず2週目の5位、Guns N' Rosesの"Paradise City"。Guns N' Rosesですが、アメリカのハードロック、ヘビーメタルバンド、デビューアルバム『Appetite for Destruction』から、初のTop40ヒット"Sweet Child O' Mine"がいきなりのNo.1、この曲が3曲目のTopp40ヒットで、2曲目のTop5ヒットです。
この週3週目の1位はDebbie Gibsonの"Lost In Your Eyes"。1位はこの3週間で、年間チャートは13位。Debbie Gibsonの最大のヒット曲になりました。
Debbie Gibsonですが、アメリカニューヨーク出身のシンガー・ソングライター。レコードデビューは1987年、1970年生まれですのでこの時まだ17歳ですね。ファーストアルバム『Out of the Blue』をリリース、そのアルバムからのファーストシングルの"Only in My Dreams"が、最高位4位を記録しました。
続くシングル"Shake Your Love" が4位、"Out of the Blue"が3位、そして4曲目のシングルの"Foolish Beat"でついにNo.1を記録、デビューアルバムから、4曲連続のTop5ヒットで、No.1まで記録、それもすべて自身の作詞・作曲、さらには、No.1の"Foolish Beat"は、自身でプロデュースも手掛ける、才能あふれるシンガー・ソングライターでした。
今週 先週 song / artist 1 1 LOST IN YOUR EYES / DEBBIE GIBSON 2 2 THE LIVING YEARS / MIKE + THE MECHANICS 3 4 RONI / BOBBY BROWN 4 7 GIRL YOU KNOW IT'S TRUE / MILLI VANILLI 5 5 PARADISE CITY / GUNS N' ROSES 6 11 ETERNAL FLAME / BANGLES 7 9 MY HEART CAN'T TELL YOU NO / ROD STEWART 8 13 THE LOOK / ROXETTE 9 3 YOU GOT IT (THE RIGHT STUFF) / NEW KIDS ON THE BLOCK 10 12 DON'T TELL ME LIES / BREATHE 11 16 YOU'RE NOT ALONE / CHICAGO 12 19 WALK THE DINOSAUR / WAS (NOT WAS) 13 18 DREAMIN' / VANESSA WILLIAMS 14 21 SHE DRIVES ME CRAZY / FINE YOUNG CANNIBALS 15 15 I BEG YOUR PARDON / KON KAN 16 20 JUST BECAUSE / ANITA BAKER 17 10 STRAIGHT UP / PAULA ABDUL 18 6 SURRENDER TO ME(FROM "TEQUILA SUNRISE") / ANN WILSON & ROBIN ZANDER 19 22 STAND / R.E.M. 20 25 YOU GOT IT / ROY ORBISON 21 8 THE LOVER IN ME / SHEENA EASTON 22 27 SUPERWOMAN / KARYN WHITE 23 28 MORE THAN YOU KNOW / MARTIKA 24 26 THE LOVE IN YOUR EYES / EDDIE MONEY 25 31 YOUR MAMA DON'T DANCE / POISON 26 29 CRYIN' / VIXEN 27 17 WILD THING / TONE LOC 28 14 WHAT I AM / EDIE BRICKELL & NEW BOHEMIANS 29 37 HEAVEN HELP ME / DEON ESTUS 30 35 SHE WON'T TALK TO ME / LUTHER VANDROSS 31 47 FUNKY COLD MEDINA / TONE LOC 32 38 SECOND CHANCE / 38 SPECIAL 33 40 ROOM TO MOVE / ANIMOTION 34 51 I'LL BE THERE FOR YOU / BON JOVI 35 36 FEELS SO GOOD / VAN HALEN 36 46 ROCKET / DEF LEPPARD 37 42 THINKING OF YOU / SA-FIRE 38 - LIKE A PRAYER / MADONNA 39 39 ORINOCO FLOW (SAIL AWAY) / ENYA 40 24 A LITTLE RESPECT / ERASURE